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送還勇者と来訪者  作者: 神月センタロウ
あとがき
114/115

SS05:☆90年代CDドラマ風 次回予想

10万PV記念の悪ふざけ100%。

ほんわか話?知りませんなぁ。

真由「『送還勇者と来訪者』っ!完結有難う会議~!はい、拍手~」


 わ~わ~

 ぱちぱちぱち


真由「はい、この度のお話で無事に完結したらしい送還勇者!あとがきすら終わったこの場の進行は私、坂上真由がお届けしたいと思います!」


総司「何か書式がいつもと違くね?名前出てるし」


真由「これは作者の年代の人なら誰でも知ってるはずの某ファンタジー小説のあとがきのパク……オマージュだね!」


総司「オマージュって言えば許される的な風潮。ダメ、絶対」


真由「まぁそこは置いておいて。今回の終わり方あにぃ的にどうなの?」


総司「全然世界導いて無いし、最後も気楽に終わっちゃった感じじゃんね。どうなの?」


ユリウス「俺達の冒険はこれからだ!」


総司「おいやめろ」


真由「それについてはまぁ否定出来ないけどね~」


総司「まぁ最後で勇者じゃないって言ったけどさ……でもまだ構想あったでしょ?魔術研とか学校とかさ」


真由「それは聞いてたけどね、やっぱり時間がある程度経ってからのお話だからね。私がせめて大学行くまでは医術関係も進ませ辛いだろうしさ」


シェンナ「要するに『~年後』的な展開になるから区切ろうって話なんじゃない?」


真由「流石姉さん!そういう事だと思うよ!」


総司「じゃ何か?タイトル変えて続編有るの?」


真由「って事らしいけど」


総司「んじゃこの会議って何の会議よ?」


真由「『ネタ出し宜しく』だって」


総司「アホか!!何で出演者が話考えるんだよ……」


真由「ほら、良くあるでしょ?『キャラが……勝手に!』ってヤツよ。追い込まれた連載作家さんとかに良くある現象期待してるんじゃないかな」


総司「妖精さんが仕事してくれましたじゃねーんだから。要するに続編の展開を俺達で予想しろって事なの?」


真由「私達の価値観でって事ね。例が有ると良いんだけどな。何か無い、かすみん?」


かすみ「私そういうの得意です!任せて下さい!」


真由「流石かすみん!んじゃ行ってみよ~!」


総司「あ、実際にやるのね。了解了解」



◆平屋かすみプロデュース◆



「もう止めて、妹ちゃん!そんな事してもソウジ君もセリスも帰って来ないわ!」


 悲痛な叫びが紅蓮に染まった森に響き渡る。

 かつて緑豊かな景観を誇ったフォレスティアの首都は一変していた。


 なぎ倒された木々、火の手から逃げ惑う獣人達。

 恐怖に彩られた彼らの視線はある人物に向けられ、そこから少しでも遠くへ逃げようと我先にと町の外へと殺到している。


「国家間の争いはダメ、あにぃは言ってた。それでも攻めて来たのはフォレスティア。止めようとして戦場に出向いたあにぃとセリスさんを殺したのもフォレスティア。だから私は許さない!」


 叫びと共に少しだけ大人びた少女の面影が崩れて行く。

 背中から広がった羽は黒く変色し、額を割って鋭角な突起が現れ始める。


 その変化を見守るシェンナは知らない、その姿が俗に言う悪魔という存在である事を。


「止めて!そんなの……そんなの誰も喜ぶわけないじゃない!ソウジ君だって望まない!」

「あにぃは確かに望まない、そんなの判ってる!だけどっ!私は許せない!」


 獣の咆哮かと聞き間違える雄叫びと共に、大きく開かれた真由の口から炎が





真由「ストップ!!ストップ!!何これ、どういうことなの?!」


かすみ「フォレスティアが怪しいので、戦争を仕掛けて来たという設定ですね。そんな雰囲気ありましたし」


真由「いやまぁそこ判るけど何であたしがデビル●ンみたいに……」


シェンナ「確かにソウジ君殺されたら、なり兼ねないわよね」


かすみ「でしょ?」


総司「てか、俺死んでるのかよ」


セリス「私も死んでますね……」


かすみ「絶対お二人なら生身でも戦火に突っ込んで行きますよね?で、やめろーやめろーうわーって」


総司「あー……ちょっと想像出来るわ。そうだよなぁ俺生身だもんな」


真由「あにぃも納得しないの。というか話重すぎるよ!こんなノリじゃないよ!」


かすみ「時代は重い話を求めているんです。この後は身を挺して止めようとしたシェンナさんが胸を貫かれて死にます」


シェンナ「あたしも死ぬの?!」


かすみ「その返り血の中で真由ちゃんがより一層ダークサイドに落ちて行くという感じですね」


真由「かすみん、エグすぎるよ……」


アルマ「カスミン、私は?」


かすみ「あ、忘れてました」


総司「アルマが号泣して走り去った?!」


真由「本編でも影薄くなってたからねー……で、他に何か無い?」


メビウス「出番なのじゃ。日頃お茶の間で仕入れた日本の知識で凄い作品に仕上げたのじゃ」


真由「お~、メビウスさんならそういう感性あるかも?じゃやってみよー」


メビウス「任せるのじゃ!超カッコイイのじゃ!」



◆メビウスプロデュース◆



 夜の帳の下りた茅蒲野の市街地。

 寝静まった家屋の屋根を飛び交う影が月明かりに照らされ、その姿を時折現実の世に映し出す。


 片や白い翼を背負った黒髪の少女、片や金と銀の髪の瓜二つの顔を持つ少年と少女。


「おねいさん、結構強いね。どんな世界から来たの?」

「お姉さん、諦めて?あの機械を私達に渡して?あれは日本に、いえ、地球に在ってはいけないの。私達がちゃんと管理するから。大丈夫、です」


 思い思いに話しかける少年と少女を睨み、白い翼の少女が叫ぶ。


「あんた達何者なのよ!あれはあにぃへのご褒美なの、誰も侵害して良い物じゃないわ!」

「過度な文明、それ即ちオーパーツ。一般人が持って良い物じゃないんだよ、おねいさん」

「博士にちゃんと管理して貰いましょ?それが最善なの。私達も助かるし。見たところアレこそ私達の求める物。異世界渡航の鍵になる物なの。お願いだから渡して欲しい、です」


 最悪だ、と翼の少女、坂上真由は舌打をする。


 総司の部屋に置かれた装置の詳細を把握し、それを狙う人物。

 しかも全力全開で飛ぶ真由に容易く追いすがる異常。


「まずは名乗りなさい!お父さんお母さんから習わなかったの!」


 見た目幼い二人に真由が叫ぶ。

 その声に反応して二つの影が寄り添うように一つになりピタリとポーズを決めた。


「『太陽の化身』!大空おおぞら太陽さん!!」

「『月光の加護』……大空おおぞらむーんです」


『二人揃ってオーパーツハンター、ビッグスカイ!!』です」


 真由の動きが止まる。動けない。開いた口が塞げない。

 それでも力を振り絞り、決めポーズのまま動かない二人に向け再び叫ぶ。


「ツッコミ所ばっかりで何からツッコメってのよ!何で能力のヒントみたいな通り名言っちゃうの!何でキラキラネームなの!何で実名で名乗っちゃうの!せめてコンビ名くらい捻るとかしないの!最後に何でオーパーツなんて狙うの!」


 言えた!そう喜ぶ真由の眼前で、太陽の表情がみるみる怒りに染まってゆく。


「誰がキラキラネームだ!カッコイイだろうが!」

「オーパーツを狙うのは私達が異世界に戻りたいから。博士が集めろって言ってたから。コンビ名は太陽が考えたから私は無関係、です」

「何で素直に言っちゃうの……ああ、もう面倒臭いしムカツクし!おねいさん倒して奪うっきゃないね!月、『闇夜』!」

「了解。『私は月、気紛れな。降り注ぐ月光の恩恵は私が望む者だけの物』」


 コントじみたやり取りから一変、月の言葉に周囲が変質する。

 その背後から広がる闇としか形容出来ない黒。それが真由を含めて全てを覆って行く。


「な、何これ。何も見えない?!」


 真っ暗な空間に必死に対応しようとする真由。

 多少の暗さを物ともしない目を持っているのに1m先すら見えないのだ。


「『俺が太陽!遍く全てを照らし出し、焼き尽くす!』」


 暗闇の中、今度は少年の声が響くと同時に一瞬だけ眩い光が放たれ闇に消える。


「幻想世界の『真名まな』の能力だ!!焼き尽くすぜぇぇえ!!」


 雄叫びと共にタックルされたのか肌に感じる圧倒的な熱量。

 危険を感じた真由の体が急速に進化を始めるが触れている場所がどんどんと焼かれていく感触。


「あ、あつ……」

「まじかよ!結構耐えるんだね、本当なら即蒸発だぜ?」


 自分に抱きついている物体から太陽の声が聞こえる。

 ジュウジュウと焦がす熱に必死に堪える真由の耳に更に絶望的な声が飛び込んでくる。


「もうちょい火力上げるか!月、漏れないように宜しく!」

「了解」


 これ以上は持たない。

 今ですら危うい状況なのに更に威力が上がるらしい。


 悔しいという思いが真由に込み上げる。

 こんな訳の判らない奴らに負けるなんて。


 総司との繋がりである門が徴収される。

 万が一自分が助かったとしても、それは二度と再会出来ない事を意味する。


「そん……なの……嫌」

「そこまでだっ!」


 最早焼け落ちる寸前の腕に力を込め、何とか跳ね除けようとした瞬間。

 双子のどちらでも無い声が響き渡る。


剣技ソードアーツ!結界斬り!」

「太陽!『闇夜』が!」

「またあいつらか!」


 何が起こったのか判らない。

 ただ自分を焼いていた熱量が急激に下がっていくのを感じ安堵する。


「た、すかった……?」


 真由から離れ月の元に飛び去る太陽。

 入れ替わるように5つの影が真由の周囲に降り立つ。


「毎回毎回邪魔しやがって!悪の手先め!」


 その影に太陽が敵意丸出しで忌々しげに吼える。

 その声に応えたのは五人の人影のうち、細身の剣を構えた学生服の若い男。


「それはこちらの台詞。こちらの世界でスキルを自在に扱うのはご法度だ!世の平和の為、お前らの好きにはさせない!」


 構えた剣で太陽達を指し示し声高に宣言する男。

 『闇夜』の晴れた月明かりにその丹精な顔が照らし出された。


「貴方……達は……?」


 未だに体のあちこちに走る熱傷の痛みに耐えながら真由が男に問う。


「大丈夫、今は貴女の味方よ。自分でも少しずつ治してるみたいだけどちょっと待ってね。癒技ヒールアーツ治癒力高速向上ハイヒール


 真由の傍らにしゃがみ込んだ女性。

 その手から淡い光が真由へと注ぎ込まれた途端、真由の痛みがあっという間に引いて行った。


「これって……魔法?」

「魔法とはちょっと違うわ。アーツという技術。マナをリソースにするのではなく、現象そのものに影響させるの。だから地球でも使える技、その分体力を使うんだけどね。普段使う事は禁止されているの」


 すっかり痛みも傷も無くなった自分の体を丹念に調べる真由。

 冷静になったせいで際どく焼けた服装に気付き、慌てて前を隠す。


「かなりセクシーな格好よね、サイゾーさん何か女物の服をお願い」

「畏まり!」


 返事をしたのは女性の背後にいた時代劇の忍者そのままの格好の男、だろうか。

 声でそう判断するしかない。


 何をするのかと注目する真由の目の前でサイゾーが背中に背負った行李から取り出したのは針と布。

 その針に糸を通し、ピンと張り気合を入れて叫んだ。


「『加速』!!」


 声が響いた途端に数百倍速で動き出すサイゾー。

 チャカチャカと残像を残しながらあっという間にゴスロリ風の衣装が仕立てあがる。


「出来申した。改心の一作にゴザル」


 ズイと真由にその衣装を差し出しながら満足そうに汗を拭う仕草をするサイゾー。


「あ、ありがとう……」


 悪気は無いんだろうなぁと思いつつ、今の格好よりは数段マシかと着てみると採寸すらしてないのに真由のサイズにピタリと当てはまった。


「サイゾーさんは自分の動きを加速出来るの。お裁縫も得意なのよ」

「忍者じゃないんですか?」

「分身も出来るでゴザル。忍者ゴザル」


 深く考えないようにしよう、そう判断して太陽と月の方に向き直る真由。


「良く判らないけど次はああは行かないわよ!お子様だからって容赦しないからね!」


 真由の宣言を受け、剣の男と睨み合っていた太陽が吼えた。


「完全復活とかインチキじゃん!あーもうマジで面倒臭い!!」


 ジタバタと忙しなく手足を動かし、地面を何度も踏む子供染みた怒りの表現。

 だがその瞳に宿っているのは明確な殺意だ。


「もう目立たない様にやるのは終わりだ。世界中を相手にしようと俺と月は負けない。あの機械、何としてでも手に入れてやる!」

「その台詞が悪だというのだ小僧。俺達異界課の前で好き勝手出来ると思うなよ!」


 剣の男の声に合わせ、サイゾーも女性もその手に武器を構え立ち並ぶ。

 他の二名も同様に、手に持つのは日本ではご法度の刀剣類だ。


「裏警視庁所属、異界課筆頭、高原信吾!」

「同じく、雲隠れサイゾー」

「アンシュタイン・クライヤー……」

「『鉄壁』の鎧塚蔵人!」

「私も……?」

「当たり前だろう。これは決まりだ」

「ああもう恥ずかしいなぁ……治癒師、川瀬美音!」

『五人揃って!ゴユウシャー!』





総司「はい、そこまで。色々混ぜすぎ」


メビウス「何故なのじゃ!この後ドンナモンダロボとゴユウ合体ロボ、ダイユウジャーの戦いになるのじゃ!山場なのじゃ!」


総司「余計駄目だろ……茅蒲野壊滅させるつもりかよ」


真由「途中までは異能物みたいなノリだったのにね。でも帰還勇者って大勢居たらやっぱそういう感じになるのかな?」


総司「やめとけやめとけ。そんな話になったら上司がすっ飛んでくるわ」


真由「あー……そうだよねぇ。じゃ他の人はどう?ユリウスさんとか安定したストーリー考えてくれそうだけど」


ユリウス「そうだな……先程のメビウス様のアイデアでは無いが、オーパーツでは無く未だにアルテミアに残る危険な魔術を扱える道具を回収する為に世界を巡るというのはどうだろう?」


真由「うわ。本当にまともだったよ。ユリウスさん、空気読も?」


ユリウス「俺が悪いのかっ?!」


真由「姉さんはどう?」


シェンナ「『赤毛のシェンナ』(真顔」


真由「姉さん、何でクールに壊れてるの?!」


総司「アルマどうよ?」


アルマ「『小公女アルマ』(ドヤァ」


総司「名作繋がりでかぶせるな。それにお前は静かすぎて『小康状態アルマ』だろ」


ミーララ「……凄い顔して走り去って行きましたね」


真由「あにぃ、流石にもう許してあげてよ……」


総司「ああ、うん。帰ってきたら謝るわ」


真由「ミーララさんはー……多分異世界グルメになっちゃうしなぁ」


総司「現状本編も一割くらいそんな感じじゃね?」


セリス「あの、先程から私が意図的に外されていませんか?」


真由「だってねぇ?」


かすみ「ねぇ?」


セリス「何ですかその聞くまでも無いという顔は。非常に心外です」


真由「参考までにあらすじだけ聞いて良い?」


セリス「勿論です。話は丁度物語の終わった新居から始まります。そこを中心として各方面に出向く私とソウジ様、次々に起こるハプニングを二人の愛の力で乗り越えるラヴラヴあまあまなな老後までの数十年に渡る恋愛冒険活劇巨編に」


真由「はい、ご馳走様でした。そんなの書いてたら作者が発狂しちゃうよ」


かすみ「イチャコラシーン書きながら、ねぇわぁって呟いていたみたいですからね」


セリス「なっ?!私はまだイチャイチャ成分足りてませんから!ヒロインなのに半分以上出番無かった恨みは忘れません!断固抗議して参ります!」


真由「あー……行っちゃったよ。どうせ放っといてもそういう話になるだろうにねぇ」


かすみ「正当後継だとそうだよね。でも多分出番云々っていうのが本音じゃないかな?」


総司「セリス怖いわぁ」


アリス「セリーが凄い剣幕で走っていきましたけど、こちらで何を?」


真由・かすみ・総司「……」


アリス「人の顔を見て何ですか?私の顔に何かついてますか?」


真由・かすみ・総司「悪役令嬢物(笑)」


アリス「番外だと思って女王に良い度胸ですね……不敬罪です!衛兵!衛兵!」


総司「うおお?!世界線無視して兵士を呼ぶんじゃねぇよ!」


真由「あにぃ!数多すぎ!撤収を進言します!」


かすみ「ちょ、ちょっと!ヒロインフラグが早々に折れたからって置いてかないで~」


総司「おら、逃げるぞ!」


アリス「待ちなさい!命令です!こらぁ!」


SE(遠ざかる三人と一人の走る音、続いて地響きのような大勢の足音)


(暫しの静寂)


アルマ「帰ってきたら誰も居ない……やっぱり私、要らない子。ガクリ」

編集作業の合間に無性に書きたくなった。反省はしている。

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