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ルウの地


「あなた、ルウの地に行けばいいのに」

 言いながら、カーラは久々に故郷の名前を言ったと思った。

「砂漠の地なの。あなたみたいな人がいれば助かるわ」


 故郷では水を浄化したりしていた。

 ゼネバに一目惚れして故郷を飛び出したカーラ。

 そんな故郷に対し、少し負い目を感じたりもしていた。


「ねえ? 移住とか考えてみない?」



 カーラの言葉には熱がこもっていた。


 この時のクスナは、当然ながら移住なんて考えてはいなかった。

 ずっとここにいてコーヒーを育てて売ってそれで生計を立てて、結婚して子どもが出来て……

 そんな未来を思い描いていたのだ。



 そこでふとカーラは思い出す。

「あ、結婚するんだっけ? じゃあ、引っ越しはムリか」


 まさに思い描いていたことをすばり言われ、クスナは言葉がなかった。

「でも、覚えていて。いつかそういう選択肢もあるって……」



 そこへ、シーナが来た。

 シーナは丁度クスナの家に行こうとしてたとこだった。

 そのタイミングで、クスナの悲鳴(?)が聞こえ、急いで向かってきていたのだ。。


「どうかした? 何か声がしたけど?」


「あ……え?」

 クスナは挙動不審になった。

 さっきのカーラの言葉、聞かれていなかっただろうか?



「どちら様?」

 シーナはカーラに尋ねる。

「ひょっとして、カーラさん?」



 カーラは名前を呼ばれてびっくりした。


「シーザーの姉です。シーナ・ナユタ・ラングです」

「あぁ」

 カーラは納得した。

 シーザーからカーラの特徴を聞いていたのだろう。


 カーラは、シーナを見た。

 シームァにどことなく似たかわいい顔つき。プラス、胸も大きい。

 カーラのタイプだった。


 極力愛想よく笑顔で振舞う。

「私はカーラ。昨日はシーザーに助けられたの。すごく勇敢な弟さん」



 そこで、シーナは、おや?という顔をした。


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