はにゃぁ、私の名前は風吹。フー子ちゃんとお呼びください
「よろしい。あなた自己紹介のポイント結構高いわよ……、睨まないで頂戴。ゴホン、それじゃ次は隣にいる緑髪のストレートロングちゃんね」
ダルクはその子に向かってウインクをした。その子は顔を真っ赤にしている。耳まで真っ赤だ。
「はにゃぁ、うぅぅぅ、あたしこういった場あまりなれてないんですぅ。ごほん、あたしの名前は、風吹。フー子ちゃんとお呼びください。趣味は人間観察もとい女の子のパンツをみることですぅ~」
みんなが静まり返った。ただ校長のダルク1人は喜んでいた。
「なんて子なの。全く。素晴らしい才能ね。ろりっこだと思えば、中は変態さんだなんて私は胸がいっぱいよ」
ここの連中はおかしな奴らの集まりなのか。自分のを見て喜んどけよ。
「はにゃぁ、うぅぅ、だから恥ずかしかったのですぅー。以上ですぅ」
風吹は真っ赤になった顔を手で隠している、が周りはそこまで気にしてないようだ。カメラっぽい物でパシャパシャと風吹を撮っている校長を除いて。
私の番になったが特に話すこともないので、渚だ、とだけいい席に戻った。校長のダルクは何か言いたげだったが無視をした。
私の次に自己紹介していたけど誰だっけ?たしか髪は紫色をした頭の上にあったアホ毛が特徴的だったツインテールの子。
なぜかわからないが、こっちをチラチラと見て……、見られていて気持ち悪かった。
そして、最後に奴だ。魔王の私に喧嘩を吹きかけた奴め。ふん、さぞかし凄い自己紹介でもするのだろう。
ダルクが次の自己紹介を楽しみにしている。ダルクがマリアを見ている。
「それでは、最後にマリアちゃんだったけ?、自己紹介お願い」
マリアは椅子から立ち上がって、教壇に上がった。開口一番机を両手で叩き、バーンという音が鳴り響いた。
「私の名前はマリア。私がこの場にいるのは選ばれたから。選ばれる奴は選ばれる。だから私はここにいる。私の行動を邪魔するやつは許さない。最後に、魔王や妖狐、女神などの摩訶不思議人物を知っている奴がいるのなら私のところに来なさい。以上」
摩訶不思議ファンタジーが今ここに。ってやっぱりお前が一番おかしな奴じゃないか。
しかし、あの娘、私の正体を見破りやがったのか。くっ、やはり私に喧嘩を振るだけのことはある。
私がマリアという娘に話しかけようと席を立とうとしたら、校長のダルクが全員に対し、声を上げた。
「あなた達のことはよーくわかったわ。これから王都での生活になるのだけど、何か分からないことがあれば、私や担当の先生たちに聞いてちょうだい。君らは私の忠実なる下僕なのだから」
「そうそう。もうすでにあなた達の親御さんには通達してるから何も問題はないわ。もう部屋も準備できてるし、明日から王都専属学校グリモユニバーシティの生徒よ。部屋の場所は、君たち机の中に準備されている資料が示してくれるはずだからそこに向かいなさい。この紙が示す方角があなたの居場所よ。あなた達ならばわかるはず。わからないはずはないわ。だって私が能力を見てあなた達を選んだんですもの。あはぁぁぁぁあはは」
高笑いをしてダルクはこの無駄に広い部屋を去っていった。
そして私は、あのマリアという娘に用があった。というかあの自己紹介を聞いて用が出来た。
私はいつの間にかマリアの前に立っていた。マリアは腕組をしていた。
「なによ。あんた。魔王か妖狐か女神のこと知っているの?」
「ふん、良いことを教えてやろう。私が魔王の渚だ。今は元魔王だが」
「あんたが魔王っていうの。なに?今まで夢でも見てた。魔力もそんなに感じないし、ふーん。さてはあんた、中二病って不治の病にかかってるのかしら。そうよね。普通の人はそんなこと言わないよね。私は普通の人には興味ないの。分かる?時間の無駄だからその口閉じて頂戴」
めちゃくちゃディスられた。なんだこいつは私の力を持ってヤルか、この小娘を。
腕組をしながらダルクに渡された資料を見ているマリアを私は、高圧的な態度で睨みつけた。
すると、隣から声がしていきなり手を繋がれた。葉子だ。