表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

5

・・・・一体なんで、こんなことに

 自分でも解らない。

 即席で雪鳳が用意した寝室で嫦娥は仰向けになった。

「・・・あんな奴、どうとも思っていない」

 朝言った言葉を思い出した。

 じゃあ、何故自分はここまでしてるのか・・・何故だ?

 双樹のせいだ・・・・お人よしが移ったんだ。

 それが一番しっくりくる答えだった。人の事ばかり考える双樹につられただけだ。

・・・それでいいや

 嫦娥は静かに目を瞑った。

 その時、ドアが開く音がした。

「・・・ん?」

 差し込む光に思わず目を開ける、そこには枕を抱えた双樹が立っていた。

「起しちゃった?」

 不安そうに覗きこんだ双樹は、いそいそとベッドに潜り込む。

「なっ!?」

「まだ、ちょっと寒いから」

 照れくさそうに笑って、双樹はひっついてくる。

「同じ歳の友達って初めてなんだ」

 顔が近い、一つの毛布を分け合って、二人、向き合っている。

「明日は特別な場所を教えてあげるね」

 少し自慢げに双樹は笑った。

・・・・お前の行動範囲なんて知ってるさ

 普通の子供よりも、大人しくあまり遠くへ行かない子供だ。

 それでも、双樹は自慢げに案内をするのだろう。

「・・・・」

 ふと、横の双樹を見ると既に寝息を立てている。

 ピッタリと寄り添い、これでは嫦娥は寝返りもうてなかった。

「・・・明日か・・・」

 初めて来た様な素振りをしなくてはいけないのだろうか?

・・・知ってたら、不審に思うかもしれないもんな

 嫦娥は静かに目を閉じた。

・・・・・が、しばらくして目を開けた。

「・・・あれ?」

 さっきまで眠気が来てたのに。

・・・・何故だろう、眠れない・・・

 隣の寝息がくすぐったい

 嫦娥を天井を仰いで、眉間にシワをよせた。

 そして呟く

「別にこんな奴、どうとも思っていないんだからな」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ