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無価値を売るジュース屋
あるところにジュース屋があった
だが、客たちはそのジュース屋を蔑んでいた
そこにあるジュースは無価値だと
ある客は、普通に瓶を飲み干して大声で「まっず」と嗤っていた
ある客は、透明なジュースをみて「中身がない」と嗤っていた
ある客は、ジュースに下手なアレンジをして「こうしたほうがいいから」と嗤っていた
ある客は、何故か飲みもしないで瓶を破壊して「こんなんゴミだわ」と嗤っていた
ある客は、何故か他の店のジュースを持ち込み大声で「こっちのほうがいいわ」と嗤っていた
ある客は、ジュースを大量に持ち出して「自動で作れるようにしたから」と嗤っていた
ジュース屋を蔑む客たちは、いつ気付くのだろう
そのジュース屋が存在しなければ認識されることすらない
無価値で哀れな自分の姿に
物を売るとお金が手に入ります(笑)