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「渚ちゃんだったけ、ちょっと話があるやよ。少しばかり、ボクと一緒に話しましょ。今すぐ行くやよ」



 今の私の軽い身体は、簡単に引っ張られた。手を握られている。なぜか抵抗できない。これは魔法なのか?

このバカでかい部屋を移動し、人の気配が感じない部屋に私は誘拐された。

その部屋の隅にあった縦長い掃除入れロッカーに今、なぜか私たち2人は入っている。



「ふぅー。焦ったやよ。急に魔王だなんて発して、びっくりしたやよ」



金髪の長い髪を触っている。キラキラとしていい匂いがしてそうだ。



「突然なんだ。急にこんなところに連れてこられて。私になんのようだ」



私は状況が状況なだけあって、思考がおかしくなりそうだ。なんせ狭いロッカーの中だ。今の背丈が子供の姿で本当に良かったと思う。



「あ、こんな場所で失礼やさ。ここでないと誰かに聞かれたらマズいやよ。ここならばボクの魔力で周りには何も感じることもできないし、まして何も聞こえないから」



こいつ真顔で何てことを言っている。危ない奴なのか。スンスン。髪からは柑橘系の匂いがする。やはりいい匂いだった。



「危ないことをするんじゃないだろうな。悪いことは言わない。そういったことは興味がない。止してくれ。早く解放を求む」



 向かい合わせになっている葉子が顔を横に傾ける。少し沈黙した後に目がパチリと開き首をぶんぶんと横に振った。

私の言っている意味を理解したようだ。



「ち、違うやよ。そんな意味でこの場所を選択したわけではないやさ。あー。熱い。ボクもそんな趣味はないやよ。なんせ男同士だなんて」



「……ちょっとまて、今気になるフレーズが出たぞ。おい。説明してもらおうか」



 可愛い顔して男?それに私の正体を知っているのか。見た目的にも幼女そのものなのだが。



「説明から入らないといけないやよね。あなたは今、魔法で幼女の姿になっている元魔王の渚ちゃん。世界を組み替えられる前のことそれは私は理解しているやさ」



私はロッカーが震えるように葉子の肩に手を置き、揺らした。



「いくつか聞かねばいけない事があるぞ。世界が組み替えられた?それになぜ私の正体を知っている」



 葉子が目がくるくるとさせている。僕は、揺らすのを止めて葉子の次の言葉を待った。



「ハアハア。目が回ったやよ。ふぅー。渚くん、いや今は渚ちゃんね。あなたは今、マリアの魔法によって世界が組み替えられて幼女になっているやさ。他の者もね。あなたは生前の記憶があったみたいだけど、ほとんどの人は世界を組み替えられた時に記憶も組み替えられたわけやさ。だからあなたみたいに記憶が鮮明な人はまれやよ」



「はぁ~。ちょっと待ってくれ。そこでなんでマリアが出てくるんだ?」



 私の頭の中が混乱してきている。勇者が呪い魔法を使い、私にだけ呪いをかけたのではないのか。世界を組み替えただと。ただの人間如きになぜそのような力があるのだ。



「説明させてもらうやさ。それはマリアの前世の話になるやよ。前世のマリアが私の神社で扱う家宝、大神妖狐の禁断の果実を勝手に食べてしまったやよ。焦ったボクはその場で能力を封印した。前世のマリアが寿命で亡くなるまでボクは見守ってたやよ。そして、禁断の果実を口にした前世の生まれ変わりがマリアってわけやよ。

再度ボクは封印を施し、前世同様に見守っていたのだけどある時封印が解けてしまったやさ。それがあなたと勇者が戦っていた時にね。」



「ちょっと待て。なぜ、そこに私と勇者の最終決戦が出てくるのだ」



 私は以前までの記憶を思い出している。しかしなぜそのような事態ことになっているのか頭では整理できない。



「魔王渚と勇者がいたところに偶然、マリアちゃんが居た。それが一番の原因。しかも無意識のうちに」



「なんで無意識のうちに我が城にいるのだ。そんなのあり得ない。私の魔力はこの世界で最大だったはずだ」



「だからやよ。大神妖狐(禁断)の果実を食べたマリアが壮大な魔力に反応して、無意識のうちにこの場にやってきた。そして、あなた達の壮大な魔力によってボクが施した魔法の封印が解かれたやよ。その瞬間、魔王渚と勇者と王都軍が魔王を倒すために今まで貯めていた魔力、この場にあったすべての魔力が果実の能力によって奪い去られたの」



 私は額に脂汗が出た。信じられない話だ。私の魔力を奪い取っただと。考えられない。否、考えたくもない。



「じゃ、なにか、勇者の呪いではなくてマリアが行った呪いなのか」



「半分正解で半分不正解やよ。たしかにマリア自身が魔力を吸い取り、世界を組み替えたやよ。しかし、魔王渚が幼女渚ちゃんになった原因は他にあるやさ」



私はゴクリと唾をのんだ。少しばかりの沈黙が狭いロッカー内に響き渡る。



「その原因は世界を組み替えた瞬間に能力と性格が変わった勇者。あなたの呪いはその勇者がやったの。だから半分正解で半分不正解やさ」



私は狭いロッカーの天井を見上げ、小さく息を吐いた。



「それじゃマリアが居なくなれば、事なきを経て元に戻るのか?そうなのか」



 葉子は慌てて私の肩を持った。そして行動を止めるような魔法を使ったみたいだ。動くことが出来ない。



「それはさせない。この神の力を持つ妖狐のボクが全力で止めるやさ。その行為を行えばボクは契約によって死に絶え、この地にいるすべての神は居なくなる。そのあとに続くのは世界の崩壊ただ1つ。だけどただ一つだけ言えることがあるやさ。それはマリアを殺しても呪いは解けない。それだけは言えるやよ」



 葉子が凄い形相で私を威圧してくる。さっきまで居た葉子がまさに妖狐のなったようだ。私は一息を入れ、葉子を見た。



「それでは私はどうすれというのだ。一生この姿なのか」



 私は頭をかいた。焦りを見せながら。葉子の形相は笑みを見せ、普通の女の子に戻った。



「マリアにはあなたの正体を黙ってて欲しいやよ。もしあなたの正体を理解し果実の力を理解したらボクは止めることが出来ない。また世界を組み替えるかもしれない。それは何が起こるかわからないやよから。

あなたがすることは、まず勇者があなたにかけた呪いを解くこと。それが元の姿に戻る最短の近道やよ」



 結局、勇者か。大元の原因である世界を組み替えたマリアからたたくのではなく、呪いをかけた奴をなんとかしろってか。

それにマリアってやつは、もういつ爆発してもおかしくない危険物みたいだな。



「わかった。理解した。それじゃマリアにはもう私の正体は明かさない。これだけは約束してくれ。私は元の姿、世界に戻りたい。だから私も協力するから、葉子も協力してくれ」



少しばかり、葉子は考えているようだ。薄暗いロッカーの中沈黙が続く。そして。



「わかったやよ。ただし条件があるやさ。ボクが協力するのはボクにとってメリットがある時だけ。渚ちゃんの目的のためにマリアやボクたちが危険になることはしない。それが約束できるのであればボクはあなたに協力するやよ」



目力が強い。そして面と向かっているのに背中から感じる壮大な魔力。さすがは妖狐ってことだろうか。



「……、分かった。約束しよう。それで頼む」



「了解したやよ。それではこの空間を解除するやよ。あなたと話せて楽しかったやよ。渚ちゃん」



魔法を解除したようだ。掃除ロッカーの扉が勝手に空いた。外に出た瞬間、新鮮な空気を感じた。

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