おもしろいお話を書けるようになったわけ☆(わたしのお話は面白くないというご意見もあるでしょうけれど、それを言われるとお話が進まないので今日は目をつぶってください。よろしくです♪)
38年前の話です。
当時小学6年生だったわたしは、毎日歌の練習をしていました。母校の水巻町立えぶり小学校が創立110周年ということで、卒業生を招いて大々的な記念式典が行われる予定だったからです。式典は卒業生たちの寄付で建てられたピカピカの体育館で行われることになっていて、在校生のわたしたちは先輩方を前に歌う練習をしていました。
当日は学校に縁のある有名な作曲家が記念講演をするらしい。すごく有名な人らしく先生たちは落ちつかないようすでしたけれど名前を聞いても知らない人だったので、生徒たちはシラ~っとしていました。
式典の当日は土曜日だったと思います。授業が終わって片道30分かけて家へ帰ったら、お昼ご飯を食べるヒマもなく学校へ引き返します。おなかをグウグウ鳴らしながら体育館へ入ると、テーブルクロスの掛かったたくさんのテーブルに、ご馳走が山と積まれていました! どうやら式典や講演会の後に同窓会が始まるらしい。大人はいいなぁ! ズルいよ!
食べられないご馳走を前に歌を歌います。おなかがすいて、声も出ないよ……。そしてすごく有名な人は急に体調がわるくなったとかで、代理で別の人が来ました。その人も有名らしく先生たちはザワザワしていましたけれど、ぜんぜん知らない。すごく高齢な方でお話の内容もぜんぜん知らない内容でした。おなかはすいたしつまらないし、目の前のご馳走は一口だって食べられないし、38年たった今でも「あれはひどかったよな」と記憶に残る思い出です。
そして38年が経過した昨日、体調不良で来られなかった有名人の名前を思い出しました。
「ナカムラ ハチダイ」さんです。ご存じですか? わたしは名前を聞いてもピンと来なかったのですけれど「上を向いて歩こう」「こんにちは赤ちゃん」を作曲した方だと言ったらおわかりになりますか? そのあたりの曲を知らなくても日曜日に放映される「笑点」のオープニング曲はご存じだと思います。それらの曲を作曲した方でした! ガチですごい人だった!! でも来なかったんですけど(苦笑)。
ナカムラ ハチダイさんが作曲した「上を向いて歩こう」は日本だけじゃなくアメリカでも一位になったすごい曲です! そしてこの曲の題名で思い出したのですけれど、パソコン画面を目線より上にすると首や肩がラクな気がします。すみません。名曲とぜんぜん関係ない話です。画面を今まで目線と同じ高さにしていましたけれど、長時間見ていると首や肩がツライ……(涙)。それで画面の高さを少し高くしたところ、ラクになった気がします。少しだけ見上げた状態なので、首がストレートネックになりにくい気がする……。良かったらお試しください☆ でも調子が良くなかったら、すぐに高さを変えてくださいね!
今日は何をお話しましょうか……? そうそう! 昨日のエッセイにチラリと書きました。「中高生になっても小説は書けず、大人になってからも書けなかった」話をさせてください。これ、実話です。さっぱり書けなかった! 書きたいシーンはあるのですけれどそのシーンを表現する語彙も少なかったし、そのシーンにたどり着くまでのドラマも書けなかった! 本当にさっぱり書けませんでした!
そうこうしているうちに40代に突入し、わたしは市役所の相談員になります。たいていの相談員さんは大卒ですし、大学院卒の方もたくさんいます! そして相談業務に関する色々な資格をお持ちです! そんな中でわたしだけ高卒、しかも相談業務に関する資格は一つも持ってない。大型自動車免許とか危険物の資格は持っていますけれど、相談業務に1ミリも関係ない! そんなわたしがなぜ採用されたのか? ずうっと疑問でしたから上司に聞いてみました。
ソウ:なぜわたしが採用されたのですか?
上司:ソウさんが優秀だったからですよ♪
ソウ:優秀じゃないのは自分が一番知っています! わたしより優秀な方がたくさん面接に来ましたよね?
上司:そうですね! 国家資格をお持ちの方も来てくれました。
ソウ:それなのに、なぜわたしが??
上司:ソウさん、面接の時にバツ2だとおっしゃったでしょう?
ソウ:はい。言いました。
上司:困っている方の相談にのるなら、失敗が多い方のほうが良いと思いまして♪
ソウ:え? もしかしてバツ2だったから採用されたのですか?
上司:人生経験が多い方を探していたのですよ♪ その点ソウさんはピカイチで優秀でした☆
ソウ:まさかそういう理由だったとは……!!
何が幸いするか、わからんもんですね……。失敗の多さで採用されていました……!!
右も左もわからず就職したのですけれど、仕事に就く前に漠然と想像していた相談は次のようなものです。
相談:あたしぃ~、Aさんとお付き合いしてるんですけどぉ~、Bさんのことも好きかなぁ~?みたいな♡ どっちと結婚したほうがいいと思いますぅ~?
……ほんとにバカでしょう? あの頃のわたしに会えるのなら、頭にドロップキックをブチかましてやりたい……(涙)。そして琵琶湖に沈めてやりたい……(涙)。
わたしが与えられたお仕事は、内閣府による男女共同参画に関する女性相談でした。つまり社会的弱者である女性の困りごと相談です。中でもDVを中心としていました。親密なパートナーや、親密だった人から受ける精神的、肉体的な暴力(!!)に関する相談です。仕事としては女性の対応でしたけれど、男性だってDVを受けることは多いですし、そもそも男性とか女性とか性別で区別する問題でもありません。同性間で親密な方たちはたくさんいますし、DVで苦しむのは誰も同じです。
そしてDVじゃないからという理由で相談をお断りするなんて勝手なことはしません! 困っている方がいるなら、何とかできないか一緒に考える。そして適切な専門機関へつなぐ。何の権限もありませんけれど、一緒に悩むことはできます! そういうスタンスで対応した結果、ありとあらゆる相談が持ち込まれるようになりました。
辞めた後も守秘義務はあるので詳細は伏せますけれど(すみません)、「事実は小説より奇なり」という相談が本当に多かった! お話を聞かせてもらいながら「このお話を小説にしたら、あまりの偶然の多さにウソくさいって言われるわ……」そう思っていました。例えばですけれど、実際の相談ではありませんけれど、、夫は職場でパワハラ被害に遭っている。そんな夫は浮気をしていて、家庭内では職場の不満を妻にぶつけている。妻は夫の浮気とDVで苦しんでいる。そんな時、ふとした偶然で妻はある男性と出会い恋に落ちる。その男性は夫をいじめているパワハラ上司で、妻は夫の浮気相手だった! どうする!? どうなる!? みたいな……。 こんなお話を小説に書いても「偶然出会った相手がパワハラ上司で、その妻が夫の浮気相手なんて! ウソくさいわ! どんだけご都合主義やねん!」って言われると思います。でもこれよりすごい偶然の重なる話が、次からつぎへと……!! そしてものすごい人間ドラマが繰り広げられています! 橋田壽賀子もビックリです! 家政婦が見たら気絶するくらいすごい! そして水戸黄門さまでも解決できない!!
そういうお話をなんとか整理してときほぐして、安全確保はできているか? すぐできるコトはないか? 少しずつ前に進むことはできないかを一緒に考えてゆきます。 1000件以上のお話を聞いて確信したのは「金銭的な余裕があれば悩みの9割は解決できる!」です! 間違いない! お金さえあればほとんどの悩みは解決できます!! 断言します!! お金は大事です!! でも皆さんお金がないから悩んでいるのです。そのお気持ち、よくわかります(涙)。 わたしもお金ないですもの(涙)。
悩み自体が解消するには長い時間がかかりますけれど、ほとんどの方が初回からスッキリしたお顔で帰ってくださっていました。それは、なぜか??
大部分の悩みの半分は「聞いてもらったらスッキリした♪」という結果になるのです。解決しないといけない問題も多いですけれど、わたしが真剣に傾聴することで相談者さまの心が軽くなる! (そしてわたしの心は重くなります。最終的に病みます) 心が軽くなったら視野も少し広くなって、新しい解決法が浮かんだりします。一切の反論をせず黙って傾聴するというのは、すごく癒しの効果があるらしい……!
中には荒唐無稽なお話もあります。一般的に多いのは「〇〇がわたしのジャマをしている。だから人生がうまくいかない、辛い」というものです。いわゆる陰謀論。〇〇には、ありとあらゆる名称が入ります。これはどこの病院でも相談機関でも同じだと思います。わたしもたくさん聴かせてもらいました! でも私は絶対に反論しません! 同意もしませんけれど、反論もしない。今日のお話からズレるので詳細は書きませんけれど、そういう考えが必要な方もいらっしゃるのです。その方にとって必要なら、わたしが反論することではありません。辛いというお気持ちに焦点を当てて「辛いのは大変ですよね……」そう受け止めます。辛いのは事実ですし、辛いお気持ちに寄り添うことでその方の気持ちが軽くなるなら、わたしは黙って聴かせていただきます。
そういうお仕事をしていたから、小説が書けるようになったのか? ちがいます。わたしを信頼してお話くださった方たちの信頼を裏切ることはしませんし、秘密は墓場まで持ってゆきます。それに人様の経験を我が事のように書く技術は持ち合わせておりません。
なぜ書けるようになったかと申しますと「公文書」が原因です。公文書がすべてです。
ありとあらゆる感情が複雑に絡み合った相談は、すべて報告書(公文書)にします。公文書は公的な文書ですから、創作や私見を書くことはできません。事実のみを書きます。事実のみを書かねばなりませんけれど、内容は複雑な人間ドラマです! いったいこれをどう公文書にしろと!?(怒)。
しかもこれ、裁判に使われちゃったりします(涙)。実際にわたしが作成した文書は、調停や裁判で使われました。裁判官や弁護士が見て使う材料になるのです。おかしなコトを書いていたら、すぐ突っ込まれる! わたしのせいで調停や裁判が失敗するのはイヤです! そして相談者の安全確保のため、書いてはいけないこともたくさんあるから、その辺も注意しないと! たとえばDV被害者の方の相談内容を報告書にします。そしてこれを調停や裁判で使う場合、相手もこの書類を見ます。ですから逃げている場所や支援者などを特定できる情報は書いたらアカンのですよ! その書類から居場所が特定されて襲われたりしたら、一巻の終わりですから!! でも報告書ですから、書かんとアカン! バレずに書くなんてどうしたらええんや(怒)!!
そういう報告書を何千枚も書いていますと、創作したくてウズウズしてくるのですよ!! お仕事で書いていいのは事実のみです!! 創作も私見も一言だって書いたらダメ!! 嗚呼! 創作したい! 私見が書きたい! 自由な文章を書きたい!! でも書いたらアカン!!
そして責任の重いお仕事を辞めたあと、わたしは考えたのです。「もう何を書いても自由だよね? 好きなことを書いてもいいんだよね? 書きたい!!」 それから空想の羽を自由に伸ばして創作したお話が出版され、言いたくても言えなかった私見を毎日ここ(なろう)でエッセイにしています☆
小説やエッセイを書けるようになったのは「1ミリたりとも面白くない公文書を何千枚も書いた反動」です!! あんなにカチンコチンの文章ばっか書いてたから、後は死ぬまで面白い文章を書いてやる!!
ですのでもしもあなたが「面白い文章が書けなくて困っている」そうお考えでしたら、カチンコチンの文章をお書きになるといいかもしれません。たとえば裁判の訴状とか、どこかへ送る陳情書とか家計簿とか……。確定申告の書類も有望だと思います☆ あれは創作も私見も入れたらアカン書類なので。勝手な創作なんて入れたら、ヘタしたら捕まるので。ww
あとは「上を向いて歩こう」を聞きながら、ふだんは見ない上を向いて歩くといいかもしれません。わたし歩いているときに、カラスが落とした1円玉が頭に当たって「なにっ!?」ってなったことがあります。ww どんな確率なんだ。ww 宝くじに当たる確率より低いです。ww
何かのヒントになれば光栄です☆ どうぞ良い一日を~♪♪