第23話 勉強会で勉強しない魔王
東京リベンジャーズ完結!怒涛の5話だった!
マジで良かったです(`・∀・´)不良って最近みないけど。憧れる気持ちは分かるわ〜
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ありがとうございます(*'ω'*)
今日は勉強会。場所はなんと……
「ここが神野さんのお家」
大きいお家です。私の部屋が4つは入りそうです。
「変なところはないかな……」
おばちゃんに貰った手鏡で色々とチェックする。あとはこのチャイムを鳴らすだけ。鳴らすだけなんですが……
「お、押せない……」
今更ですが緊張してきました。神野さんのお家と言う事は、きっとお母さんだっているはずですし。そう言えば妹さんもいるって聞いた事がありました。
「もしかしたら私が変だから、入れてもらえないって可能性も!?」
「それはないと思うから大丈夫ですよ」
「え?」
いつの間に隣に人がいました。
「藤宮さん?」
「こんにちは深淵さん」
「こんにちは〜お姉さん!」
「こんにちは。お隣の方は?」
「僕は妹の桐花だよ。兄がめぇちゃんの家行くって聞いたから、一緒に来たんだよ」
「そうでしたか」
めぇちゃん?
「それより早く行きましょう……よ!」
―ピンポーン
私があれだけ押すのに躊躇ったのに、この方は迷いなく押してしまいました。まだ心の準備が!
「はーい」
「藤宮です。本日は祝君の勉強会に来ました」
「はいはい。聞いているわ。入って」
お、女の人の声がしました!可愛い声だったし、妹さんかな?
―ガチャ
「おう。藤宮来たかって、皆揃っているんだな」
「師匠!」
「ん?桐花も一緒か?おーい、恩。桐花も来てるぞー」
「え?何で来たの?」
「サプライズ!」
「そう。とりあえず入ったら?」
「めぇちゃんクール!お邪魔しまーす」
そう言うと、桐花さんは先にお家に入っていってしまいました。それに続いて藤宮さんも歩いていく。
「どうした真桜?入っていいぞ?」
「お、お、お邪魔します!」
「……」
階段の上から視線を感じたので見上げると、綺麗な女の人が私をじっとみています。
「どうしたのめぇちゃん?」
「じっくり見るのは初めてなんだけど……」
「ん?あのお姉さん?美人さんだよね〜」
「まぁそうね」
「会ったなら挨拶くらいしたらどうだ?」
「いらっしゃい……いきましょう」
「お邪魔します!」
私は何かしてしまいましたか?なんだか少し怒っているようにも思えました。
「私、何か怒られるような事をしましたか?」
「ん?そんな事はないぞ。恩のあれは観察しているって感じだ」
「観察ですか?」
「目的は分からんけどな。それじゃ俺の部屋に行くか」
―ガチャ
「あら。いらっしゃい。藤宮君と……貴女が真桜ちゃんね?」
「はい!深淵真桜と言います!よろしくお願いします……お姉さん!」
「あら。お姉さん?」
「神野さ……祝さんに妹さんがいらっしゃるのは聞いていましたが、お姉さんもいらしたんですね」
「真桜。母さんだ」
「お母様?こんな綺麗な人が?」
「やだ〜凄く良い子じゃない!私は祝の母の恵です。けいちゃんって呼んでもいいわよ?あ。あとでケーキ作って持っていってあげるわね!」
そう言って部屋に戻っていったお母様。ケーキって言ってた?少し楽しみ。
「確かに神野君のお母さんは綺麗な人だよな」
「そうか?どっちかって言うと可愛いじゃないか?」
「自分の母親を可愛いってなかなかいないぞ?」
「別に事実だし」
「神野君はマザコンっと」
「その言い方はやめろ。至って普通だ」
ドアの隙間からお母様がこちらを覗いています。私に気づいてウィンクして、ニコニコしながら部屋に入っていきました。お二人は気づいていないみたいです。
「そうか?俺はそう思わないけどな。深淵さんはお父さんカッコいいって言える?」
「え?お父様ですか?どうでしょうか。会ったのも子供の頃ですし」
「え?一緒に学園に来てた人は違うの?」
「あ、それは……」
「あれは叔父です。お父様は子供の頃に亡くなってますから」
「え?そうだったの?それは……ごめん」
「気にしてませんよ。爺やは私の大事な家族ですから」
「深淵さん……」
なんだかしんみりしてしまいました?どうしましょう……
「立ち話もなんだし。上に行くか」
「はい!私、聞きたい事沢山あるんです!いいですか藤宮さん?」
「あ、はい。なんでも聞いて下さい!」
「真桜の質問は哲学だから覚悟しとけよ」
「え?哲学?社会とか理科の質問じゃないのか?」
神野さんが話を変えてくれたおかげで、しんみりも少しはなくなったかな?やっぱり神野さんは色々と優しいです。
部屋に入るとそこは……
「ゲームか漫画しかないな」
「男の部屋なんてこんなもんだろう?」
「ゲーム?漫画も興味があります。前に貸して頂いたラノベ?って本も面白かったです」
「そう言えばそんなの貸したことあったよね。深淵さんは結局全部制覇してたよね」
「はい!」
「マジか。いつの間に」
異世界ってお話はどこか懐かしく。私のいた世界にとても似ていました。最終的には魔王は倒されていましたが、勇者は何処となく神野さんに似ていたりでドキドキしました。
「お。リメイク買ったんだ」
「そこは鉄板だろ」
「鉄板?食べ物なんですか?」
「違うよ真桜。絶対面白いとかの意味だ」
「そ、そうだったんですね!」
「深淵さんはゲームとかやらなかったの?」
「見たこともないですね。ゲームと言えばチェスと呼ばれる盤面のものしか」
「大人な遊びだね」
大人の遊びなんでしょうか?魔王城には大人しかいなかったからよく分かりません。
「チェスならあるぞ。あとで遊ぶか?」
「え?私は一度もお母様に勝ったことがなく、上手に出来ないと思いますが」
「上手にやる物じゃないさ。楽しければいいんだ。藤宮は出来るよな?」
「まぁチェスはアニメでやってるのを見て、妹がハマってたから。かなりやりこんだなぁ」
「よし。やるか?」
「まぁ少しくらいなら……負けても泣くなよ?」
「っは。俺を誰だと思っている」
あれ?勉強は?って思いましたが、これは空気を読んで一緒にやるべきですよね?
そしてチェスは思った以上に盛り上がりました。
「チェックです」
「何故だ!何故勝てない?」
「藤宮はキング動かしすぎだろう」
「何を言う。キングが動かないと部下が動かないって、かの英雄が言っていたんだぞ?」
「あれはそう言う意味じゃないだろう……だけど、俺も全く歯が立たないとは思わなかったけどな」
「あれだよな。強い人とひたすらやってるから、自分の強さが分からなかったってやつ」
私って強かったのかな?でもお母様には一度も勝てた事がない。爺やとやったりもしてたけど。お母様は弱いって言ってたし。私も弱いとばかり思ってた。
―コンコン
「入るわよ……って、勉強はどうしたの?」
「あーまずはチェスで頭の体操してから?」
「ようは遊んでたのね?まぁいいわ。これ、皆で食べてちょうだい」
これは神野さんのお母様が作ったと言うケーキ!?
「めぐちゃん達にもあげるから、切って来ちゃったけど。これくらい食べれるかしら?」
「余裕でいけます!」
「ふふ。それは良かったわ」
がっつき過ぎて笑われてしましました。恥ずかしい。
「真桜ちゃんも祝と一緒で甘い物が好きなの?」
「はい。たまに神野さ……祝さんと食べに行ってました!」
「あらあら。お母さんその話は聞いた事ないわ〜今度詳しく教えてね」
「はい!」
「いや、言わんでいいから」
「それじゃ、私はこれで。お勉強も頑張ってね」
「はい!頑張れそうです!」
最後まで笑顔で綺麗で優しいお母様です。私もあんな風な女性になりたいです。
そして3人で仲良くケーキを食べました。味は美味しいで終わらせてはいけない程。
「美味かったなぁ……結構でかいかなって思ったけど。気がついたらなくなってた」
「そうですよね!美味しいだけではない。でもその言葉以外何を言えばいいか分からなくなります。これが神の料理と言うものなのかも」
「そりゃ良かった。母さんの料理の中でも甘い物は、どこの店に負けていないからな」
「甘い物好きの神野君が言うんだから、間違いないな。むしろ甘い物が好きな息子のために磨かれた技術なんだろう」
大好きな人の為に磨かれた技術……私もいつか美味しいと言ってもらえるように、もっともっと料理を頑張らないと!
―ガチャ
「師匠!外に出て少しだけ運動しましょう!」
「え?突然なんだよ」
「甘い物が最高すぎて、ペロってあの量を食べちゃったんだ。だけど過剰な糖分は女の子にとって、カロリーと呼ばれる化物に変わってしまうんだ」
「言ってる事がよく分からんのだが?」
「あー桐花。私が説明してあげるから」
興奮気味な桐花さんの代わりに、妹さんのめぇちゃんが説明してくれました。摂取カロリーが高いケーキは、その時は幸せかも知れません。しかし放っておけば体重と言う悪夢に悩まされると……
「なんと恐ろしい……神野さん!」
「「はい?」」
「あー両方神野さんだった。えっと……祝君」
「おふぅ……な、なんだ」
「兄貴キモい声出さないでよ」
「不可抗力だ」
「?」
神野さ……祝君が胸を押さえてます?もしかしてどこか病気でも?心配そうに見ていたら問題ないって言ってた。大丈夫かな?
「私も運動したいです!」
「深淵さん。勉強は?」
「兄!女の子のカロリー問題は、刻一刻と押し寄せてくるんだよ?あとで兄が私の……」
「さぁ外に出ようか神野君」
「藤宮も大変だな」
そう言う訳で皆で外に出る事になりました。
「お姉さん。これ、一応履いて下さい。服の下に履いてもおかしくないですから」
「え?これから運動ですもんね。有り難くお借りします」
「いいの。兄貴が犯罪者にならないようにする予防だから」
「おい恩よ。それでは俺が変態みたいじゃないか」
「そう言っているんだけど?まさかスカートの女子に運動させる気?それって確信犯ですよ?」
「…………」
「もしや過去に?」
「さぁ行こうか皆!」
「お姉さんの安全は私が守ってあげるからね」
家に入った時に睨まれたのは、怒っていないみたいです。祝君が言うように観察していたのかな?さすが祝君の妹さんも親切で良い人です。
「ありがとう。えっと……めぇちゃん?」
「……私は恩です。お姉さんは?」
「これは失礼致しました。深淵真桜と申します」
「敬語はいいです。真桜さん」
「はい!ありがとうございます。めぇちゃん!」
「あの、出来れば恩と読んで……」
「えーいいじゃん。めぇちゃん可愛いよ?ね?」
「はい!とっても可愛いです!」
「はぁ桐花と同じ人種なのね……好きにして」
許しを貰えたので、私もめぇちゃんと呼ぶ事にしました。嫌ならやめますが、照れている様子が見えるので不快ではないみたい。それになんか名前で呼ぶより、めぇちゃんの方が仲良くなれる気がします。
「母さん。ちょっと外に……」
「んぐ!?」
リビングでケーキを食べているお母様と、お隣にいるのは?
「ん?お客様かな?おや、知らない子だ。こんにちは。祝の父の福です。いつも息子がお世話になっています」
「初めまして!深淵真桜と申します!」
「父さん。いたんだ」
「あぁ。祝が友達を連れてくるって恵さんに聞いたから、挨拶しておこうと思ってな」
「仕事しなくていいのか?」
「はっはっは。大丈夫だ。昨日だいぶ稼いだからな」
「順調そうで何より。ちょっと外で運動してくる」
「運動?」
「はい!ケーキ食べたので、カロリーをやっつけに!」
間から桐花さんが理由を話すと、お母様も立ち上がる。
「私もカロリー倒してきます」
「母さん?」
「いや、運動と言っても桐花がいると格闘系になりそうなんだけど?」
「格闘?」
「桐花はこれでも中学の中2部門で日本一なの」
「えっへん!」
胸を張る桐花ちゃんが可愛いです。
「あらそう。ならスパーリング用のグローブとかミットがあると便利ね」
「そんなん。持って……」
「持ってくるわね!」
そう言うと祝君のお母様は、お部屋から何か大きなバックを持ってきました。
「なんであんの?」
「……祝。恵さんの相手をする時は、しっかり腰を落として踏ん張るんだぞ?」
「え?どう言う事?」
「ふふ。いつか子供達とやってみたかったの!準備しておいて正解だったわね!」
「何それ……お母さんって一体?」
「祝、恩。車と恵さんに気をつけるんだぞ」
「「……マジなやつだ」」
勉強会に来たはずなんだけど。チェスをして、ケーキを食べて皆でお出かけする。勉強会って勉強しないけど、凄く楽しい事ばかりあるんだ。
この時は幸せいっぱいだった。その幸せがあんな事になるなんて。今の私は考えもしなかった。
祝「どうしてこうなったんだ?」
恩「私に言われても。お母さんが来るなんて予想も出来ないよ」
祝「なぁ母さんって、格闘技とかやってたか聞いた事あるか?」
恩「ないよ。あ、でもたまにバイクに乗った怖い女の人と話しているのは……」
祝「それは俺も見たな。バイクに乗った暴走族みたいな人が母さんにペコペコしてた」
恵「2人とも置いてくわよ〜」
桐花「早くいきましょう!」
真桜「藤宮さん。大丈夫ですか?」
勇志「今はな。きっとこのあと大丈夫じゃなくなる気がしてならない」
真桜「皆でお出かけ。楽しいと思いますが?」
勇志「そうあって欲しいな」