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徒然ゴルフ〜雨の日のラウンド〜

作者: 山高義浩

雨の日の

ゴルフは楽しいw


久しぶりのゴルフ、

気になるのは天気だ。


まず、

週間天気予報を

チェックする。


降水確率40%…

大丈夫だ。


40%ということは

60%は晴れるということである。


頑張れ、高気圧!


ここで

頑張らないと

いつ頑張るのだ!


ネクラな

低気圧に

君の暖かな風を

送り込むのだ!


私を見て

頷く高気圧。


「お任せを…」


TVで

明日の

天気予報をチェック。


降水確率70%…


おい!


高気圧!


何やってんだ?


押されっぱなしじゃないか?


「すいません…

今回の低気圧、

かなりの強者で…」


君の言い訳など

聞いてる暇などないのだ。


もういい!


私が何とかする!


TVを消す。


女房が嬉しそうに


「明日、雨みたいねw」と言う。


主人が休日、

たまのゴルフで

天気予報が雨の場合、

世の女房の喜び確率は

90%を超える。


敵は

低気圧だけではない。


我が家にも存在している。


しかし、

私も男である。


指を咥えて

ノンビリしてる

場合ではない。


やるだけのことは

やらなければ…。


作るか?


アレを…。


いや、

作らねばならない。


やるだけのことは

やらなければ…。


「てるてる坊主」。


この歳になっても

作らねばならないのか?


しかし、

悔いだけは残したくない。


何十年ぶりかに挑んだ


「てるてる坊主」。


生半可に

作ってはならない。


私の祈りが

天に通ずるように

魂を込めて

作らねばならない。


まずは

生地選びからだ。


ティシュを

丸めて

輪ゴムでパンッ!w


違う!


これでは

雨雲に

舐められてしまう。


生地…


生地…。


あった!


何かのときのためにと

とっておいた千代紙があった。


美しい。


千代紙って

こんなに美しかったのか…。


仏師の如く

丹念に仕上げる。


大きい

小さいという

問題ではない。


魂を込めるのだ…。


心が洗われていく。


そのうち

ゴルフも

雨も

どうでも

よくなってきた…。


今、

このひと時を

てるてる坊主と


共に


過ごしたい…。


当日、

窓を叩く

あの独特の音色。


確認するまでもなく雨だ。


千代紙の

てるてる坊主が

ぐしょぐしょになっている。


ご苦労様…。


ベランダから

取り出し

頬ずりをする…。


寒かったろうに…

冷たかったろうに…


千代紙では

小さ過ぎた。


これからは

ティシュで丸めて

輪ゴムでパンッと作ろうw


玄関では女房が


「残念やね…

雨やから運転

気をつけてねぇ…」


瞳は

私を

気遣ってくれているが

口角は上がっている。


しかし、

ゴルフ場までの

道程ではまだ諦めない。


着いたとたん

パッと晴れ間が広がる…


到着。


雨だ。


其れも

かなり強い雨だ。


屋外行事は

全て中止だろう。


クラブハウスでは

友人が珈琲を飲んでいた。


「おはよう、雨やなぁ…」


「おう!

雨や、雨や、

ラッキーやでw」


「ハァ?」


「雨の日に外で遊べるで♪」


この一言でハッとした。


幼い頃、

水溜りを

見つけては

ジャブジャブ入って

靴をビショビショにした。


外で遊んでいる時、

途中で雨が降ってきても


服が

びしょ濡れに

なるまで遊んだ。


忘れていた…。


幼い頃、

雨の日は

雨の日で

楽しかった♪


その日の

ラウンドは

皆んな、傘なし、

カッパなしで回った。


水浸しの

グリーンでは

1mのパットを

フルショットで大笑いw


服はドロドロ、

顔もドロドロ…。

スコアもボロボロ…。


でも、

ずっと笑っている…。


皆、

いい表情をしてる。


雨の日の

ゴルフ場は

大人達の

ネバーランド!


でも、


やっぱり、


頑張れ、


高気圧…。


メデタシ、メデタシw

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