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送還勇者と来訪者  作者: 神月センタロウ
年末年始編
108/115

07:三年ぶりのクリスマス ②

次回は月曜日辺りに。

 慣れ親しんだ目覚ましの音で飛び起きる。時刻を確認して頬を両手で張り気合いを入れなおす。


「おっし! 頑張るんだ俺!」


 脳内で軽く今日の予定を再確認していく。日本時間で17時に俺の部屋で待ち合わせ、そこからやはり三条ヶさんじょうがさきまで出る。夕飯を食って23時頃に茅蒲野ちかばのへの帰りの電車に乗り、そのまま海浜公園辺りで暫し歓談。寒かったら短めにして最終的に家でプレゼントを渡す。


 真由とかすみちゃんの協力でそれほど金は掛けてないが良い物が完成している。そしてそれに合わせてのセリフも考えた。大丈夫、ぬかりは無いはずだ。


 部屋の窓辺からハイランドの街並みを見る。夜明け前のまだ眠った街並みだがチラホラと朝市の準備であろう荷馬車も見受けられる。


 自前で煎れたコーヒーを傾け、その光景に誓う。


 やってやる、バッチリとキメてやんぜ!


 真由には不評だったこの窓辺のシチュエーション、個人的には大好きなのである。





「セリちゃん大丈夫? 寒くない?」

「はい、お義母様。とても暖かいです!」


 リビングで母さんに確認され、身を捩って披露しながらニコニコと笑うセリス。フード付きの淡いピンクのダウンに柄物のニット帽、黒いロングのズボンというコーディネートだ。マフラーも母さんのを借りた様で寒さ対策は万全だろう。


 対して俺は黒白ツートンのコーデ。白いズボンに黒のシャツ。辛うじてダウンだけ濃いめのグリーンというのは妹組の妥協点らしい。暖色系どこいった。


「じゃ終電で一応こっちには戻るけど海の方歩いて帰ってくるから、何かあったら電話頂戴」

「はいはい、気を付けてね」

「行って参ります」

「行ってらっしゃい」


 いつもと変わらぬのほほんとした笑顔に見送られ、既に日も暮れた市街を駅までゆっくりと手を繋いで歩いて行く。


 道すがら、気合いの入った家のイルミネーションに目を奪われるセリス。不思議そうにその光を見続けている。


「それは電飾ってやつだね。今じゃLEDライトってのが主流みたいだけど、こういうの張り切る家ってのは偶にあるんだよね」

「どこのおうちもやっている物では無いのですね。でも鮮やかでとても綺麗ですね」


 庭木に掛けられたそれらと夜景の街並みを眺めながら、いつもの坂道をゆっくりと降りていく。普段なら振り向いた時にしか見れない光景をじっくりと堪能する。


「今日はどの様な予定でしょうか?」

「三条ヶ崎って町まで行ってまずは夕飯かな。茅蒲野よりデカい町でさ、イルミネーションもさっきのとは比べ物にならないくらいすげぇんだぜ? 街路樹全部に引っ掛けてあってさ」

「それは楽しみですね」

「だろ? まぁ期待しててよ」

「はい!」


 こうしてセリスの笑顔をゆっくり堪能するのも久しぶりだなと感じる。三条ヶ崎までの移動の間、かすみちゃんの暴走っぷりや一緒に居なかった時間に有った出来事を語り合う。


「で、かめらの光に驚いたグリフォンが暴れだした時にユリウス様が餌食になりまして……お顔を突かれなくてなによりでした」

「あいつも運が無いな」

「アルマさんに至っては大笑いしてましたし、カスミ様もその騒動を撮影する始末で」

「ああ、すげぇ想像できるなその光景。っと切符買ってくるからちょっと待ってて」

「はい」


 いつの間にやら茅蒲野駅まで到着してしまった。手早く三条ヶ崎までの切符を購入し、ホームで暫し電車を待つ。


「そういや電車は初めてだっけ?」

「そうですね、シェンナ様に聞いていますけれどとても早くて独特の揺れがあるのだとか」

「席が空いてたら良いんだけどね。お、丁度来たかな」


 ホームに侵入してくる電車をまじまじと観察するセリス。自動ドアが開き降車してくる人々が足早に目の前を通り過ぎるのを待って乗車する。残念ながら席は空いておらず、三条ヶ崎で開くドアの近くに陣取る事にした。


 人が近くに多く話し声が聞こえるのを懸念してか、乗車してからのセリスはその窓から見える夜景に釘付けだった。何度かカーブでよろけるのを支えてやりながらの短い電車の旅。


 降車アナウンスが三条ヶ崎の名を告げ、暖房の利いた車内から再び冬の外気に曝されると少し心地良くもある。


 流石に田舎の都会だけあって、三条ヶ崎駅周辺は人で混み合っていた。洋菓子店の前やコンビニの前ではサンタコスの店員が必死の呼びかけをしている。それを気にせず歩く人々が多い中、セリスの目には非常に珍しい物として映った様だ。


「ソウジ様、あの方達の恰好は初めて見ますが違う部族の方でしょうか?」

「あれがサンタだよ。赤い服に白い髭のお爺さんって設定を真似てるんだ、女の人のミニスカサンタは、まぁ捏造だけどね」

「ああ、こすぷれというヤツなのですね。架空の人物になりきって楽しむという」

「んん……あの人達は楽しんでないだろうけどね、そんな物だよ」


 販売ノルマに追われているのか目が血走ったサンタ役の男性など絶対に楽しんでいる雰囲気では無い。サンプルのクリスマスケーキに目が流れているセリスの手を引いて、まずは並木通りのイルミネーションを見学に移動する。


 どうやら同じ目的の様子のカップルが増える中、周囲に感化されてかセリスとの距離も縮まり、腕を抱え込まれるような構図になっている。


「うわぁ……まるで星空のようですね。綺麗です」


 通り沿いの街路樹一面に張り巡らされたLEDの装飾。青白く幻想的に照らされた道にセリス共々思わず息を呑む。


「どう、結構凄いでしょ?」

「こんな色鮮やかな光は生まれて初めて見ました。蝋燭や魔術の光とは全く違う……表現出来ない美しさです。お母様や姉様にも見せてあげたいな……」

「今年は向こうでやるからさ、来年でも再来年でもこっちに呼べば良いよ。また一年経てばやってくるイベントだし、もう少しアルテミアが落ち着いたらね」

「そうですね。いつの日か皆で見れる日を楽しみにしておきましょう」


 イルミネーションに照らされたセリスの顔。遠くの光を見るその目にはその日の光景が見えているのだろうか。





「いらっしゃいませ、二名様で宜しいでしょうか?」

「はい。あ、出来たら窓側の席お願いします」

「畏まりました、ご案内致します」


 クリスマスディナー、そうは言っても日本では既に無収入の若造である。本日ご用意出来たのはファミレスという締まらなさだ。されど食事をしながら先程のイルミネーションが見られる立地の為、結構競争率は高いらしいこの店。窓際の席が確保出来たのは僥倖としか言えないだろう。


 店員のお姉さんの案内で座った席からはバッチリと青くライトアップされた道が確認出来る。上出来だ。


「ソウジ様、ここは?」

「大衆食堂みたいなとこだよ。ごめんな、本当はもっと雰囲気あるレストランとか行きたかったんだけどさ」

「いえいえ、お出掛けしただけでも十分です。さて、何を頼めば良いのでしょうか。お任せしても?」

「OK、任せときな。ああ、何か特別食べたい物とかある? 文字は判らないだろうけど、これメニューね。写真付きだからパッと見気になるの言ってみて」


 上着を脱ぎながらメニューをセリスに渡す。デザート用の小さいのは後の方が良いだろう、相当迷うだろうし。メニューを受け取りペラペラと捲り始めるセリス。次第にその目が真剣な物に変わっていく。


「何か気になるのあった?」

「ソウジ様、これなのですが」


 そう言ってテーブルに広げたメニューの一角を指で指し示す。


「カレー……だね。食べたいの?」

「ああ、やはりそうなのですね。いえ、食べたいというか何やら種類が多い様に見えるのですが、カレーとはナナコ様のお作りになられるあれとは違う形式もあるのでしょうか?」


 あー、そういう事か。割とカレーに拘っているファミレスらしく、ビーフ以外にもチキン・ドライ・ほうれん草のグリーンカレーなる物まで掲載してある。恐らく見た目的にビーフシチューやハヤシライスもセリスの目にはカレーとして映っているのだろう。


「えと、種類的にカレーなのはこれとこれとこれね。こっちのは似てるけどちょっと違うヤツ。これとこれは使ってる肉が違って、こっちの色違いはほうれん草って野菜がベースで緑っぽくなってる奴だね」

「な……なんと奥の深い。私が教わっているのはまだ序の口という訳なのですね。安心して下さいソウジ様、絶対にカレーの神髄は極めてみせます!」

「あ、いや……別に俺は普通のだけで構わないけど……」


 現状、普通のだけでも危ういのに下手に創作系に出られたら俺の命がヤバい。セリスの思考の方向性から考えれば、山羊肉カレーがまず出て来るだろう。好物と好物を合わせると大好物という発想は絶対に外してこないはずだ。あれ、でもそれって結構美味そうじゃないか?


 ちょっと良いかもと思っていると店員さんがお水を持って来たので注文はもう少し待って欲しいと告げる。去り際の視線がセリスをガン見していたのは見逃さない。しかもその後に俺を見比べるように見たのも見逃さない。言いたい事は判るが。


「まぁカレーの研究は母さんとしてよ。もし特に無いならメインはクリスマスコースっての頼むけど良いかな? チキンソテーみたいだけど」

「ええ、それでお願いします」


 ニコリと笑って了承してくれたので呼び出しボタンを押して店員さんを呼ぶ。声も掛けていないのにやって来た店員さんに驚くセリスに仕組みを説明してやるとまだ知らない機械が多いと少し驚いていた。


 料理が来るまでの間、案の定セリスはデザートメニューに釘付けになってしまった。ケーキは捨てがたいがパフェにもそそられる。アイスの乗ったパンケーキも気になるし、ぜんざい系のあんこも気になると。一応コースの最後にケーキは付いてくるのでもう一品別な物を選ぶように言ったのだが、絞り切れる物では無いらしい。


 激しい討論の末にコンビニ等では手に入り辛いファミレスのパフェに落ち着いた。アイスの乗ったチョコソースのヤツだ。


「こちらの世界は何故こうも甘味に長けているのでしょうか……やはり砂糖の安定供給が必要なのですね」

「ミーララのサトウキビ畑が上手く行けばアルテミアでも値下がりするんじゃないかな? エアリアでも試して貰うし、熱帯ってイメージもあるからイグニスにも頼む予定だね」

「上手く行けば良いのですが。ちょこの原料は無いのでしたっけ?」

「カカオは聞いて無いなぁ。どっちかと言えば嗜好品のジャンルだし、当面は後回しかな」

「……残念です。あ、新居に移ったら栽培してみましょうか。お庭も広い様ですので」

「へぇそうなんだ。場所があるならやってみても良いかもね」


 軽い将来の話をしていると前菜から少しずつ料理が出始めたので一旦お話しは中止。忘れていたドリンクバーのチョイスでまたセリスが熟考したのは盲点だったと言っておこう。





 食事が終わりゲーセン・カラオケと日本式のデートコースを回った後、茅蒲野まで戻って来た。スマホには何の連絡は無かったが帰って来た事を母さんに告げ、最後の予定地である海浜公園までやって来た。


 ぽつりぽつりと見える寄り添う人影に一定の距離を置いて、海を眺められる階段へと並んで座る。


「夜の海は神秘的な物ですね。昼間の雄大な雰囲気とは全く違って、惹き込まれる様な魅力が有ります」

「俺は怖いと思っちゃうけどね。吸い込まれて帰って来れないような感じがしちゃうんだよね」


 どこまでも続くような黒い水面、そこを凝視しているとどこか遠くへ連れて行かれてしまうような錯覚に陥ってしまう。良くある夜の海を見ての会話だったのだが、セリスには少し引っ掛かる内容だった様で。


「ソウジ様は……もしもあの時、姉様が送還をしなかったら後悔していましたか?」


 ポツリとそんな事を呟いた。連れて行かれて帰って来れない、その状況を召喚と重ねてしまったのだろう。


「あのままだったとしても、あの時の俺なら後悔しなかったと思うよ。ただその後は正直判らないかな。年をとってから、ふと日本が気になっちゃったかもしれない」


 当時の俺なら魔王を討伐した達成感で高揚していたし、そこからの薔薇色の人生を想像してただ喜んでいただけ。間違い無く日本に戻るという選択肢は選ばなかったはずだ。


 ただこの半年程の間でも俺は少しづつ変わった自覚はある。物事の捉え方、価値観、人との接し方。若造の分際ではあるがそれなりに経験してきたつもりだ。


 だからこそ、あの時の感情が不意に終わり、望郷の念に駆られるのではという予想も出来るのだ。


 俺はそこまで出来た人間ではないから、もしかしたら死ぬまで楽観的にアルテミアでの人生を楽しめたかもしれない。でも、もしも一回でも真由や父さん母さんを気に掛けてしまったら。きっと後悔はしていただろうと断言出来る。そしてそんな後悔を抱えた状態で、俺はその後の人生を楽しむ事が出来ただろうか。


「変な話だよな。送還された当時は寝れない程恨んだのにさ。今はもうこうじゃなきゃいけなかったって思ってる。結果論だけどアレが無かったら逆にダメだったと思うよ」

「私はそういった感情よりも抜け殻というか、ソウジ様と過ごした時間が夢だった様な……そんな感覚でしたね。もう二度と会えないという事実を誤魔化す様に、必死に日常に戻ろうとしていました」


 キュっと腕を掴むセリスの手に力が入る。


 当時の様子はユリウスやシェンナから聞いているが、痛々しいという印象しかなかった。表面上はいつも通りの笑顔で巫女としての祭事を行う姿、その合間に見せる疲れ果てたという表情に両者は気づいていたらしい。


 掴まれている手を離して肩を抱き寄せる。対象を失った手はそのまま俺の腰に回された。


「少し……将来の話をして良いかな?」

「将来ですか?」

「うん、ちょっと考えたんだ」


 その姿勢のまま話を切り出した。これからする話が要するに本題だ。


「この前ラザリスさんに復興に関しての国を超えた団体の代表になって欲しいって言われたんだ」

「代表ですか? それは……嬉しい評価ですね。ソウジ様なら適任ですわ、勿論受けたのですよね?」


 一瞬だが腰に回されたセリスの手に力が入ったのを感じた。言葉では歓迎している様だが、多分その役職に就くという事が二人の間に何を起こすのか判っているのだろう。


「うん。俺もそういう組織は必要だと思うし、俺の責任の後始末なんだからやらなきゃいけないと思う。ただね、そう返事したらアリスに怒られてさ」

「姉様にですか?」

「これ以上セリスを放っておくなってさ、すげぇ剣幕だったぜ?」

「そ、そんな事を……いえ、でも私は大丈夫ですから。お気になさらず、ソウジ様はやるべき事をなさって下さい。私はお家で待って居ますので……」

「やるべき事はやる、だけどさ、セリスと一緒に人生送るってのも俺のやりたい事なんだ。だから」


 今度は俺が肩に回した手に力を込めてしまう。散々考えた結果、非常に都合の良い話ではあるが。


「俺のお嫁さんとして、暫く一緒に行動してくれないか? 少なくとも数年の間、どっか行ったりは多くなるだろうし、そこにずっと同行して欲しいんだ。団体のメンバーは俺の身近な所から選ぶって言ってたから問題無いはずなんだ、どうかな?」


 返事の変わりだろうか、セリスの腕により一層の力が入りやや苦しい程に締め付けられる。頭もグリグリと押し付けてくる。これどっちだ、肯定で良いのだろうか。


「セ、セリスさん? どう……かな?」


 ポンポンと肩を叩きつつ、判断が着かないので訊ねてみると押し付けられた頭から、呟くような声が返ってきた。


「お嫁さんとして着いて行きます。前回の他国訪問の時も……そこから派生した問題の話し合いの時も……ソウジ様の邪魔になるかと思ってましたが……寂しかった……」

「うん、ごめん。真由の定員はどうにもならなかったけど、他は何とか出来たはずだよね。だから今後はもうそういうの無し、代表補佐って感じで必ず一緒ね」


 若干嗚咽が混じって来たので肩から頭に手を置き換えて、ポンポンしながら話を続ける。


「で、そこで問題なのが……暫く子供は作らない様にしようと思うんだけど、大丈夫かな? 勿論親連中が騒ぐだろうから期限は設ける。ある程度の指針が安定するか、セリスが20歳になるか。どっちかまでは作らない様にしようと思う」

「20歳ですか? それは何故でしょう?」

「日本ルールで成人だから、かな。後はまぁそれくらいが適齢期っていうか、まぁ正直出来たら暫くはセリスと俺だけの思い出増やしたいな、と?」

「子供が出来たらソウジ様はそちらに愛情を注ぐと?」

「いやどっちかって言ったら俺が放っとかれる方でしょ……もうちょっと独り占めしたいって我儘です。それとも、やっぱり結婚したらまず子供って考え?」


 徐々に調子を取り戻してきたセリスが笑う。顔は見れないがいつも通りの笑顔で笑っているのだろう。


「それがアルテミアの常なのでしょうが、私は日本にお嫁入りですから。そんな慣習知った事ではありませんわ。それにソウジ様の決めた事、きっと良い結果になると信じています」


 セリスが明るい声でそう断言する。それだけで俺も自信が沸いてくる。


 やっていけるという確信を得て、暫くの間そのまま二人で海を眺めて時間を過ごした。





「さて、クリスマスにはプレゼントというのがお決まりなのですよ。はい、これ」


 帰宅してリビングでホットココアを飲むセリスに小奇麗にラッピングされた小さな箱を手渡す。これも喜んでくれたら今日の俺はパーフェクトなんだけどな。


「開けてみても?」

「勿論」


 上手い事シールを剥がして包装を解き、蓋のされた箱を開くセリス。そしてその中身を見て感嘆の声を上げた。


「これは……あの時の」


 箱から取り出したのは昔懐かしい写真立てである。妹組双方のセンスで可愛らしいデザインの物をチョイスしてくれたらしいが、枠より中身の方にセリスは反応しているようだ。


「前回のなんちゃって結婚式のやつね。入ってるのは俺とセリスのアップだけど、全体映ってる奴とかも入ってるっしょ? 前に学生証無くしたとかで、新しい写真欲しいって言ってたからさ。どうせならガワも一緒にと思ってね。俺の写真だけとかそこまで見栄え良いもんじゃないしさ」

「……有難う御座います、大事にします!」

「あ、勿論今後も色々増えるだろうから気分次第で中身変えてね。裏側のこの部分を捻って板を外してさ」


 隣に腰を下ろして使い方を説明していく。明日には妹組がアルバムをプレゼントするらしい。カメラマンかすみの作品が大量に放り込まれていないのを祈るばかりである。

お読み頂き有難う御座います。

ブックマークの登録やページ下部の評価点の入力、並びに感想等で一言頂けると、作者が舞い上がり小躍りします。もしお時間御座いましたら、是非お願い致します。

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