魔法使いとの出会い
ドアを開けるとそこには広々とした空間が広がっていた
決して豪華なわけではないが、居心地がよく、まるで日本の居酒屋を連想させるような雰囲気であった
人々は酒やつまみなどを食べたり、騒いだり、ケンカしたり....
そこにいる人たちはとても楽しそうに思えた
俺はその空間を抜け、ギルドの受付があるところへ向かった
受付には、巨乳のお姉さんが....と期待したのだが、残念ながら巨乳ではなかった。が、美女であることには間違いなく、少しばかり嬉しかった
「ギルドに加入したいんですが」と言うと、受付のお姉さんは、
「わかりました、ではお名前をこちらにお願いしますね!では、こちらの部屋にどうぞ!」と言った
何をするのかと思ったら、
(ではこれから職業を決めるための儀式を始めます。円の中心に立ってください)と急に頭の中に声が来たのだ
きっとこの世界の魔法かなんかなのだろう
そんなことを考えてるうちに、儀式が始まる
青白い光の玉がたくさん周りに浮き、それが渦となり竜巻のようにも渦潮のようにも見える
そして、それが止まると、体が青く光り、そして消えた
そして、「東条健さん、あなたの職業は、トリックスターです。おめでとうございます!
それでは、お仕事、頑張ってくださいね!」というお姉さんの声が聞こえ、元の部屋に案内された
果たしてトリックスターとはなんなのか、いったいどんな職業なのか、お姉さんに聞いてはみたが、お姉さんも実は知らないようで、ユニーククラスの職業ということらしい
つまりは俺専用のスキルということだ
それは嬉しいようで、嬉しくない
なぜなら誰かに技を教わるということができないので、何をすればいいのか検討もつかないからである
「むぅ、どうしたものか.....」と小1時間頭を悩ませることに....
さて、手続きも済んだので、そろそろ今夜の宿を決めなくてはと思いまずは宿を探す
幸いいつの間にかお金がポケットに入っていたのでお金に困ることは無さそうだ
ギルドの近くに宿をとり、ひとまず寝ることに
次の日の朝、目を覚ますと目の前に、俺の上で四つん這いになり顔を覗いてくる少女がいた
「おかしい、これは夢だな、よしもう一度寝れば正気に戻るだろう」と言って眠る
しかし眠ろうとした俺の肩を揺すり、「いや今起きましたよね!?夢じゃ無いですから!起きてくださいよぉ〜!!」と言われたのでさすがに起きない訳にもいかず仕方なく起きることに
歳は17ぐらいだろうか
顔は比較的可愛く、銀色の髪にフードを被っているのが特徴的だ
ん?あれ、どっかで見た気が.....
「昨日俺が助けた!!」
「助けてないです!あんなシーン、私ひとりで余裕でした!むしろその後逆にカツアゲしてやろうと思ってたんですぅ!」
と、なんだか強がりにもホントにも聞こえるセリフを言われた
(それってもしホントなら恥ずかしすぎじゃね?てかカツアゲは逆に止めないとでしょ!)と思ったが、口には出さないことにしよう
「で、なぜこんな状況になっているんだ?」
「いえ、そのー、昨日は一応助けて貰ったわけなので、なんと言いますか、お礼にパーティーを組んであげましょう!」
俺は宿屋を後にした
「なーんでですかぁー!!こーんな超絶美少女がパーティー組んであげるって言ってるんですよ!?それを断るわけでもなく無視するなんて!ちょっと待ってください悪かったです!私が悪かったですーーー!!!」
どうやら大変面倒な奴に絡まれてしまったようだ
その後ギルドで朝食を取りながら、その女は自己紹介をした
「私の名前はキャシーよ。気安くキャシー様と呼んでくれてもいいわ!え、何よその目、わかったわよ、キャシーで良いわよ!で、職業はウィザードよ。まぁ、魔法職ね。で、私はパーティーメンバーがいないのよ、だからあなたを仕方ないから私のパーティーに招待してあげるわ!え....なんでそんな要らないって言ってそうな目で見るの!?わかったわ、私が悪かったわ!だからどうか私とパーティーを組んで!」
とにかくわかったことは、フード被っててなんか大人しい系に見せといて、とにかく高飛車な態度を取るウィザードのようだ
「まって、なんかあなた今私のことをすごい悪く思ってない?」
勘は鋭いようだ
「ところで、お前どうやって宿の中に入ったんだよ!鍵掛かってただろうが!」
「ふっ私は壁を抜けれるわよ!なんたって、最強のウィザードですもの!」
「最強のウィザードがパーティー組めてないわけないだろ?で、壁抜けはもしかしてお前以外も出来るのか?」
「いいえ、私以外にできるのは今となっては姉だけよ?我が家に伝わる秘術なの!凄いでしょ?」
たしかに役に立つ時は立つだろう
しかし、それならとてもすごい出なのでは....?
なぜこのような優秀なウィザードが他のパーティーに入れないのか...
その理由を知るのが怖いところだ
まぁいい機会だ、この世界のことを聞きながらクエストでもこなすことにしよう
ギルドではクエストを受けることができるのは、やはりこの世界でも同じらしい
「やはり最初は楽なクエストをっと、あれ?スライムのクエストが無いけど何でだ?」
「はぁ?知らないの?スライムなんて強敵、相当な上級者しか倒しに行こうだなんて、思わないわ!」
ん?何を言っているのだろうかこいつは
「スライムが強敵?いろんなゲームでの最初の敵がか?まさかそんなわけ....」
「スライムって言うのはね、物理技はもちろん効かなく、なんでも食べるわ!そして食べたやつの能力を奪えるのよ!そうして強くなったスライムは、もはや魔王の域まで達している者もいるわ!」
な....んだと....あのスライムがそんなチートキャラだったなんて....
「だから気安くスライムなんて名前を口にしない事ね。他の冒険者に驚かれてしまうわよ。」
そうだったのか....世の中末恐ろしいものだ
「で、何なら行けるんだ?」というとキャシーは、
「そうねぇ、ゴブリンなんてどう?集団でいることが多いけど、このクエストなら数匹だから楽なはずよ!」
ふむ、こいつも存外役に立つかも知れないな
しかし、クエストを受諾してからある所に気づく
あーれ、俺そういえば装備がない...これではゴブリン相手でも余裕で負けてしまうだろうと思っているとキャシーが、
「なによ、そんなものなくても私ひとりで十分よ!」
と言ってのけたのだ
しかし、もしもがあると行けないので、剣だけは買うとしよう
そして、クエストに書いてあった草原に着く
そこには数匹のゴブリンがいた
「グギャァァァ!」とゴブリンが一声あげて、襲いかかってくる
すると、キャシーが、「行くわよぉ!」と言って魔法の詠唱を始めた。そして、「フレイムボム!」と言った
ん?ボム?この距離でそんなものを打ったらもしや俺らの位置もあぶないのでは....
放った魔法は、ゴブリンたちを巻き込み....俺たちを巻き込んで空高くまで爆炎をあげた
俺は目を開けて起き上がる。口の中がジャリジャリする。どうやら吹っ飛ばされたようだ。
近くにあのウィザードもいた。こちらも意識を取り戻し、イッテテと言っている。そして、魔法を放った方を見て見ると....そこには黒いクレーターが出来ていた....
「なんじゃこりゃぁぁぁぁぁ!」
俺の絶叫が草原に響き渡った
ギルドに戻り、報酬を受け取るゴブリン倒すだけで5万円といえばいいのだろうか、ここではギルと言うらしく、5万ギル手に入れたわけだ。で、それはいいのだが...
「お前、なんで俺ら巻き込む場所であんなの使ったんだ?おい!」
周りの人は、目をそらす。これはつまりそういう事か?だいたい予想がついてきたぞ?
するとキャシーが
「いや、ゴブリンがいたから打っただけよ?素晴らしい魔法だったでしょう?」
何を言っているのだろうか。今すぐこいつの頭にげんこつを落としてやりたいところだが、ここは抑え、冷静に考える
つまりこいつ、後先考えれないから他のパーティーからはずされたのでは...?
素質はありそうなのになんて残念なやつだ
「で、魔法はほかになんか覚えてないのか?できれば昨日のような魔法はよしてくれ」
と俺が言うと、キャシーは
「えっと、他にはウィンドボム、ウォーターボム、アースボム、ライトボムにダークボム....それから一番得意なのは、トルネードよ!」
どれも相当危険な魔法しか無いようだ
「他にはないのかよ!なんでそんな威力高そうなやつしか無いんだよ!しかも最後のトルネードってなんだ?ほかの奴らがみんな死ぬんじゃないか?」
「かもね!」
「てめぇぇぇ、使えねぇじゃねぇかぁぁぁぁ!」
しかしその日の夜、寝ようとすると脳内になにやら声が響く
(魔法解析完了これから、劣化型魔法の習得にかかります)
ん?なんの声だろうか
(劣化型魔法習得。名前はファイアーボール)
ほう、もしやトリックスター特有の特技なのでは!?
そして、俺は魔法、ファイアーボールを覚えた
これで、ようやく1人でも冒険ができる!
問題児には何もさせなければいいのだ
そして、気持ちの良い朝を迎える
俺は、ギルドに浮かれてスキップしてしまいそうな足を運ぶ事ににした
こんにちは、あんドーナツです。最近は、ほんとに忙しく、投稿するのが遅くなりました。
今回はキャシーという新キャラが出てきて、物語が少しずつ進んで来ました。更に、主人公の職業、トリックスター。この能力がどんなものなのかがこれから気になりますね。これからもよろしくおねがいしますm(_ _)m