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authentic world online  作者: 江上 那智
広がる世界
26/51

大会予選と出場者

お待たせしました

今回は短いです

~~一週間後~~


『凄い人ねぇ』


「どんだけの人が居るんだか」


「それよりお前らは修行の成果どうよ」


「バッチリ! ねー」

ローズとジーナは顔を見合わせて微笑む。

自信ありと見た。


「教えてはくれないんだな」


「今言ったら楽しみ無くなっちゃうよ?」


「本番をお楽しみにってな」


『格闘技とか見たことないから楽しみねぇ』

受付はあの後済ませているので後は開催を待つだけである。

この大会は三つの部門に分かれている。


――戦技部門

魔術無しのガチンコ勝負。

小細工などせずに堂々と正面から来るがよい。


――魔術部門

戦技部門とは逆に魔術のみ。

搦め手から殲滅級まで様々な魔術が飛び交うと予測される部門。

瞬きするなよ? 目を閉じた瞬間に消し炭だ。


――魔戦部門

戦技も魔術もありのバーリトゥードバトル。

ちなみにこの部門のみパーティバトルである。

さあ、己の全てをさらけ出してぶつかって来い。


この中でジーナとローズが選んだのは戦技部門。

魔術はからっきしの二人が優勝の目を求めるならここになるのは必然。

まあ、魔戦部門でも大丈夫じゃないか? とも思うが、ほとんどプレイヤーと交流してない上に掲示板すら見ない彼女は名持ちや上位ランカーなど知る由もなく、彼らが現在どれほどの魔術や戦技を使うのか不明。

一発で魔力が尽きて倒れたりもするが、ナタリエの戦略級魔術がすでにある以上はそれクラスを放っても平気な顔をしているのが居てもおかしくない。

あくまで祭りとして楽しむにしてもそこそこ結果が残したいと思った二人が戦技部門にたどり着くのは容易だった。


「よう、お前らも参加するのか?」

背後から声がかかる。

振り向いてみればいつぞやの赤髪侍ゴドーだ。

一人でいるところを見るとはぐれたか用事か。


「うん、ゴドーさん達は?」


「俺とシェイドは戦技部門、ナタリエは魔術部門、あとは観戦だ。パーティバトルにも申し込んでるがな」

大会は三日間行われる。

初日は戦技部門、二日目は魔術部門、三日目は魔戦部門だ。


「私たちは戦技部門だよ」


「ギースも出るのか?」


「いや、俺は観戦だ」


「そうか」


「ん? じゃあ私たちってのは……」


「アタシだよ」

ジーナが一歩前に出る。


「へえ、この姉ちゃんがねぇ……顔は見せてくれねえのか?」


「えっと……」

ローズは一瞬ためらう。

イベントでジーナは公には死んだ扱いになっているとモロックは以前言っていた。

エデンのコロシアムならネルソディラのお偉いさんなどが見に来るが、これは運営側のイベント。

いわば神の祭典となるのでこの世界の人物には影響はないのでは? とも考えた。


(進行に関係なさそうだから大丈夫……かな?)

チラリとジーナに視線を送る。

気配に気づいたジーナはローズを見て口角を上げ、おもむろにフードを取った。

ちなみに既にアモーレは結界に覆われているので昼間だがノーダメージなのを付け加えておく。


「……けが人は大人しくしてるもんだぞ」

フードの下に隠されていた眼と、外すときにチラリと見えた腕でゴドーはけが人と判断をしたようだ。


「は、見た目だけで判断してるなら器が知れるね。ローズから聞いて期待してはいたが、この様子じゃ最前線にいるって奴も大したことないんだな」


「んだと!?」


「ちょっと、ジーナ」


「いこうぜローズ、最前線実力者が見た目だけで相手を判断するような小さい奴ならこの大会参加者もたいしたことないだろうからな」

言いたい事を言ってクルリと踵を返すジーナ。

ローズはオロオロしている。


「―っ! てめえ、言わせておけば!」


「言わせておけばなんだ? その手に掛けてる武器で後ろを向いてるアタシを斬るか?」


「な!?」

振り返ることもせずに自らの状態を言い当てられたゴドーは驚愕する。

そして、言い当てられた口惜しさと気まずさで彼は止まらずに一線を越えてしまいそうになる。


「ストーップ」


「し、シェイド……」


「血の気が多いのは良いけど、その憤りは大会でぶつけるべきだね。試合前に反則負けになりたいなら止めないけど?」

大会参加者は大会前に選手に怪我をさせてしまった場合失格になる。

どうやって判断するかはこの特別競技場に施されている結界である。

どんな理由であれ、攻撃を感知した段階で参加資格を失ってしまうのだ。


「す……すまん……」

厳つい大男が頭一つ小さい機械人の男に頭を下げて怯えている姿は滑稽に感じる。

いや、機械人の背後で笑顔でフラスコを持っている狼人を恐れているようだ。


「アンタがリーダーか? メンバーの躾くらいちゃんとしてくれよな」


「いや、申し訳ない。現地集合でまさかこんなことになっているとは思わなくてね、許して欲しい。このとおりだ」

シェイドはジーナに深々と頭を下げる。


「……まあ、煽ったこっちも悪かったよ」


「ゴドー、いつまで僕に謝ってるんだい? 本当に謝るべきなのは僕じゃないだろ?」


「う……す、すまなかった」


「じゃあこの件はこれで終わりだな、本当の実力は試合で見せてくれよ。……アタシと当たる前に負けるなよ?」


「ぐ……」


「ジーナ、言い過ぎだよ。ほかにも出場者が居るんだから万が一もあるし」


「ローズも意外に辛辣だね……その言い方だとうちのゴドーが弱いって言ってるように聞こえるよ?」


「ふえ!? そんなつもりじゃ」


「うん、そんなつもりじゃないのは解ってるよ? でも、その言い方だとそう取られても仕方ない」


「ごめんなさい……」


「いいよ、僕もローズの戦いをあの時しか見ていないから楽しみだ。手合わせできるといいな」


「うう……」


「はい、これでお相子。さあ、抽選に行こうか」

大会予選は四つのブロックで行われる。

そこで勝ち抜いた優勝、準優勝の二名。

合計8名で優勝争いとなる。



◆ ◆ ◆ ◆ ◆



――抽選会場


「ジーナはどうだった?」


「アタシはCブロック」


「よかった、私Aブロック」


「予選で潰し合いは勘弁だったからな」


「うん」


予選Aブロック

ローズ

ゲド

シオン

アンドー

ごりさん

コジロー

おちゃけん

パルミラ


予選Bブロック

シェイド

ああああ

スレイヤ

アニキ

タイツマン

デンドロさん

ミス・ホワイト

カマセ・ドッグ


予選Cブロック

ジーナ

麻呂

あーさん

ゼットン

赤王

ノイマン

与一

シュタイナー


予選Dブロック

ゴドー

もょもと

エンデバー

N・オブリージュ

蒙鬼

長寿ツルカメ

ゴッドタン

デストロイヤー


「見事にばらけたな」


「そうだね」


「本戦で当たるまでに潰し合いしなくてすんだね」


「あ、シェイド」


「やあ」


「私この中でシェイド達以外全然知らないんだけど、教えてもらえる?」


「うーん……そう言うのはあんまりよくないんだけど、敵を知り己を知ればなんとやらかな? いいよ少しなら」


「ありがとう!」


「まず、僕ら以外の最前線組のメンバーは……」

Aブロックのコジロー

ゴドーと同じ侍。

ゴドーがパワーTYPEの侍ならこっちは技巧派の侍。

鋭い剣技で隙のない立ち回りを得意とする。


Bブロックのアニキ

職業はビルダー

特殊な格闘技を駆使して立ち回る。

自慢は筋肉。


Dブロックのもょもと。

なぜかアーツを使わない攻撃のみの男。

耐久もそこそこ高く、攻撃力もある。

信条はLVを上げて物理で攻撃が最強だそうだ。


さらにもう一人蒙鬼

職業不明だが、格闘職なのは確か。

格闘職なのに遠距離を攻撃する術を持って居たりとオールラウンダーな戦いをする。


「この辺かな?」


「あーさんは違うんだ」


「うん? あーさんと知り合いなのかい?」


「うん、この間会ったよ」


「そうか……会っちゃったか」

なにか含みがある。


「なあ、アンタから見てコイツはヤバいなってのはいるのか?」


「そうだな……ミス・ホワイトかな?」


「そんな風に見えないよ?」


「彼女は何かわからないけど普通じゃない雰囲気をしてるんだ……どんな戦いかもわからないけど、僕は彼女を一番警戒する」


「そっか……」


「ミス・ホワイト……ねえ……どっかで見た事あるんだよなぁ……」


「私もそれは思ってた、仮面つけてて顔は分からないけど……すっごい知ってる人っぽい」


「まあ、なんにせよ各ブロックに油断できない相手が居ることは確かだよ。君たちも頑張ってね」


「うん、シェイドもね」

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