打ち消す
この邪眼を打ち消すためには、もっと強い邪眼をかけてあげなきゃ……
口から直接送り込む。
キスを拒まれ、少し寂しい気もした。
が、強引に口から邪眼をかける。
女性は眠りに落ちる。
次に目が醒めた時は、先にかけられた邪眼はすっかり解けているはずだ。
それまで見守りたいと思ったが、家主がやってきた。
シャンディは窓から外へ出た。
* * *
ローゼズ・カイ・ザーグは研究室にこもって、ワイヤの作成にあたっていた。
こういう時の自分は研究者というより、職人みたいだ、なんて思ったりもしていた。
ふと、依頼主であるゼネバが帰ってきたかどうか気になった……
研究室から出て他の者に聞いてみる。
ゼネバはまだ戻ってないようだ。
――どこまで行ったんだろう?
* * *
シャンディは壁に耳をあて、家の中を様子をうかがっていた。
ドワーフの女性になぜ、この家の住人は邪眼をかけられたのか。
この家の住人が酷い事をしたら血祭に上げてやろう、なんてかなり危ない事も考えてもいた。
三人は自己紹介しあった、食事をしていた。
だが、シャンディの予想に反して、住人はゼネバを丁重に扱っていた。
見守っていたいと思ったシャンディだが、機械の体の調子が悪くなった。
修理のため、その場を立ち去る。
――いつか、彼女と一緒に暮らせたらいいな。
そんな未来を夢見ながら――
*
ゼネバは山菜料理をご馳走になっていた。
「美味しい?」
と、一緒にテーブルについているシムゥンが尋ねて来た。
「あぁ」
こごみのパスタを食べつつ、ゼネバは丁重にもてなされてることに驚いてもいた。
先ほど邪眼をかけられた。
てっきり何かされると覚悟していたのだが……
テーブルについてるのはゼネバとシムゥンとジーラ。
三人は互いに名乗りあい、一緒に夕食を食べていた。