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千の線  作者: 七海トモマル
38/151

怖い占い師

ネネはネットサーフィンをする。

ドライブを肩に置いたまま。

キーボードを叩き、マウスを操る。

ネットをめぐるだけなら無駄箱一号でなくてもいい。

『まぁいいでしょう』

ドライブが考えを読む。

「そんなものかな」

『そんなものですよ』

ネネはクリックして画面を展開させる。

更新のありなしを調べる。

巡回ソフトでも使ったほうがいいだろうか。

リンクを辿り、巡回。

ニュースサイトをいくつか見る。

事件事故がいつものようにある。

「ドライブ」

『はい』

「ニュースだけで、通り魔の気配とかわかる?」

『近くでないと、わからないですね』

「そんなものか」

『はいなのです』

「海のやつはドライブは大丈夫だった?」

『海のやつ?…ああ、朝凪の』

「うん、器屋と一緒の」

ネネは思い出す。

海から浅海の町に戻ろうとしたとき、通り魔が襲い掛かってきたこと。

ネネをあざ笑う、意思の塊のようなもの。

ネネは心で退けた、らしい。

ネネには自覚はないが、とにかく退けたらしい。

『ネネは強いのかもしれないですよ』

「わからないよ」

ネネはわからない。

自分に何があるのかもわからない。

「自分の先もわからないんだもん」

ネネは乱暴にマウスを動かす。

ぐりぐり回って拍子にどこかをクリックしたらしい。

見慣れないページを表示した。

「ありゃ」

『どうしました?』

「変なページ来ちゃった。ワンクリック詐欺じゃないかな」

『詐欺?』

「ここから先に入るには、お金を払えという詐欺。大丈夫かな」

ネネはそのページを見る。

占いの小部屋と書いてある。

背景が黒っぽく、星をちりばめたように描いてある。

『占いですか』

「そうみたい。なんか占いに縁があるなぁ」

ネネはつぶやくと、占い師のページを閉じた。

『ネネ』

「うん?」

ドライブがパタパタと足を踏む。

『占いに縁があるってなんですか』

「んー、ああ、クラスメイトが占いしてくれたんだ。よくわかんなかったけど」

『ネネの全てをわかっているのかもしれません!危険です!』

「そんなことないよ」

『ありうるのです!』

「ないない。だって漠然としてたんだ」

『漠然と?』

「なんだか隠されたものがあって、手助けがあれば見つけるでしょう」

『はい?』

「そんな感じだったんだ」

『むぅ』

ドライブはうなった。

ネネはブラウザを閉じる。

「そんな感じだから、心配することないよ」

ネネは軽く言う。

間をおいて、ドライブが話し出す。

『朝凪の町にも、占い師がいたと聞きます』

「いた?過去形?」

ネネは聞き返す。

『はい、その占い師は、螺子を死体の目に打ち込んで生き返らせたと聞きます』

「占い師じゃなくて、呪術師でしょ、それは」

『最初は占い師だったようなのです』

「それでドライブは不安だったのか」

『そうなのです』

ネネは巡回を終え、パソコンの電源を落とす。

肩のドライブにそっと触れる。

「そんなにすごいことが出来るのが、浅海の町にいるわけないよ」

『わかりません』

「まぁいいや」

ネネはドライブの寝床の帽子を引っ張り出す。

ハンカチを中に敷いて、簡易ベッドだ。

ドライブを肩から下ろす。

「ドライブも心配しなくていいよ」

『ネネは強いですね』

「そんなことないよ」

ネネは否定する。

「そんな怖いことが、浅海の町にないと、信じたいだけ」

ドライブの聞いた占い師の話。

もしかしたら、通り魔をばら撒いていないだろうか。

カンオケバスや、海のあざ笑う意思。

ばら撒いているのは、以前いたという占い師がやっているのだろうか。

ネネは震えた。妙に怖くなった。

ネネは通り魔に遭遇して、辛くも生き延びている。

『いざというときは、守りますよ』

ドライブが頭の中で宣言する。

「ありがとう、ドライブ」

『私もネネと同じことで怖いんですけど』

占い師。以前いたという占い師。

ドライブが過剰反応した占い師。

『いざというときは、噛み付くくらいしたいです』

「ありがとう」


その夜は電気を消して、眠った。

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