『ユーリちゃんを見守り隊!』の会報が出来るまで
1、情報を得ましょう。
「コーサはいますか?」
「はい、隊長! ここにおります!!」
「ユーリの新しいイベント申請がカラフから上がってきました。確認を」
『!!』
エリエス隊長からイベント情報はもたらされます。イベントが無い時は、地道に「今月のユーリちゃん」の情報を収集していきます。勿論、イベントがある時でもしっかり情報収集はされます。
2、情報を元に調査しましょう。
「いいか、皆の者! ユーリちゃんから話を聞いていそうなヤローに残らず特攻だ!!」
『了解!』
「情報部隊の親衛隊員にも協力要請しろ! 少しでも詳細な情報を会報に乗せるんだ!!」
『合点承知の助!!』
……仕事はどうした? 勿論、いつも通りこなします。むしろ率先して片付けます。
それが出来なければ書類部隊ではやっていけません。そうして出来た時間が当てられます。
ユーリちゃんに迷惑を掛けない為にも細かい罰則が決まっています。
お仕置き好きな一部隊員の為に会報購入禁止等絶対避けたい罰則になっています。
3、情報をまとめて会報を作りましょう
「では、会報会議を開始する」
「各部隊の親衛隊会報担当揃ってます」
「今回の会報はユーリちゃんの”クリスマス”特集だ」
会報作成には各部隊の親衛隊員の会報担当によって無意味に白熱した会議が行われ、決められた紙に如何に情報を収めるかを決定します。
会報は有料なので、当然色々力が入ります。
量も大量かつ非隊員にも販売は行われる為、正式に印刷業者に依頼する始末。勿論、会員に優先権があります。
4、業者に発注を掛けましょう
「では、今月分の原稿を…」
「はい、確かにお預かりしました」
「よろしく頼む……」
原稿が完成する頃には、会報担当は全員ヘロヘロになります。歩く姿はまるでゾンビ。
けれど、恐ろしく幸せそうな表情を浮かべています。
北の魔王城及び印刷業者のある集落の新たな怪談的名物となり始めています。夜に遭遇すると本気で怖いです。
5、会報を販売しましょう
「隊長、今月の会報の整理券が初日にして五百を突破しました!」
「どうやら”クリスマス”の前評判が食堂の”クリスマスツリー”で上がってたらしく、一般への販売が予想以上です!」
「今回は完売だな」
仕事がある為、発売の三日前から一階の会議室の一室にて整理券が販売されます。料金は前払い。一部の金額は銅貨五枚(大体軽食代程度)。
会員用の分は数が確保され、残りが非会員への販売に回されます。
発売日に整理券と交換開始。当日の販売場所は整理券販売と同じ会議室。一ヶ月前から会議室を押さえ、販売時に次回の会議室が告げられます。
翌日以降は書類部隊の親衛隊本部に移ります。
『ユーリちゃんを見守り隊!』の隊員の地道な(ストーカー的)作業によって会報が人気を博し、今日もまた人数を増やし続けている。
因みに取材中の彼らは余りにも挙動不審で、時々外警部隊によって連行される事も少なくないとか。
主人公の知らない所で、親衛隊が暗躍しています。




