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転生してLv1になったけどスキルや装備を引き継いだので最強です ~誰も知らない知識で異世界無双~  作者: 功刀


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エンペラーの本拠地

 俺とリリィは先行するランドールの後を追っている。

 エンペラーの本拠地に向かうのだから連中とすれ違うのではないかと警戒していたが、幸いなことに誰一人見かけることは無かった。

 しばらく進んでいると、遠くに広い砦があるのが見えてきた。


「あそこがエンペラーの住処だ」

「へぇ。あれが奴らの本拠地か……」


 遠目から見ても立派で大きい砦だった。

 あそこなら100人ぐらい余裕で住むことができるだろう。


「思った以上にでかいな。あんな所に住んでいたのか」

「あれはずっと昔に破棄された古い砦らしくてな。それをキングが見つけて拠点としたらしい」

「いかにも盗賊らしいやり方だな……」


 しかし盗賊のアジトとしては不向きな気がする。

 山で囲まれていて発見されにくいが、ある程度近づけば砦の一部が見えてしまう。砦としては問題無いかもしれないが、盗賊が住むには目立つから微妙だと思う。

 広すぎて持て余すなんてことは容易に想像できるはずだ。


 キングって奴はそんな発想の無い程の馬鹿なのか、それともそれだけの人数を抱えるほどの規模なんだろうか。

 またはそういったデメリットを無視できるような何か(・・)があるのか……

 まぁいい。行ってみれば分かることだ。


「こっちだ」


 ランドールが密集している樹がある方向へと移動していく。俺達もその後を追う。


「遠回りになるが、砦の裏側はあまり使っていない通路があるんだ。そこからなら中に潜入できるはずだ」

「よく知ってるな」

「まぁな。暇な時に砦の中を徘徊してたからな。広くて迷いそうだったから把握しておきたかったんだ」

「へ~」


 そんなやり取りをしつつ進んでいく。

 ある程度進んで近づいていくと、砦の頂上付近にある物を発見した。


「……! あれは……」

「うん? どうかしたのか?」

「砦の天辺を見てみろ。砲身が見える」

「え?」

「そうなのか?」


 ランドールとリリィが俺が指さす方向に振り向く。

 砦の一番高い位置にある場所から、銀色に輝く筒状の伸びた砲身があったのだ。


「な、なんだあれは……オレが居た頃にはあんなもの無かったはずだぞ……」

「ってことは、やはり完成したのはつい最近か……」

「完成……? ま、まさか……」

「そうだ。あれが〝アティラリ〟だ」

「なっ……」

「ふ~ん」


 ランドールは驚愕して再度頂上を凝視した。

 しかしリリィはあまり関心無さそうに見つめていた。


「古代兵器の中で2番目の射程を誇る超遠距離型の巨大な大砲。それがアティラリだ」

「あれが……伝説の古代兵器か……」


 砲身は遠くの山に向けられている。その方向はキノコ雲があがっていた方向だった。

 やはり奴らの仕業だったか。


「じゃあ、あれをぶっ壊せばいいのか?」

「まぁ待てリリィ。俺に考えがある。アティラリの対処は俺がやる。リリィは近づいてくる奴らをぶっ飛ばしてほしいんだ」

「うん。分かった。それなら得意だ!」


 上手くいけばリリィの出番は無いかもしれないけどな。

 だが何があるか分からん。用心に越したことはない。


 アティラリの存在は確認できた。ここまで来て正解だったな。

 後はアレを無力化するだけだ。


「ランドール? どうしたんだ。進まないのか?」

「あんなものを……本当に作り上げるとはな……」


 ランドールは足を止めたまま困惑した表情で見つめていた。


「今さらどうしたんだ。ああいう兵器を使うエンペラーが怖くなって逃げ出したんだろ? 既に分かりきったことじゃないか」

「その通りなんだが、心のどこかでやるはずがないと思っていたんだ」

「? どういうことだ? 言ってることが矛盾してないか?」


 どうもランドールの様子がおかしい。

 迷っているような感じだ。


「あの恐ろしい破壊力を見ただろ? あれを見たら普通の人なら萎縮するはずだ。たった一発でどれだけの死人がでることか……」

「威力も範囲も古代兵器の中では上位クラスだしな」


 アティラリの活躍で何度も戦況をひっくり返したことがある。それだけのポテンシャルがある。


「だがキングの野郎はあんな恐ろしい物を躊躇うことなく作り上げやがった。そこまでして戦争を引き起こしたいものなのか? その後には何も残らないだろうに……」


 確かに言いたい事は分かる。

 盗賊なんだから欲しいのものがあれば奪っていけばいいだけだ。けれども古代兵器なんて持ち出してしまったら奪う物すら消し炭になってしまう。それでは意味が無いはずだ。


 キングって奴の目的が理解できない。まさか世界征服でも狙ってるんじゃないだろうな。


「俺はキングって奴と会ったことは無いから知らんけど、虐殺癖がある狂人だったんじゃないか? 賊なんてロクでもないやつしか居ないだろうし」

「そうだとしたら自分の手でやるはずだ。キングはAランク冒険者並の実力と聞いたことがあるからな。そんな奴がわざわざ兵器に頼ったりするんだろうか」

「ん~。狂人の考えることなんて常人には理解できないもんだろ。手段は何でもよかったんじゃないか?」

「かもしれないけど……」


 俺としては、どうやって古代兵器を作り上げたのかが気になるんだよな。

 仮に国の支援があったとしても、所詮は盗賊。限界があるはずだ。

 エンドコンテンツ級の代物だけあって、素材を集めるだけでも気が遠くなるほどの時間と労力がいる。なのに完成まで辿り着きやがった。

 俺も知らないやり方でもあるんだろうか。


「む~…………」


 そんなことを考えていると、リリィが不満そうな声を出してきた。


「あのさ。アタシは難しい事はよく分かんないいんだけどさ。今はそんなことどうでもよくないか?」

「……え?」

「だって相手は悪い奴なんだろ? だったら全部ぶっ飛ばせばいいじゃん。もう二度と悪い事できないぐらいに。これで解決でしょ?」

「リリィ……」


 迷くことなく言い切るリリィ。

 まさかリリィにたしなめられるとはな。こういう状況だと脳筋思考が輝いて見えてしまう。


「……その通りだな。俺達はやるべきことをするだけだ。キングがどういう目的なのかは今は関係ないことだ」

「そうだな……すまなかった。オレが変な事言ったせいで時間を無駄にさせてしまったな」


 ランドールとしても未だに動揺しているのだろう。だから情緒不安定なことを言ったりしたんだ。


「でも全員ぶっ飛ばすのは最後の手段だからな? いきなり暴れたりしないでくれよ?」

「分かってるって!」

「んじゃとりあえず急ぐぞ」

「ああ。こっちだ」


 ランドールが動き始めたので後をついていくことにした。

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