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隊長不良につき(ヤエト視点)

タイトルは誤字ではありません。

「…終わんねぇ」


ここ暫く溜め込んだ書類の山と格闘する事、早三日。

だが終わる気配は一切無かった。

ここ最近設備の工事がいつもよりも多かった分、思った以上に書類があった。


そうこうしている間にも、別件の設計図の期限も迫っている。

本格的にマズイ。

だが、この書類をこれ以上放置するのはもっとマズイ。そんな事しようモンなら、副隊長のルチカが鬼と化す。

あの男、普段は飄々として存在感が無いのに怒らせるとヤバい。


「…背に腹は代えらんねぇか」


書類を放置は出来ないが、設計図も仕上げないと不味過ぎる。

オレの出来る手を打つ事にした。







「うし、こんなもんか」


出来上がった物を確認して頷く。


オレの目の前にあるのは『サイン君一号』。

オレを模した形に、オレの筆跡を覚えさせて自動サイン機能を搭載させた設備。試運転してみると狙い通りの機能を発揮した。即席にしちゃなかなかの出来だろ。


一応書類に目を通して後はサインをするだけの状態にして、それを机に設置する。

作動を確認し、早速設計図に取り掛かるべく部屋を後にした。







設計図が一通り仕上がった所で一息吐いていると、ズガンっ!という大音響と地面を揺らす衝撃が走った。

更に続いて騒ぐ声と、ド派手な雷系魔術の感電音も響き渡る。


襲撃かと緊張していると、何やら廊下から足音が響いてきた。この部屋へと向かって来てんのか?

…何だか足音の大きさに比例して悪寒がしやがるんだが。


「こんのクソ隊長、ここに居やがったのかっ! ぁあっっ!!?」


壊す勢いで扉が開かれたかと思うと、マジギレして鬼の形相に変化したルチカがその姿を現した。


「ルルルルチカ、な、何事だっ?!」

「---ほーぉ? テメェのしでかした事の大きさが全く分かってねぇ様だなぁっ」

「うぐっ」


半ば以上腰が引けているのは勘弁して貰いたい。

只でさえ怒らせるとおっかねぇのに、いつもの倍は怒っているルチカ以上に怖いモンは今のオレには無い。


「書類片付ける為だけにテメェはどんだけ無意味かつ変なモン作ってやがんだよぉ。執務机と床ぶち抜くまでサインさせてオレの今日の仕事全部おじゃんにした挙げ句オレにまでサインしようとするとかフザケてんのか? 見た目テメェにソックリなんつー悪趣味かつ暑苦しいモン作りやがって、このクソ隊長がっ。書類も地下の作業場に散らばるわ破損するわあれじゃ紛失してんだろっっ。損害の方がデケェっつーの!」


設備部隊でも屈指の細身のどこにそんな力があるんだろうな。怒りの火事場の馬鹿力ってヤツか?

オレ、ルチカに息継ぎ無しで怒鳴られつつ締めて上げられてるぜ(現実逃避)


あぁ、ヤベェ。ルチカの説教、どんだけ時間掛かるんだ?

つーか冷静に内容考えたら、この後マジでオレ死ぬんじゃねぇか??




結局そのまま正座でルチカの説教を受けていると、気付けば他の部隊の隊長達まで姿を現し、状況把握と同時に大説教大会に発展した。


マジでブチ切れしているルチカが居る為か、何人かは控えめにしてくれたがエリエスとヴィンセント、ロイスは容赦無いし。

その場で始末書と減給と即刻修理命令を言い渡されただけで済んだだけマシなのか。自業自得とは言え、本気で堪えた。足の感覚は既に無く、立てねぇよ。

そしてオレがマジで悪かったから、そんなオレの足を嬉々としてイジるのを止めてくれ、ルチカ。


いくらブチ切れした姿を偶然通りかかったユーリちゃんに見られた所為で怯えられてディルナンの足の後ろに隠れられたのがショックだったとは言え、オレ、一応テメェの上官なんだが。







結局、テメェのした後始末をするのに丸一週間貫徹で仕事する事となる。

結果、体調不良で二刻程ひっくり返る羽目になる。


横着して不良品を作成しちゃなんねぇと心身共に刻み込まれる出来事となった。

因みに『サイン君一号』はその後戦闘訓練所に置かれ、魔術攻撃や遠距離攻撃の的となりました(笑)


作者の誤変換により生まれた、隊長の体調不良であり、隊長による不良品作成であり、副隊長が不良化する本編に全く関係の無いお話でした。

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