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そう思いながら門をくぐった。
伯父夫婦は玄関で待っていてくれて、僕達を歓迎してくれた。
…が、母はさすがに説教されていた。
どうも田舎嫌いは生まれ付きらしく、終始渋い顔で伯父と対戦していた。
その間、伯母がここのことを説明してくれた。
ここ、宮乃原家は先祖代々・地主だった。
そしてこの土地は今では枯れてしまったものの、昔は金が取れたり、温泉が出ていたらしい。
しかしすっかり取り尽してしまい、金は底をつき、温泉は今では実家のおフロに使うぐらいしか出ないという。
それでもおフロは立派らしいので、楽しみだった。
今では農業をしており、それで細々と食べているらしい。
けれど一応、跡継ぎが必要なのだと言った。
それは伯父夫婦の長男に決まっているものの、消極的過ぎて将来がちょっと不安らしい。
上に5人も姉がいるせいで、最近では跡継ぎを放棄するようなことも言い出しているらしい。
僕にはあんまり関係ない話だけど、跡継ぎ問題は大変みたいだ。
昔のように長男に継がせたい伯父夫婦、だけどそれに反発しているイトコが何だかかわいそうだった。
僕だって生まれた時から将来が決まっているなんて、ちょっとイヤだ。