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1:Q.なぜ清楚で甘々な子に告白されてもOKしないの?

恋愛は初投稿です。

 私には夢がある。

 それは、騎士になって強くなって・・・好きな人に尽くすこと。

 そして、今の私には尽くすべき『ご主人様』がいます!

 と言っても、私が勝手に『ご主人様』と思ってるだけなので、今の私の目標は、ご主人様に私を好きになってもらうことなのです!


 ~清楚で甘々な子に告白されてもOKできない理由~


「んんっ、ん~!いい朝です」


 朝、それは1日の始まり。今日も私は、ご主人様の騎士として頑張ります!

 私は昔から早起きだったような気がしますが、今では毎日かかさずに早起きをするのです。

 なぜなら、


「ご主人様~・・・朝ですよ~・・・」

「すぅ~・・・すぅ~・・・」

「フフ♪起きないと、目覚めのキス、しちゃいますよ~?なんて♪」


 そう、ソファで寝ている、ご主人様の寝顔を見るため。

 このために早起きしてると言っても過言ではありません。

 というか、昔よりも早起きになっているような感じだと思ってます。


「えい♪えい♪」

「・・・」


 ご主人様の顔を、つんつん、と指でつついても起きる様子は全くありません。

 少し口を開けてるのが無防備で、少しボサボサの黒い髪がとっても可愛い。

 さて、このまま永遠に見ていたいですけど、朝ごはんを作らないと。


「火のクリスタルはっと・・・あ、ありました」


 火のクリスタルに魔力を通して、その上にフライパンを乗っけて熱します。

 さて、何を作っちゃおっかなぁ・・・・・・よし、今日は目ベーコンエッグです。



 ♢ ♢ ♢



 先ずは厚切りのベーコンを焼きます。

 ジュワ~”、とした油の心地いい音と匂いが溢れてきます。

 そしたら、その油で目玉焼きを作ります。

 ジュクジュク、とした音が卵を均等に焼いてくれてます。


「んん、ん~っっ!」

「あ、ごめんなさい、ご主人様。起こしてしまいましたか?」

「・・・いや、もう朝だから。むしろ起こしてくれて、ありがたい」

「そうですか。それじゃあ、朝ごはん一緒に食べましょう」

「ん・・・」


 フフ、ご主人様、まだ眠たそうですね。

 ベーコンエッグを机に置いたら、その匂いを頼りに目を閉じながら歩いています。

 犬みたいでカワイイです♪



 ♢ ♢ ♢



「「いただきます」」


 ご主人様が私が作った朝食を口に運ぶ。

 この瞬間はいつもドキドキしてしまいます。


「ん、めっちゃウマい」

「ほ、本当ですか!?」

「うん。ベーコンいい感じに焼けてるし、目玉焼きも半熟だ。どんどん料理が上手くなってるな」

「えへへ、ありがとうございます♪ご主人様のためにって思うと、無限に頑張れちゃいますから!」

「・・・・・・」


 嬉しい。

 ご主人様に褒められると、心が満たされます。

 やっぱり、私の『ご主人様』は、この人だけです。


 朝食を綺麗に食べ終えると、ご主人様は大きなあくびをします。


「ごめん、2度寝する。少し経ったら起こしてくれると助かるけど、いいっすか?」

「もちろんです、ゆっくり休んでくださいね。あ、よかったらベッドで寝てもいいですよ♪」

「いや、それは悪いからソファで、寝ま、す・・・」


 むう、ベッドで寝てくれてもいいのに。

 そうしたら、ご主人様も、ちゃんと休める。その後で私は、ご主人様の匂いが染みついたベッドで寝れるのに。


 ”いや、ベッドが1つしかない部屋だから、それはエルに申し訳ないよ”

「私は構いません!むしろ寝てください!!」

 ”え、う~ん・・・・・いや、やっぱり悪いから”

「むう~!」

 ”ちょ、痛い痛い痛い!なんで?!”


 ご主人様が優しいのは、嬉しくはあります。

 でも、それはそれとして!やっぱり、ご主人様には、いつか私のベッドで寝てほしいです・・・。


「よし、ここは気持ちを切り替えよう!」


 ダンジョンの探索まで、まだ時間があるから部屋の掃除でもしようかな。


「スゥ~・・・スゥ~・・・」

「・・・・・・」


 ちょっとだけ、ちょっとだけ寝顔を見てからにしましょう。



 ♢ ♢ ♢



「これ、完全に遅刻か~」

「ごめんなさい。私も2度寝しちゃったせいで!」

「いや、先に2度寝しといて起きれなかった俺が悪いから」


 やってしまいました。

 ご主人様が気持ちよさそうに寝てたから、私も少しだけ寝ようと思ったら、まさか昼まで寝てしまうなんて。


「いや~、それにしても」

「?」

「今日も海の匂いがするな~」

「そうですね。ここは海に囲まれてますから」


 私たちが滞在している国、「アザリス」は漁業が盛んなところです。

 ですので、お魚とかは安くて、とっても美味しいのですが・・・1週間も食べ続けると飽きてしまうのが少し問題です。



 ♢ ♢ ♢



「遅いじゃない!あと少しでも来なかったらアンタたちを置いてくところだったわよ!!」

「今日は絶好の2度寝びよりだったもので、ごめんなさい」

「星水!アンタいつも遅刻してるでしょうが!!」


 私たちは今、冒険者が集まる『ギルド』という場所にいます。

 そして・・・パーティーの合流に遅刻したことを、ツインテールが特徴の女性、バイオレットさんに怒られています。


「まあまあ、落ち着けって。星水も悪気があったわけじゃないんだしさ」


 そんなバイオレットさんをなだめるのは、気さくで、ショートヘアが特徴の女性、クレアさんです。


「いえ、クレアさん。遅刻したのは事実なので、この失態は仕事で挽回します」

「ふう~ん?どうするつもりなのかしら?」


 バイオレットさんが疑心に満ちた目で見てきます。

 まあ、私たちは遅刻の常習犯。

 正直なところ、バイオレットさんの疑いは当然なので何も言えないのです・・・。


「今回の探索の護衛代、俺は半分の費用で」

「は、はあ!?アンタ、本気で言ってるの!?」

「まあ、今までの遅刻した時間を合わせると、それくらいはするかなあって。後はいつも皆さんを待たせてるし、お詫びとして」

「あ、アタシは別に、そこまで・・・」


 バイオレットさん、動揺してます?あ、これはもしかして・・・


「アハハハハハ!いいよ、別にそんなの。バイオレットもそこまで怒ってたわけじゃないしさ。それどころか、”どうしようクレア!星水だけじゃなくてエルミーヤまで来ない!なにかあったのかしら!?”って心配してたからさ!」

「ちょ!クレア!?」


 フフ、バイオレットさん、内心では私たちのことを心配してくれてたんですね。

 これが以前、ご主人様が言ってた『ツンデレ』という概念なのかな。


「おやおや~?もしかして星水さんとエルさんが来ましたか~?」

「あはは。2人とも、いつも通りの遅刻だね」


 向こうからやってきたのは、まるで小動物のような可愛さがある『メリッサ』さんと、私たちを雇ってくれているパーティーのリーダーで優しそうな雰囲気をもつ青年『ミツルギ』さん。


「はよっす。いやあ~、いつも遅刻できるのはミツルギのおかげだ。マジで感謝しかねえ」

「あはは、それはよかったよ」


「ミ~ツ~ル~ギ~?」

「うわ!バ、バイオレット?」

「それはよかったよ、じゃないわよ!?アイツが遅刻してくる間にも!他のパーティーはダンジョンの探索に向かってるのよ!」

「アハハ・・・ごめんね。じゃあ早速だけど向かおうか」

「フン!分かればいいのよ」

「いつもありがとう、バイオレット」

「きゅ、急になんなのよ?!」

「バイオレットがいつも、パーティーを真面目に考えてくれるおかげで、僕たちは安全に探索できるからね」

「~~~ッッ?!フ、フン!バッカじゃないの?!」

「あ、あれ?僕なりに褒めたつもりだったんだけど」


 フフ♪バイオレットさん、顔が真っ赤です。

 やっぱり、ご主人様の言う通りバイオレットさんは分かりやすい人です。


「・・・ミツルギ」

「ん?どうしたの星水」

「やっぱオマエあんま好きじゃねーわ。なんで顔だけじゃなくて心もイケメンなんだ、このハーレム野郎」

「え、え~・・・?」


 ご主人様・・・・・・それは流石に、みっともないと思います。



 ♢ ♢ ♢



「バイオレット!スライムがそっちに行った!カバーに回れるか?!」

「誰に向かって言ってんのよ、クレア!」


 私たちは今日もパーティーで『ダンジョン』の探索をする。

 ダンジョン、それは人々の『強欲』が集められたような夢の場所。

 そこでは毎日、探索者が資源を集めている。

 中でも『クリスタル』という、この世界にはかかせないものは高額で換金されている。

 国の人々は口をそろえて言う。


 ”ダンジョンは一獲千金ができる夢の楽園でもあり、1歩でも間違えれば死ぬ地獄でもあると”


「みなさん、ウルフの群れが1頭、2頭・・・・・たくさん来ま~す」


 メリッサの柔らかい声とは真逆に状況は最悪だ。


「エルミーヤさん!お願いできる?!」

「大丈夫です!ハァアアア・・・・・サンダー、アロー!!」


 しかし、ミツルギの的確な指示と、エルミーヤが繰り出す無数の雷の魔力の矢がウルフの群れを撃退した。



 ♢ ♢ ♢



 エルミーヤのパーティーは6人組だ。

 パーティーの指示と援護を担うリーダーのミツルギを筆頭に、近距離のバイオレットとクレア、中~長距離のメリッサ。

 そこに殲滅力の高い中距離のエルミーヤで戦う・・・・・え、誰か1人いないって?


「戦闘お疲れ様です!これ、回復薬っすクレアさん!」

「お、サンキュー!」

「バイオレットさんも、お疲れっす!」

「ん、ありがと」


 残った星水は、みんなの荷物持ちと、採取した資源やクリスタルを保管する係である。


「あ、メリッサさんは水とかいりますか?」

「助かりま~す」


「気が利くね、星水」

「ミツルギは・・・・・すまん、我慢できそうか?」

「うん、もちろん。僕はそこまで動いてないから。それに水や回復薬は節約していきたいしね」

「ははは・・・・・ホントごめん。マジで役にたたなくて」


 先ほどまで気楽そうな顔で話してた星水とは思えないほど、彼は申し訳なさそうな顔になる。


「ええ?!だ、大丈夫だよ、事情は聞いてるよ!星水は1日に1回しか魔法が使えないって。だから君は『保険』の役割だって・・・・・」

「でも俺、このパーティーに参加してから1回も魔法を使ってなくね?」

「ま、まあ、僕とメリッサとクレアとバイオレットは見たことないからね」

「いや、俺の役割は自分が1番わかってるのよ。ただ、俺が戦わない日も、みんなと同じように金を貰うのが申し訳なくて」


「あ!そ、それじゃあ、星水さんは探索に行かなくてもいいんじゃないですか?そのぶん、私が稼いで星水さんを養いますよ!」


 その時のエルの顔には、一点の曇りもない目があった。

 まるで”ナイスアイデアじゃないですか!?”と言わんばかりの表情だった。


「ごめん、ミツルギ。やっぱり雑用係だけど、精一杯に働くから、バイト代は貰っていいかな?」


 爽やかな笑顔で頼みごとをする星水。


「うん。もちろんさ」


 そして爽やかな笑顔で受けとめたミツルギであった。


「な、なんでですか~?!」



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