第21話 いきなりピンチな魔王
新しい漫画やアニメに小説と。色々読みあさって構成とか流れなんか面白いと思うのが多い。
最近チェンソーマン読んだんですが、あのシーンは衝撃だった。。。ばーん∂(´∀`)
読んでくれた皆様!
ブックマーク、評価、いいね。くれた方々も。
ありがとうございます(*'ω'*)
公園デートから学校登校。土曜日が楽し過ぎたから月曜の学校が、少し辛いな〜って感じるこの頃。まだ1ヶ月も通ってないんだけど。
「おはよう真桜ちゃん」
「おはようございます諏訪さん」
いつも通り諏訪さんに挨拶して席に着く。隣の神野さんはまだ来ていない。
「いっくん今日はまだ来てないわね。いつも早いのに」
「もしかしたら、また誰かを助けているのかもですね」
「あーそう言う日か今日は」
「おはようございます2人とも。あれ?神野君はまた人助けか?」
「おはよう藤宮。今度は何をしたんでしょうね」
「おはようございます藤宮さん」
―ガラガラ
諏訪さんと藤宮さんと喋っていたら先生が入ってきた。でも神野さんはまだ来ていない。
「はーい。席着いて〜今日は神野さん以外は皆居ますね」
「先生ー神野は何をしたんですか?」
「今日はおばあちゃんが落ちてきた花瓶に当たりそうなのを助けたって。でもそのお婆ちゃんが驚いて体調が悪くなったと言って、病院に行っているから遅れます。っと病院の医院長から電話がありました」
「もう病院の医院長とコネまで出来たか。さすが神野だな」
病院の医院長のコネはよく分かりませんが、神野さんはこの街を救うヒーローなのかも知れません。クラスの皆様も神野さんは寝坊すると言う選択肢より、誰かを助けているだろうと考える人しかいない。
「ちょっと風強かったからね。いっくんなら落ちてきた花瓶すら壊さずキャッチしてそうね」
「神野君ならやるかも知れないけど。どこから落ちてきたか分からないけど、キャッチ出来るものかな?」
皆で神野さんの話をしていると、そのまま1時間目が終わっても神野さんは来なかった。
「…………」
「そんな外をかぶりついて見てもいっくんは来ないわよ?」
「かぶりついてなんて!?」
「なんか今日の真桜ちゃんはおかしいな〜?」
「私は普通の人……です?」
「なんで疑問系なの?真桜ちゃんは可愛い人よ」
「私なんて!諏訪さんの方が可愛いです」
「ありがとう。あ、誰かいるわよ」
「え!」
外を見ると誰かが校門をよじ登っている。
「あんな事するのはいっくんだけね。校門の横に扉があるのに、わざわざよじ登らなくても」
「神野君来たの?」
「門をよじ登ってるのがそうでしょう。あんな事したら見つかって怒られるのにね」
「警備の人が慌ててるね」
「朝から話題に尽きないわね」
門をよじ登って警備員さんに頭を下げてる神野さん。クラスの皆が窓から見守っている。
―キーンコーン……
「あ。チャイムだ座ろう」
走って校舎に向かう神野さん。私に気づいて手を振ってくれる。私はそれに振り返す。
「随分と仲良くなったのね……」
誰かが何か言った気がして振り向いたけど。席に戻る人の中で誰が言ったかは分からなかった。
―ガラガラ
「小テスト返すぞー。深淵も座れー」
先生が先に到着しました。
―ダダダ……
「はぁーやっと着いた」
「ん?神野はまた人助けか?」
「あーそんなとこです」
「そうか。なら早く座れ」
先生の間でも神野さんの人助けで遅れるのは公認なんだね。
2時間目は数学。さっき言われた小テストが返却される。
「悔しくも今回の満点は2人だ」
「悔しくもって先生……」
「俺達に満点取らせない気満々じゃないですか」
「……神野」
満点なんて神野さん凄いです。あの問題はかなり難しかったのに。
「それと深淵」
「わ、私!?」
「神野君なら分かるが、まさか深淵さんまで数学変態だったなんて……」
「数学変態とかなんだし」
「どう言う事なんでしょう?」
「あの問題は時間をかければ出来るだろうけど。応用に計算が多いから、関先生の問題で満点取る人はそう言う称号があるんだよ」
「なんだそれ。称号ってそんな嬉しくないものあんのか」
「称号ってかっこいいね。なんか強くなれるような気がするね!」
「真桜ちゃんは純粋で可愛いね」
何故か諏訪さんに頭を撫でられる。称号とかあるだけで強くなれそうだし、カッコいいと思うのんだけど。
そして数学の授業が終われば次は体育。更衣室に移動して体育着に着替える。
「真桜ちゃん……どうしたらそんなスタイルに?」
「そんなじっと見られると恥ずかしいよ。何かどこかおかしいところある?」
「あるわ」
「え!?」
何がおかしい?角は隠してあるはずだし、翼も出てないよね?すると周りの女子達も頷く。
「まずはその脚!細くて長い!」
「「「確かに!」」」
「細長いって確かに変だね……」
「腕だってすらっとしていて、指先だってものすごい綺麗じゃ……少し絆創膏は見えるけど」
「「「た、確かに!」」」
「お料理してたら、皮剥きで切っちゃって」
「そしてその胸!形がいい上に大きい!」
「「「確かに!!!」」」
「胸って大きい方がいいものなの?」
諏訪さん中心に皆が私の変なところをいってくるt。変だと言われてしまうと、凄く気になってきた。
「それに整った顔に、ふんわりした性格。何から何まで完璧すぎて変だわ!」
「「「確かに!」」」
「完璧って?変なんじゃないの?」
「簡単に言えば可愛すぎるの。ことわざで天は二物を与えないって言葉があるんだけど。二つじゃ収まらないギフトだよ」
「よく分からないけど。褒めてくれているの?」
「そうよ!」
「あ、ありがとう」
クラスの皆のテンションがよく分からない方向へと進んでいる。服を脱いだままだと恥ずかしいし、肌寒いからさっさと着替えてしまう。
「体育着の破壊力が……」
「出るとこ出ていて、綺麗なラインが浮き彫りになる」
「皆、今日変だよ?なんで今更そんな話に?」
「なんか深淵さん。今日はなんか特別キラキラしている気がするんだよね」
「キラキラ?」
「この休みに何かあったでしょう?」
「何か……」
土曜日に神野さんとお出かけしたのを思い出す。楽しい事がたくさんあったし、最後は私を守ってくれるヒーローみたいでカッコよかったな……なんて思い返していると、恥ずかしい事をたくさん思い出して顔が自然と赤くなる。
「な、何があったの?顔赤いよ?」
「へ?あ、別に何もないです!」
「これは何かあったわね……」
「大人しく吐いた方が楽になるわよ?」
「え?え?」
皆が私にジリジリと近づいてくる。その手をわきわきするのはどう言う事?
「者ども!身体検査よ!」
「えい!」
「ひゃ!?」
「なんだこの弾力……これが天が与えたギフトだと言うのか」
「意味わからないんですけど!?」
結局、私はいろんな人に揉みくちゃにされました。これがこの世界の流儀だと言うのでしょうか。お話は楽しかったけど、体育をする前からどっと疲れた。
そして土曜に神野さんとお出かけした事は話してしまった。別に内緒にしていた訳じゃないけど。なんか自分から言うのは照れくさかった。
「深淵はどうして始まる前からボロボロなの?」
「着替えって戦いだったんですね」
「いや、そんな事は無いと思いますけど」
そんなこんなで授業は始まり、準備運動諏訪さんと一緒にやっている。
「意外だな。いっくんが甘い物巡り以外に出掛けるなんて」
「そうなんですか?甘い物も食べましたけど」
「公園でしょう?自然を愛でる事はないと思ってたけど」
「自然は私が好きだって話をしてたら、大きい公園があるって言ってくれたので」
「真桜ちゃんの為にって事か」
「神野さんは優しいですよね」
「そうね。優しいのはそうだけど…………真桜ちゃんのとは違う」
「ん?何か言いました?」
「押すよ〜って」
「イタタタ!もう曲がらないですー」
脚を開き、背中を諏訪さんに押してもらっているけど。びっくりするくらい曲がらないと言われました。
「真桜ちゃんって体硬い?」
「人ってそんな曲がらないですよね!?」
「なんか私が意地悪してるみたいじゃん。ちょっと私がやるから背中押してくれる?」
「はい」
同じく脚を左右に開いた諏訪さん。さっきちょっと痛かったから仕返しだとゆっくり押していって、痛いと言われても少し押し続け…………
「ゆ、床に着いちゃってますよ!?え?私は諏訪さんの背中を折ってしまったんですか!そんな力は入れてないのに!?」
「どうしたの深淵さん」
「諏訪さんの背中が折れました!?」
「ふふ。何言ってるの?諏訪ちゃんは体が柔らかいだけだよ」
「あんまりこの状態だと喋りにくいけど。これくらいは出来るはずなんだけど?」
クラスの子が言うには諏訪さんは特別柔らかいらしい。そしてもう一度私がやりましたが、皆から驚かれるくらい硬いらしい。
「いつまでストレッチしてる?2人組でパス練習から始めるんだよ」
先生に言われてバスケットボールを出してきて、私のペアは諏訪さん。バスケは少し触った事があるので大丈夫!
「それが終わったらチーム組んで試合やるよ。ビブスはじゃんけんで負けた方が着なさい」
この前は制服ですし、靴も履いてなかったから動きにくかった。今度こそ神野さんみたいにあの輪っかに決めて見せます!
試合開始の合図で私の元にボールが飛んでくる。
―ゴス
「かはぁ!?」
「パスを顔面!?大丈夫深淵さん!」
試合1秒で私は保健室に行く事になりました。
付き添いは諏訪さんが来てくれてます。
「鼻血は止まったかな?」
「ばい……ごめいわぐを」
「天は二物って話はしたけど。真桜ちゃんって運動苦手?」
「どうでしょうか。家にいた頃からあまり走ったりしていた記憶はありません」
「そう言えば体力皆無だったね」
そう。魔王城では危ないから外で遊ぶなんて事は、周りが許可してくれないからやっていない。
それにボールと言うものはこの前買いに来てから初めて触ったし。レベルは上げなきゃとダンジョンに行った時も走ったりせず、最後のトドメを魔法撃っていたくらい。運動と呼べるものはこの世界の学校へのダッシュくらいである。
「どうする?授業に戻る?」
「はい。幸いマスクもあるので、これも見えません」
鼻に詰め物をしている姿を誰かに見られるのは、絶対に避けたい。特に神野さんには見られたくない。
「そう?無理しちゃダメよ?」
「あ、ジャージ着替えないと。でも着替えてたら次の授業遅れちゃいます……」
「私が先生に言っておくよ」
「そうだ。このままで授業は出席出来ますか?」
「出来ると思うけど。その格好の破壊力で男子陣が騒がないかしら?」
「破壊力?」
諏訪さんの言う破壊力が何か分からないです。時間は惜しいのでとりあえずこのまま魔教室に戻る事にした。
「深淵さん大丈夫?」
「ボールぶつけちゃってごめんなさい!」
「あれは私が悪いので。それにどこも怪我してませんから」
―ザワザワ……
クラスの人、特に男子からの視線が?
「あのスタイルは反則だぞ」
「いつもの制服とは違う色気が……なぁ神野?」
「何故、俺に振る」
「そりゃ〜なぁ?」
「別にジャージくらいで驚きはしない」
「私服見てる仲だしな〜」
男子が何やら色々と話しているのが聞こえてくる。そんなジャージ姿は目立つのでしょうか?
―キーン、コーン……
「ほら。4限始めるぞ。騒いでいる原因h……深淵か?」
「すいません。少し怪我をして、着替えていると授業に間に合わなかったので」
「そうか。始めから授業に出たいと言う姿勢はよし。授業に集中出来ない馬鹿どもがいれば廊下に立たせるか」
そうして始まった4時限目の英語。先生はスタイル抜群でかっこいい先生。言葉は少し乱暴な気もするけど女子には優しい。結果として数名の男子が廊下に立たされていた。私だけジャージって目立つのかな?
昼休み。私は目立たないように制服に着替えて、諏訪さん達と教室でお昼を食べる。
「それにしても真桜は真面目だよな。少しぐらい授業遅れても天野様なら許してくれるだろうし。特に真桜には」
「そうだね。でも天野様授業って無駄な部分はほとんど無いから。始めから受けたいって気持ちは分かるな」
「諏訪さん。天野様って?」
「なんか天野様って凄くカッコいいでしょ?王子様ぽいと言うか」
「確かに」
神野さんも諏訪さんもそう呼んでるなら、私もそう呼んだ方がいいのかな?カッコいい王子様って言うのも納得できるし。あれ?そうなると神野さんも様付けにしないと?
「……神野様?」
「やめてくれ」
「でもカッコいい人はそう呼ぶものなのでは?」
「マジで……その、やめて頂きたい」
「あ。いっくん照れてる。真桜ちゃんにカッコいいとか思われてるの嬉しいんだ」
「…………もうすぐ中間テストだし。授業はしっかり聞かないとな」
「話題変えるの下手か!まだまだ先じゃん」
諏訪さんが神野さんを揶揄って、突然聞いた事ないワードが出てきた。
「中間テスト?」
「そうだよ。毎年、連休明けで2週間前だったかな。今まで習った範囲から5教科でテストするの。1年生の復習とかもあるかもね」
「連休明けで遊び疲れてテスト前とか。酷い予定だと俺は思う」
「それはいっくんが、ここぞと甘いもの巡りをするからでしょ」
「連休限定の出店やメニューが出てくるからな」
5教科のテスト?そんな授業についていけてないのが、まだまだある中にさらに1年生の復習?私、まだ全然追いつけてない。
「それがもし点数悪いとどうなるんですか?」
「テストの点数悪いと追試とか、年間でボロボロだと留年の可能性もあるくたいかな?」
「追試?留年?って?」
「真桜の前の学校はなかったのか?追試は休み潰されてもう一回試験をやったり。留年は進級できずにもう一回2年生をやるって事だけど。去年はこのクラスから留年はいなかったな」
そう言えば初めて紹介された日に、理事長先生が皆進学できておめでとう。って言ってた気がします。
「留年したら、初めましての人達と一緒だから。割としんどそうだよな」
「そうね。一つ下の人と授業を受けるのもそうだけど。一緒に卒業出来ないのは寂しいよね」
なんと言う事でしょう……一緒にお出掛けして浮かれている場合ではなくなりました。私は学校を知らなすぎる……
「神野さん、諏訪さん!どうしよう!」
「そんな慌てる事か?あれだけ数学解けるなら、あとはなんとかなりそうだけど」
「私、数学以外はあまり自信がありません。歴史はほとんどわかりません」
「安心しろ。俺も歴史はさっぱりだ」
「いっくんいつも赤点ギリギリだもんね」
「過去は振り返らない事にしている」
「出来ない人って、そう言うよね。英語なら日本で生きてくとか」
「英語は出来るぞ。外国語を使う店主の店も行く事あるからな」
「どうしよう!外国語の店主さんのお店にいけないです!」
「そんな目的はいっくんだけだだかよ。真桜ちゃんパニック?」
パニックです。どうしよう。いつもの生活が楽しすぎたせいで、最近学校について学ぶのを疎かにしてました。
楽しい気分から一転。私、ピンチです!!!
真桜「私、2人と一緒に学校に通いたいです!」
諏訪「まだ中間だよ?まだ焦る時間じゃないと思うけど」
真桜「諏訪さんはお勉強も得意なんですか!?」
諏訪「別に得意と言う訳ではないんだけど」
真桜「私!諏訪さんみたいな可愛くてかっこいい女性になりたいです!」
諏訪「落ち着いて真桜ちゃん。言葉が支離滅裂よ?それに真桜ちゃんは可愛いから」
真桜「可愛いのは諏訪さんですよ!」
祝「女子のあのお互い褒め合うのはなんなんだろうな」
藤宮「突然振るなよ……ふむ。カッコいいよ神野様」
祝「その割にしっかり会話聞いてるんだな。キモい」
藤宮「キモいは酷くない?神野様」
祝「それやめれ」