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始まり始まり
新世紀262年
それは、この世界にとって変革の年であった。
後世の歴史家たちはこう呼ぶ。
大破壊が始まった日と。
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やがて時がたち大破壊の日の記憶が薄まっていくとともに それは 御伽話になっていくのであろう。
そして おとぎ話はこう始じまる。
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とてもとおい昔、遠い遠い場所、その国に黒騎士様がいました。
と。
黒騎士様は、黒目黒髪の珍しい方で周りの騎士よりも強い方でした。
ですが黒騎士様は自分の強さに奢る事なく日々鍛錬を行っていました。
時々ですが、騎士様は東の空をぼんやりと眺める事がありました。
同僚の騎士たちは、黒騎士様になにか見えるのかと問いますが黒騎士様はただ笑いかえすだけでした。
黒騎士様の黒い眼には何が写っていたのでしょう?
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さて、史実に戻りましょうか。