表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/56

12

「何だよ、それ」


暗いながらも、由月の顔が真っ赤になっていることが分かった。


きっと僕の顔も赤いだろう。


互いに額を合わせて、その後しばらくそうしていた。


すると花火は終わって、僕達は手を繋ぎ、無言で家に帰った。


家に帰ると浴衣を脱いで、おフロに一緒に入った。


だけどお互い、会話はなかった。


なくても、何となく…居心地は良かった。


どこかポカポカした気持ちのまま、結局その後何一つ話さず、僕達は同じ部屋で眠った。


翌朝、彼は普通に接してきたので、僕も普通に接した。


その年の夏休みも、いつも通りに楽しく、おもしろく終わった。


ただ帰り際、彼が部屋にいたので、挨拶に行った時、再びキスされた。


来年も必ずここへ来るという約束を交わして、僕は去った。


いつもは指きりで別れていた。


だけど今年は…。


指で唇をなぞると、ぞくっと背中が疼いた。


「んっ…!」


声を押し殺すと、顔に血が上った。


僕らはもしかしなくても、踏み出してはいけない一歩を踏み出したんじゃないかって…思わずにはいられなかった。


その後、いつも通りに彼とメールや電話のやり取りをしても、キスしたことがずっと頭の中に浮かんでいた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ