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送還勇者と来訪者  作者: 神月センタロウ
騒乱編
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76/115

18:未来の行方 ②

神様(wiki)の偉大さを痛感する今日この頃。

諸説有る話については都合の良いように解釈しております。

「ふんっ!」

「うおあ?!」


 何かの衝撃で意識が戻るとそこは王城の会議室。ダグダさんが俺の背中側で何かしている。


「うむ、気が付いたか?」

「へ? あれ?」

「何、一向に起きないから喝を入れたまで。痛む所は無いか?」


 言われて身体に意識を向けると首が痛い。その痛みでフラッシュバックする記憶。


「えーと? 夢?」

「そんな訳無いでしょ。周りを見てごらんよ?」


 雛壇の方から少年神が声を掛けてくる。言われるがままに会議室の面々を見渡すと。


「あ、ソウジ君気が付いたみたいね」

「火急の用件だと言うから鞭打って来たというのに」

「ユリウス死んじゃう?」

「いや、死なないが……」

「後で何か栄養の有る物作りますね~」

「では、私も練習の成果をお見せしましょう。きっと驚きます」

「セリス様はまだ辞めておいた方が……」

「ミーララのご飯の方が良い!」

『マリーも人の事は言えないだろうに。ナナコの料理が一番美味い』

「確かに。私も味見だけの参加だが、手足が有ればすぐにでも越えてみせるのだがな」

「のうのう、首の娘よ。どうなってるのじゃ? 何でこれで生きていられるのじゃ?」

「うちも初めて見る種族やねぇ。山に帰る時持って帰ってもええ?」

「いや、流石にそれは……」


 何時か見た我が家のリビングの光景がそこに有る。ただし、ここは王城の会議室。そして何より当時居なかったはずのメビウスもユキヒメも混ざっている。


 頬を抓ってみるより首の痛さが現実だと主張していた。


「セリーの料理か。勿論わしらにも食わせてくれるのだろう?」

「勿論です、お父様。以前お送りした映像はご覧になりましたか?」

「ああ、見たとも。その時に披露してくれるのか?」

「その予定です。あっと言わせて差し上げます」

「セリス、結婚式の様子も見ましたが、人前でアレはどうかと思いますよ?」

「え、あの。アレはまぁその……」

「私にも見せて欲しいですな、幼少よりお世話してきた身。晴れ姿となれば冥途の土産にもなりましょう」

「ユーベンテはもう二人分も見ているではありませんか?」

「男ばかりで見栄えしないのですよ……しかも肝心の長男がヤモメですからな」

「ハハハ、耳が痛いですね……」

「アレン殿も身を固めたらどうだ? 相手くらいいるだろう」

「ラザリス様には言われたくありませんね」

「ラザリス様は魔術に身を捧げたお方です。そういった話は無縁です」

「そうでもないんだけどね……」

「え?」


 少し距離を置いた場所では王城首脳陣と魔術研が勝手に騒いでいる。アリスだけは仏頂面でラザリスさんの横に座ったままだ。


 全体を見て、思わず顔が緩む俺に少年神が告げてくる。


「夢は叶ったかい?」

「あぁ……叶った」

「それは良かった。これで少しは僕の話も聞いてくれるよね?」

「そ、そういえば真由は?」

「彼女は日本だよ。今はあれから少し時間が経ってあちらが夕飯の頃だ。今回の報告と久々に自宅での食事をしている頃だろうね」

「ああ、そうか……」


 目を瞑りその光景を思い浮かべる。きっと怒られているんだろうなと苦笑する。


「で、もう本題に入って良いかな?」

「うん……お願いします。あと、ありがとうございます」

「悪魔として契約したんだからね。お礼は仕事で返しておくれよ?」


 ニヤリと笑って少年神がウインクする。


 そうだ。この恩に報いるのが俺の務め。俺の理想を押し付けた皺寄せを責任持って処理しなくてはならないのだ。





「コホン。では、最初で最後となると思うけど改めて。僕はこの世界の創造主である、君らの言う所の神です。この前宣言した通り、この星は僕の世界に組み込みました。元の管理していた神と邪神とされていた神、この二人を内包した惑星として今は存在します」


 始まった少年神の演説を皆真剣に聞いている。ここ数日だけでも変化の影響を感じている王城組は、それこそ縋る様な思いだろう。


「一番君達に影響が有ったのは、恐らく魔術という現象が使用出来なくなったという事だろうね。残念だけど僕の世界にそういう概念は無いんだ、ここだけそれを許可するという事は出来ないから諦めて欲しい。代わりと言っては何だけどこちらには科学という物が存在する。ここに居る何人かはそれに触れた事が有るよね?」


 何名かが無言で頷き、その内の一人、セリスを指差して少年神が質問をする。


「実際触れてみてどう思った?」

「想像出来ない程便利で、誰でも扱えて。まるで奇跡の様でした」

「まぁそんな所だろうね。じゃあ次に勇者君、君は最初に魔術を見てどう思った?」

「え、いやまぁ何も無い場所から火が出たりして凄いなぁと」


 突然振られて焦って答えるが、実際そんな感じの感想だったと思う。空想上の物だった魔法が目の前で実演されたのだ、大はしゃぎした気もする。


「というように、片方には常識の事でももう片方にしてみれば驚きの技術だね。でも実際どうだい王女ちゃん? 選ばれた人間しか使えない魔術と、技法さえ確立すれば誰でも使える科学。どちらが必要だい?」

「……そう問われると科学と答えたいですが、一長一短だと思います」

「ほほう、それは何故かな?」

「私達は魔術に慣れ過ぎました。ソウジ様の世界のような物を産み出す力を付けるのには時間が掛かりすぎます」

「それはそうだね、研鑽の歴史が違うから当たり前だ。ちなみに勇者君から見て、この星の魔術以外の文明はどの程度だと思う?」

「んー、他の国は知らないですけどハイランドだけに絞って言えば、主要な交通機関は馬だし、騎士が闊歩して王城が有って。イメージ的には昔のヨーロッパとかそこらへんですかね?」

「まぁそんな所だろうね。それが地球の近代の中でも先進国とされる国をそのまま模倣なんて出来る訳が無いよね。でも結構タイミングの良い時代背景なんだよ?」

「タイミング?」

「君は世界史を知らないのかな? この世界の文明レベルは言わば、地球の西洋においての暗黒時代とも呼ばれる頃に等しい物さ」

「それが良いタイミングなんですか?」


 暗黒時代なんて物騒な名前の時代と同じと言われて、先程の言葉を聞き返す。


「勿論現状は良くないよ? だけど、封建制の政治体制、蛮族の脅威に晒されたりそういう面は悪い時代だとされているね。でも同時に文化の起こりが始まったのもその時代だ、芸術に学問、文学なんかがそうだね。君の国で言えば諸説あるけど、戦国時代の終わり頃までがそういう時代かな」


 何でここで世界史を講義されているのか判らないが、何となく時代の変化のタイミングというのは理解出来た。そう考えれば良いタイミングというのも判る。


「だけどアルテミアって昔からこういう感じって聞いた気がしますけど?」


 こちらの人類史で最古の魔王侵攻の話が出てくるのが3000年くらい前らしい。100年程の周期の魔王侵攻が30回程、そして現在の王国自体がもう1000年以上は歴史があると、何時か聞いたような気がする。


 そんな歴史の過渡期のような時季のまま、停滞している事などあるのだろうか?


「そこだよね。そこが僕が魔術を認めない理由さ。普通は現状をより良くしようとそれこそ死に物狂いで生命は進化する。だけどこの世界は止まってしまった、何故か?」


 段々と芝居じみてきた少年神はノリノリだ。TV番組でも見ているような感覚にもなってくる。


「ここに居る元魔術師の諸君、魔術とは何か言ってみてくれるかい? そこの君が一番偉いんだっけ? どうだい?」


 ラザリスさんを目線で示し、それを受けて元魔道王が力強く返す。


「魔術とは神の恩恵を顕現させる技術です。神の力と自らのマナと同調させ現象を引き起こす。そういったものだと認識しています」

「うん、正解だね。魔術は神様とか良く判らない者にお願いして現象を起こして貰う力、要するに借り物だ」

「それはそうですが! 借り物とは言いすぎかと」

「言い過ぎじゃないよ? だって君達、何かリスクを負っているのかい?」

「マ、マナを使います……制御するにも危険が伴います」

「マナねぇ。それが無くなるとどうなるんだい? 死んじゃうのかい?」

「意識を失います……」

「それは大変だね、それから?」

「それだけです……」

「まぁ場所が悪かったら危ないね、危険だね。戦闘中なんかになったら死んじゃうよね。何か回避手段はあるのかい?」

「ちゃんと管理していれば避けられる事象です……」

「あらら、意外に簡単なんだね……とまぁいじめるのはこれくらいにしよう。所詮その程度なんだよ。ムニャムニャってお願いしたら何でもしてくれちゃうのさ」


 ラザリスさんが力無く腰を降ろした。人生賭けた魔術をボロクソに言われたのだから気持ちは判る。だが、少年神の言わんとしている事も判る。


「今回僕が手を貸したのは明らかに普通の生命体じゃ手に余る事象だったからだ。たまーに気紛れで手を貸す事もあるよ? 勇者君の願いを叶えたのはそういう物だ。これは僕らの生存に関わる信仰心を集める為の物、たまには力を示さないと信仰は薄れるからね」


 言いながらトコトコと放心状態のラザリスさんに近寄り、頭を撫でる少年神。


「あんまり落ち込まないでおくれよ、そういった物を技術として研究していた君のような人物が居たからこの世界は衰退を免れていたのは事実だ。世が世なら君は偉大な科学者になれただろう、これから始まる世界にはそういう人物が必要だ。機嫌を直しておくれよ」


 叱りすぎた我が子を宥めるように、ヨシヨシとしてからニコリと笑って少年神は元の場所に戻っていった。


「まぁ話を戻すけど、そういった借り物は他にもある。魔王という脅威には絶対強者の勇者がやってきてやっつけてくれる、これもそうだね」


 絶対強者というくだりで俺に視線を送る辺り、良い性格していると再認識させられる。淡々と語る事は出来ないのだろうか。


「木が切れない、困った! 魔術でスパーン。水が足りない、困った! 魔術でジャバジャバ。寒い! 魔術でボー。魔王が来たぞー! 勇者を呼べー。文明的に進化する訳無いよね?」

「お言葉ですが、日々魔術以外の技術も進化しております。ガミネラなど金属練成に関しては群を抜いております」


 おどける少年神にフィリス女王が食って掛かった。流石に何もしてない訳じゃないと主張したいのだろう。


「水の足らない地域では魔術師が居なくなっても大丈夫なように貯水技術を、きこりなども道具や伐採方法をより効率的な物へと、暖を取るにも家屋をより気密性の高い物にしたり燃料となる物資の研究もしています。それでも進化していないと仰いますか?」

「訂正しようか、圧倒的に遅いんだよ。勇者君、さっき話した戦国時代の終わりってのは現在からどれくらい前か分かるかい?」

「えーと……確か……イイクニツクロウ?」

「それは鎌倉幕府だね……聞いた僕が悪かったよ。歴史は苦手なんだね」

「じょ、冗談だよ。えーと、ヒーローさ……だから、1603年。500年前くらいか」

「ご、ごひゃく?!」

「そうだね、良く出来ました。女王様はどうしたんだい? 因みに言えばその前に話していた時代も600年程前の勇者君の世界の話だ」

「そ、そんな……その期間で現状からあのようなキカイを作れるようになると?」

「1000年の王国、その前の時代から合わせて君達は何をしていたのだろうね? 同じ種族が半分以下の時間でこの世界の魔術よりも優れた誰でも使える物を普及させたというのにね」


 俺には感覚が判らないが、女王様には堪えたらしい。この様子では恐らく1000年前からこの水準を維持してきたのだろうか。滅亡する事無く、維持してきた事が誇りであったのかもしれない。


「まぁこれもいじめになっちゃうからここまでね。フォローをすれば地球には魔族は居ないから100年毎に築き上げて来た物が破壊される心配は無かったからね。何度か大きな戦はあったけれど、それすら糧に地球の技術は伸びたんだ。誰も助けてはくれないからね」

「要するに私達は神の恩恵に甘えていた……?」

「仕方無いよ、そういう世界になるように創られていたんだから。神の力に縋らないとままならない世界、僕は歪だと思ったんだけどどうかな?」


 少年神の言葉にフィリス女王だけで無く、室内全員が静まり返る。それを肯定と取ったのだろうか、少年神が再度語り出す。


「未来の話をしよう。今回の様なケースは僕も初めての経験でね、広大なこの世界の中でもこんな成り立ちをした惑星は未だかつて無い。当然のように受けていた恩恵を僕の一存で取り払ってしまった訳で、流石にこのまま放置するのは僕の望む物でもないね。助けたからには最後まで責任を持ちたい。でもこれまでの話で判って貰えたと思うけど、一方的に与える事はしない」


 少し声のトーンが変わっただろうか。外見よりもずっと重々しい、威厳のある物になっている。


「君達が一人立ち出来るまでの支援をしようと思う。その責任者が勇者君だ」

「う、やっぱりそうなのか……」

「今回の支援に関してのルールを説明しておくね。一つ、与えるだけでは無くアルテミアの原住民が主体で行う事を前提にする事。二つ、過度な技術の伝達を禁止する。三つ、支援期間は勇者君の死亡まで。そして目的はさっき言った通り、この惑星の一人立ちだ」


 三つ目って俺が明日にでも殺されたらどうなるんだろう……。


「細かく言うと、一つ目は要するに技術を伝えるにしろ原住民側が学ぶ形を取るという事。学校とか教習所を作っても良いけど、教える側が1から10までやっちゃ駄目だ。横で口を出すだけ、勿論実演とかをして見せるのは構わない。その違いは分かるね?」

「ああ、大丈夫だ。手本はOKって事だな。ちなみに技術書の持込は?」

「教材とか自主勉強用の物は大丈夫だよ。ただ、設計図とかは駄目ね」

「教科書に載ってる回路図とかは?」

「んー、微妙だけど教材として流通してる物なら良いかな」

「まぁ程々にしておくか」

「そうしてくれると助かるね。で、二つ目。これはまぁ線引きが微妙になりやすいけどね、いきなり原子炉を持ち込まれても困るって話だね」

「どの道そんなの作り方も仕組みもわからねーよ!」

「妹ちゃんはどうかな? 理解しちゃいそうだけど」

「あー……確かに……」

「良い方にも悪い方にも彼女は重要な人材だよ? そこの舵取りも勇者君の役目だ、適度に調整してあげてね」


 宇宙船作るって豪語してたくらいだしなぁ……後でちゃんとこの話を伝えないと。


「ちなみにもう既にDVDプレイヤーとかスマホ持ち込んでるんだけど、そこらも日本に持ち帰った方が良いですかね?」

「そこら辺微妙だよね~。将来こんな便利な物が出来るかもよって提示するにはそういうのは良い餌だからね。実際、ガミネラって地域の技術ならカメラの真似事出来ちゃいそうだしね。印刷の技術は流石に無いから、あくまで投影するだけだけどね」

「おお? そんなにガミネラって凄いんですか?」

「知らないのかい? 16世紀頃にはカメラ・オブスクラってピンホールカメラがあったのさ。実際に感光を利用してフィルムに写すのは19世紀だけどね。前者なら可能って事さ」


 神様って卑怯だなぁと痛感する。全世界の何もかもがデータベースに保存されていてすぐに判るとか、全知全能の名に相応しすぎる。


「まぁそこはファジーに行こうか。君の判断に任せるけど、あんまりやりすぎると困るのはアルテミアの人だからね?」

「了解」

「で、最後の三つ目。これは単純に勇者君をここに縛り付ける契約の期限だからだね。まぁこれも明日階段から落ちて死にましたっていうのは勘弁して欲しいね。そしたら流石に代理で妹ちゃんにでも頼むかな」

「真由なら受けちゃうだろうなぁ……」

「迷惑掛けたくないなら精々長生きしてね?」

「と言っても50年かそこらだろうしな……」

「そうだね、時間は限られているよ。全力で走りぬけるのかい?」

「無茶言うな。全力で走るけど休む時は休むさ」

「うん、それくらいが丁度良いだろうね」


 やる気が足らないと窘められると思ったが、意外にも屈託無い笑顔で返された。いまいちキャラが掴みにくい。


「ああ、そうだ。さっきの話と少しかぶるけど、超距離転移装置の事ね」

「あれそういう名前なのか……結構単純なんだな」

「正式名称は多分聞いてもちんぷんかんぷんだと思うよ? 僕の世界の中でも先進国に当る惑星の物だからね。あれは判ってると思うけど地球にとっても過度な文明の物だ、絶対に見つからないようにね?」

「俺の部屋に勝手に置いておいてそりゃ無いんじゃないか……しかもあの家借家だぞ?」

「……困ったね」

「おいおい……というか床がよく抜けないなって思ったけど」

「まぁ冗談だよ。そういう思考も及ばない代物だからね、あれのマスター権限は君に設定してあるから、君が許可した人以外は反応しないよ。移動させる時や隠したい時は、君が手を触れてそう思えば消えるし、出そうとすれば出てくる」

「滅茶苦茶な代物じゃねーか……何でそんな物くれるんだよ? 甘やかさないんじゃなかったのか?」

「んー? 願いを叶えるっていうのもあるし、何より雇用条件に書いてあっただろ? 自宅通勤可能って」

「スケールがでか過ぎるんだよ……」


 惑星を跨いだ自宅通勤という発想がおかしい。ともあれ願い云々を差っぴいても、どの道日本とは往復しなくてはならないのだろう。その為の配給という事なのかもしれない。


「別に前までみたいに信頼出来る人材なら地球へ出入りしても良いよ。現地講習みたいに使ってくれれば良い。ただまぁそこでトラブルが起きても僕は関わらないからね?」

「甘いのか厳しいのかハッキリしてくれよ……」

「平たく言えば、お膳立てはしてやった後は任せる、かな。忙しいのは本当だからね、今回はちょっと時間掛かり過ぎたくらいだよ」


 肩を竦める少年神。色々と丸投げされた気もするが、これほどやりがいのある物も無いだろう。


 最後にと前置いて、再び少年神が雛壇に立つ。


「ここに集まって貰った皆の共通点は、言うまでも無く勇者君だね。居ない人もいるけど、全員少なからず彼と関係を持った人のはずだ。だからお願いするよ。知っての通り彼は頼りない。気ばかり焦って肝心な所でミスをするし、すぐ騙されるお人好しだ。しかも嘘がつけないから交渉事にも向かない。そして何より、まだ子供だ」


 少年の外見で言われてもな、とツッコミたいが今の雰囲気は完全に親のような物だ。その言葉に違和感など感じない。


「年上の者は自らの経験を彼に伝えて欲しい、それはきっと役に立つから。年の近い者は横に立って同じ目線で支えてやって欲しい、彼は打たれ弱いから。そして年下の者は彼の背中を見てやって欲しい、彼の意思を継ぐ為に。頼りない部下だけど、宜しく頼むよ」


 最後にニコリと無邪気に笑って、少年神は解散を宣言した。

お読み頂き有難う御座います。

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