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生きたい魔王と逝きたい勇者  作者: みけな
第1章 出会う2人の道
25/52

第25話 賢くなる魔王

アオアシとかブルーロック見てたから、サッカーのW杯をみてみたり。

漫画で言うセリフとかが気になる。エゴさん大丈夫か?w


読んでくれた皆様!

ブックマーク、評価、いいね。くれた方々も。

ありがとうございます(*'ω'*)


 連休最終日。私は今、諏訪さんのお家にお邪魔しています。結局昨日も勉強より遊んでた方が長かった気がしました。そして今も勉強はまだ始まっていません。


「それで遊んでたと?」

「「ごめんなさい」」

「あの諏訪さん。そろそろ勉強を……」

「そうね。過去を振り返っても仕方がないわ。それに私も家の手伝いで最後の日しか付き合えないし」

「いえ。忙しい中、一緒にやってくれるだけありがたいと思います!」

「真桜ちゃんは良い子ね〜」


 頭を撫でられました。別に良い事をしたいからではなく。このまま2人が怒られるのは悪い気がして、話をなんとか変えられればと思った。チェスとか体を動かす格闘は楽しかったもん。


「それじゃ、どこが分からないかテストをしましょう。はいこれ」

「おぉ陽の小テスト。久しぶりに見た」

「何それ?」

「高1の時に赤点出した時に作ってくれてな。これを繰り返しやってたら余裕で合格したんだ」

「神野君が言うんだから効果は凄いんだろうな」

「そうでもないよ。いっくんはやり方が下手くそなだけだったから。進む道のヒントをあげれば出来るんだよ」

「俺はやれば出来る子だからな」

「それ自分で言うか?」

「ふふ」


 私はこの時間が好き。何気ないお喋りだけど、皆が笑顔で幸せな気持ちになる。


「ニコニコしていられるのも今のうちよ。さぁ始めましょう!」

「はい!」


 そして貰ったプリントは5枚。中にはびっしり文字が書かれていた。




 そして5教科全て終わらせた私は、絶対頭から煙が出ていると思う。それくらい難しい問題ばっかりだった。

 正直言って、数学はなんとかなる。国語や社会も作者や歴史の人物について学べば、ある程度の事は分かると思ってた。そして理科は自然や生物といった当たり前な事だから、図鑑を眺めたりしたの。最後に問題なのは……


「真桜ちゃんは英語が苦手なのね」

「何を言っているか全く分かりません。だってこれ外国の言葉ですよね?私、この国の言葉だってやっとなのに」

「分かるぞ真桜。翻訳とかスマホや家電であるから、これがなくても生きていけるからな」

「はいはい。そう言うのは出来てから言ってもらっていい?」

「「はい」」


 祝さんも英語が苦手みたい。私と一緒人がいると少し安心。


「藤宮君はさすがね。ほぼ正解」

「それでも数学は少しミスがあったな。それにしてもこのテスト凄いな。これがあればテストとか簡単に思える」

「こんなにたくさん作ってくれたのにごめんね諏訪さん」

「気にしないで。問題を作るのも勉強だから。自分が理解してないと問題なんて出来ないからね」


 自分で問題を作る事も勉強になるんだ。覚えておこう。今はそんな余裕はないんだけどね。


「英語の話をしたけど。理科もギリギリだからね?」

「はぅ!?」

「生物はいいけど。科学と物理かな」

「何をどうしたらいいのか分からなくて……」

「これは数学と似てるからそこまで問題じゃないと思うよ。これを解くのに公式を覚えるだけだから。はいこれ」


 そうして出てきたのは、1枚の紙に覚えた方がいい公式がまとまった紙。


「これは!?」

「これを覚えとけば真桜ちゃんなら大丈夫でしょう」

「これまた凄いな……諏訪さんは将来は先生になった方がいいんじゃないか?」

「私は神社の長女だから……先生はないかな」

「そうか。まぁ諏訪さんなら何でも出来そうだな」

「陽は昔から要領がいいからな。この公式まとめるのは陽に教えてもらってから、俺も実践しているけど。効果は抜群だった」


 少し顔が暗くなったような?でもすぐにその表情は元に戻った。私の気のせいかな?


「国語は漢字を少し覚えればいいだけかな。こればっかりは繰り返し書いて覚えるしかないけど」

「はい!」

「国語の漢字も英語の単語も、反復しかないから困るよな」

「地味だけどこれが手っ取り早いかな。他には漢字の成り立ちとか、部首の意味だったり学んでもいいけど……たぶん時間足りない」

「漢字の歴史は古いですからね。深淵さんは反復がよさそうだね」


 なんか今日だけで凄く賢くなった気分。勉強って奥が深いんだなって改めて思った。あ、忘れないようにメモをしないと。


「後は数学は相変わらず良いね」

「うわぁ2人とも満点だし」

「数学はいいよな。答えがバシッと決まってて」

「私もそれは思います。公式覚えてれば何でも解けますし」

「いっくんと真桜ちゃんは理系なのね」

「諏訪さん俺は?」

「藤宮君は普通?オールマイティ的な?どっちかって言うと文系かな?」

「……最初の方の言葉はいらないのでは?」

「あはは。ごめんね」


 数学は祝さんが言ってたけど。私も答えが一つってところが好き。答えが出た時のあの気持ちよさは、他の教科にはあまりないから賢くなった感じがする。


「それじゃ最後は社会だけど……歴史系は出来てるのに地理系は絶望的だね」

「ぜ、絶望的ですか!?」

「あはは。真桜は社会が苦手なんだな」

「いっくんは歴史が絶望的だけど?」

「俺は過去を振り返らないんだ……」

「そっか。じゃ〜未来を見て赤点取らないように勉強しようか」

「過酷な未来だな……」

「ふふ。過酷って」

「この2人似てるよな」

「できない教科は一緒だね。数学できるのに覚えられない事はないと思うんだけどな〜」


 何で覚えられないか。それは私にも分からない。地元の電車で移動すらよく分かってないのに、この国の地理が理解できるとは思ってない。それからさらに世界なんて言われても……


「真桜はこの辺歩くのでやっとだもんな。電車もあまり乗り慣れてないし」

「そうなんです。方向音痴な上に、来たばかりの土地は私には難しくて……」

「真桜ちゃんの事情は分かったわ。テスト範囲まとめて後で渡してあげる。そして問題はいっくんの歴史ね」

「そう言われてもな。こればかりはずっと出来ないからな。そこそこの点数で、他の教科でカバーするしかないと思っている」

「まぁ課題こなせば卒業は出来るかもだけど……」


 ―コンコン


「勉強は順調かしら?羊羹持ってきたから皆で食べて」

「ありがとうございます!」

「あらあら祝君は糖分が足りてないみたいね」

「ちょうど欲してたところです」

「ふふ。今は何をしてたの?」

「社会の振り返りです」

「いっくんが歴史が絶望的ってところ」

「あら?歴史は興味ない?」

「過去は振り返らないようにしているんです」

「そうね〜ウジウジしてる人は嫌よね」


 諏訪さんのお母さんが持ってきてくれたヨウカンって言う食べ物。私は見たことがないから祝さんの真似をして、少し切って口に入れる。


「甘い!」

「美味しいだろ?陽のお母さんが出す羊羹は絶品だからな」

「お褒めに預かり光栄ね。あ、そうだ。祝君は羊羹がいつから流行ったか知ってる?」

「え?昭和とかですか?やっぱり戦争の後な気がしますね」

「時代はね鎌倉〜室町なんだって。喫茶の風習が広まり始めて、中国に留学した人が羊羹や饅頭を広めたって知ってた?」

「そんな昔なんですか!?鎌倉っていつだ?」

「いい国作ろうって聴いたことない?」

「あー1192年か」

「さすがに知ってるわよね」


 いい国作ろうで年代が分かるって、祝さんは凄いです。私も覚えておかないと。


「本当はもう少し前って説もあるけど。概ねその辺りが鎌倉時代ね」

「なるほど。喫茶が流行り出した鎌倉時代。覚えました」

「人はやっぱり興味がないと覚えないから。その時代に何があったか。それを好きなものと結びつけるといいわよ」

「さすが諏訪さんのお母さん!あ、メモしないと」

「ふふ。真桜ちゃんは素直ね。私も完璧に記憶は出来なかったけど。神社の歴史とかはやっぱり頭に入っちゃうものだし」


 今日はすごく勉強になる事が多いです。興味がないと覚えないのは確かですね。得意な教科も最初は、皆の前で問題を解いた事が始まり。祝さんがすごく褒めてくれて、それが嬉しくて勉強も頑張れた。


「真桜ちゃんは何が好きなの?」

「私ですか?好きなもの……」


 好きなものを考えていると、目の前にいた祝さんと目が合う。祝さんは私に微笑みかけてくれる。そ、その笑顔は反則です〜


「はぅ……」

「大丈夫か?そんな一生懸命考えなくても。もっと気楽に幸せだ!って感じればそれが好きって事だ」

「幸せを感じる瞬間……」

「そうだ。直感は信じられるからな」

「……私、なんとなくだけど。真桜ちゃんの好きが何か分かった気がする」

「奇遇だね。僕も諏訪さんと同じだよ」

「ふふ。これは誰が見ても……ねぇ?」

「え?皆は分かったんですか?さっきの会話になんのヒントが?あ。羊羹か?」

「真桜ちゃん」


 諏訪さんのお母さんが手招きで私を呼んでます。よく分からないけど呼ばれたので立ち上がり部屋の隅に行く。


「真桜ちゃんは祝君が好きなのね」

「え?……え!?」

「しー聞こえちゃうわよ。本人は自覚してないけど、真桜ちゃんからは好きオーラがすごいもの」


 すすす、好きオーラって何ですか!?私はそんなに分かりやすい態度を?は!もしや諏訪さんのお母さんは、そう言うオーラが見える人?やっぱち神社の人だから神秘的な力があったりして?そうなると諏訪さんも?


「好きな人の為に頑張りたいは立派な事よ。相手に喜んでもらいたい、褒められたいって誰でも思うもの」

「そ、そうですか」

「そうよ。だから貴女の好きは……これ以上はやめておくわ。私は中立を目指すからね」

「ん?」


 諏訪さんの方を向いたと思うと、お母さんはそのまま部屋を出て行ってしまった。何がどうなってるか頭の処理が追いつかない。私は祝さんの事が……


「あ。そう言えば真桜は公園が好きかも知れない」

「公園?」

「あぁ一緒に行った時も自然が好きって言ってたし」


 祝さんと一緒に行った時に言ってたきがする。でもそれは何でもいい自然ではなく、一緒にいる人と過ごす時間って事なんだけど。ってそんな事は絶対言えない。


「自然とか公園を少し調べてみようかな」

「そうだな。日本には色々と大きい公園もあるからな」

「その……その……その時は一緒に行ってくれますか?」

「ん?あまり遠くない所なら、また一緒に行くか?」

「はい。お願いしたいです……」

「わぁっ……」

「おぉ……」


 言ってから気がついたけど。2人もいたんだった!そんな驚いた顔で見ないで下さい。知ってます。私は今、凄い事を言ってしまったんだ。


「現地に行くって真桜は勉強熱心だな。確かに一度でも行けば記憶に残るし。あ、それでいくと勉強した甘いものを食べれば、その時代について理解しやすいかも知れないな。よし、帰り甘いもの買っていこう」

「…………そうですね」

「いっくんのそれはわざと?この甘い空気どうしてくれるの?」

「平常運転だな。神野君は甘いものは好きでも、甘い空気は分からないんだな」

「2人とも何を言っている?空気は別に甘いとかないだろう?」


 分かってます。祝さんの好きの1番は甘いものだって。


「真桜ちゃん。私とお勉強しよう」

「はい」

「それなら俺も入れて下さい。問題の作り方とかコツがあるなら聞きたいです」

「もう勉強か?なら俺はもう少し羊羹について調べてみようかな」


 このあとは何事もなく勉強を見てもらいました。諏訪さんの教え方はすごく分かりやすくて、今日だけで遊んでいた分を全て取り返せたと思います。




 それから先の試験当日。私は赤点を取る事なく中間試験を無事に突破できました。

陽子「テストどうだった?」

真桜「おかげさまで赤点なしです!ありがとうございます」

陽子「真桜ちゃん頑張ってたもんね。それに引き換えいっくんは……」

祝「社会だけだぞ。それ以外は今回、いい方だ」

陽子「数学満点取れるのに、本当に不思議だよね」

祝「いや、今回は鎌倉時代が来なかったから。くればかなりいい点数取れるんだけど」

陽子「次から範囲の時代の甘いものを調べなさい」

祝「お。そうだな。今回は羊羹から調べたから範囲じゃなかったのか」

陽子「いっくんってさ。いや、なんでもない」

祝「なんだよ。まぁいいけど」

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