俺は目覚めた。見渡す限りの大平原。そんな中、 目に入ったのは、天高く聳(そび)える「樹」だった。
ある時、俺は目覚めた。
何故、どうして、ここにいるのか?
記憶を失っていた。
足元には(rikuu)というネームプレートのみ。
なぜそんな衝動に駆られたか、わからなかったけど、
そのネームプレートを胸に付けて、立ち上がり、辺りを見る。
※登場人物
(rikuu)
20際半ば。細身で塩顔。シャープな感じ。
一見冷たさと繊細さが同居する顔付き、細い上がり眉と一重瞼で目尻上がり気味。
前髪目の下ぐらい。黒髪ウェーブミディアムヘア。
白いTシャツにブラウンのドレープオープンカラーシャツ。
青空に雲が薄くかかる、見渡す限りの大平原、
緑が生い茂り、大自然の豊かさが感じられる。
景色を一通り見ると、目に入ったのは、何10キロ先だろうか?
おぼろげながら見える遥か遠くの一本の塔?樹?
上を見ていくと、遥か上空まで続いている。
雲に隠れ、ぼやけて見えなくなっている。
高さは計り知れない。
確認できるだけで5000mはあるかもしれない。
俺はその大きさに圧倒され立ち尽くす。
しかし、感心してる場合ではない。
気温はおそらく30度程、湿気も多く、
このまま立ち止まってはいられない。
そう思い、俺は歩き出す。
目印は他になく、その樹の元へ。