外伝1【付き合い始めたその後と漸の昔話】
これは旅立つ少し前の桜羽と漸が付き合うことになったその後と漸の過去の話
「そういえば、私は漸くんの好きな理由言いましたけど
なんで漸くんは私を好きになったんですか?」
「ん、理由?
それは桜羽が俺を気にかけてくれた姿勢
何かを頑張ろうとしてた姿勢、そして何より桜羽の可愛さが好きになったことかな」
「そうなんだ〜」
俺は、好きになった理由を言うと桜羽は嬉しそうに答えた
(そういえば、これが人を愛する初めてのことだな)
俺はそう心に思っていた
ふと少し昔の事を思い出した
ーこの世界に来る前ー
「ニュースです
今日未明、とある建物で…」
ピッと鳴りテレビが消える
俺は母さんと飯を食べていた
「漸、飯食べたら学校行きなさい
遅刻するよ」
「へいへい」
俺はそう答えながら飯を食べ支度し家を出る
通学路を歩き学校に着くと1人こちらを歩いてきた
「やぁやぁ、漸君じゃないか
また、1人で歩いてきたのぉ?
寂しい?寂しくないよね高校生なんだからァ」
「あ、そうっすか
で、なんですか?」
「金ないんだよねぇ、お金貸してくんない?」
「はぁ?俺もないんすけd…」
「いいから貸せや!」
ゲシッと音がして俺は蹴られた
「グホッゲホッ…
はいはい分かりましたよ…」
「分かってるじゃないかぁ〜」
 
俺は仕方なくそいつにお金を貸した
「じゃあね、漸君」
そいつは笑いながら去っていく
俺はそいつを殴りたかった
憎しみを返したかったが親の進めなので退学にできない
だから殴れなかった
俺は我慢して教室に向かう
無論、友達がいるはずなかった
ヤンキーが多い、先生は使えない、友達はいない
だから日々がつまらない
俺はこの世界を憎んでいた
変えたかった
それができる日を待っていることしかなかった
しかし、それができる日を第二の世界に行く日を
迎えるとは思わなかった
ーある日の放課後ー
「さて、あいつらに見つからず帰れたぞ
母さんも帰ってるはずだ
…って、なんだこれ?」
見知らぬ物が落ちていた
俺はそれを取りリビングに向かう
すると俺が見た光景は最悪なものだった
1人の男がナイフで母さんを刺している
かろうじて息がある母さんは混乱する俺を見て
くしゃくしゃの紙を投げ口パクで
「にげて」
と言ってきた
すると犯人はこちらに気づいたので
混乱していた俺は犯人から逃げた
一生懸命に走って逃げた
走って走って走って
追いつかれないように海の崖まで逃げた
俺は逃げた後、母親に渡された紙を開いて読むと涙が出て泣いているとなにか人の気配がするので後ろを向く
すると大きな男が立っていた
ナイフの持っていた男とは違うが雰囲気は一緒だ
俺は咄嗟に思った
(こいつはあいつの仲間だ…)
崖なので逃げ道はない
俺は男を躱そうとしたがそれをできずそのまま落とされた
落ちていく中で母親に貰った紙の言葉を思い出す
『漸へ
私がこの先居なくなったり急に死んだ時があったりしても悲しまず前を向いて生きて
漸を産んだのは確かによかった
漸は私には気づかれないよう、知られないように普通の態度をとっているけど
私には漸がいじめられ世界を憎み寂しそうに生きてるのは分かるよ
なぜなら私は漸の母親だよ
普通の時と違う時は分かる
でも幸せだけはあると思うんだ
この先、良い人を見つけたら必ず幸せにしてあげなさい
そうすると漸も幸せになれると思う
だからこの先も幸せに生きてくれ
世界を憎むだけじゃなくてね
母親より』
俺はこの紙の言葉を心に思いつつ世界を変える事に決めた
世界を憎んでいようが幸せの世界にするために
「ふぅ…」
「ん、どうかしました」
「いや、なんでもないよ」
桜羽が少し不安そうに言ってきたので俺はなんでもないと答えた
(俺は今良い人を見つけたよ
この娘を幸せにしてみせる
だからいつまでも見守ってな、母さん)
俺はそう思いつつ桜羽を連れて宴会に戻った
宴会が終わったその後、皐良と彩冬に付き合ったと伝えたところ
「おめでとう、桜羽ちゃん
漸、幸せにしなかったら私が倒してあげる」
「ありがとうね、皐良ちゃん」
「幸せにしますよ」
「姉さんと漸、おめでとう」
「「ありがとう」」
「で、親父達に伝えんの?」
「一応言っておこうかな」
「そうなのか、行ってらっしゃい」
俺達は皐良と彩冬と別れ桜羽の父母である
茂さんと真紗子さんの所へ向かった
「おぉ、漸くんと桜羽じゃないか
どうしたんだい、二人共?」
「お父さん、話があるの」
「なんだい、改まって?」
「えっと、実はですね
俺達付き合うことになりました」
「えっ…それは本当の事かい?」
「本当の事です」
「あらやだ〜、2人付き合っちゃうのぉ」
「とうとう娘に彼氏か
漸くん、よろしく頼むよ
幸せにしてやってな」
「はい、分かりました」
「後今度から呼び名は父と母でいいよ
娘の彼氏で将来の夫さんだからね」
「早いですね」
「早いよぉ」
そう話しながら1日が終わる
これからはきつい旅になるかもしれないけど仲間と桜羽とで頑張っていこうと思った
はい、どうも皆様こんばんは(夜に書いたので)
久々の投稿になりましたが外伝投稿しました
今回の話は漸と桜羽の付き合ってその後と漸の昔話です
それでは、感想・アドバイス等、何かありましたらお願いいたします




