葬弔
闇を蹴飛ばした
靴音が響く
路地裏の亡霊が嘲笑う
血塗れの月に口づけて
亡骸は夜を彷徨う
壊れたラジオが呟いた
「誰かの祈りは届くのか?」
首を傾げた
運命の切れ端
ひび割れた鏡に問いかける千両役者
暴走する心臓
夜を疾走
言葉なんて
もういらない
あほくせぇ
奥の奥
しゃれた言葉は燃え盛る炎に帰して
百鬼夜行の果て
黒い雨に口笛を吹いて
彷徨う亡霊
裂いて裂いて
接吻を
なかったことに
耳鳴りの向こう側へ
蜃気楼が囁く愛を
闇を抱いた街が叫ぶ
錆びた夢を引きずったまま
歪んだ光を浴びて
まだ終われない
生きずまりにつまずく