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生きたい魔王と逝きたい勇者  作者: みけな
第1章 出会う2人の道
19/52

第19話 自信満々で強引な魔王

眠い。1時過ぎに小説を書いていたけど、頭が働かない。

朝早く起きて書こう!って事でいつも通り起きるって言う(・∀・)


読んでくれた皆様!

ブックマーク、評価、いいね。くれた方々も。

ありがとうございます(*'ω'*)

 公園に来てから変な人に絡まれて、少しだけ怒ってます。だけど神野さんは助けてくれるので嬉しいと思う事もあります。


「そろそろ何か食べようか。あそこに売店もたくさんあるし」

「ついにこの時が……あ。バスケット?」

「これか?」


 結局ボートおりた後も神野さんに持ってもらっていたみたいだ。私ってば、スマホに夢中で色々とやらかしている。


「ご、ごめんなさい!また持ってもらってしまって!」

「別に構わないよ。爺やさんにも任されたし、荷物は男が持つもんさ」


 気持ちは切り替えましょう!優しい神野さんに甘える形になってしまいますが、私の見せ場はこの後です!


「こほん。ついにこの時がきました」

「お、おう」

「このバスケットの中身はお弁当なんです」

「おお!準備がいいな」

「朝早く起きて作りました!」


 私と爺やが。


「真桜が作ったのか?それは楽しみだ。それならどこか座れる所を探そうか。パンフにそれっぽい所が書いてあるから行こうか。真桜」


 神野さんが手を差し出してくる。私は迷う事なくその手をとる。


「いや、その……バスケット持とうかと」

「ひゃ!?ごめんなさい。私ったら……」

「これは俺が持つな?」


 バスケットを渡す。恥ずかしくて空いた両手で顔を覆う。


「…………真桜」


 指の隙間から神野さんを見ると、手を差し出している。え?私はもう何も持ってないですよ?


「今度は手をだな……」

「はい!」


 思い切り両手でその手を掴む。


「あーうん。転ぶと危ないし……な」

「お、お願いします。逸れると大変ですから」


 お互いに言っている事は違うけど。ただの照れ隠しです。神野さんと繋ぐ手を離さないよう。私は隣を歩く。




 数分歩くと広い原っぱが見えてきた。


「ここは静かですね」

「大きい原っぱの所は、遊んだりする人が多いから。食べるなここが落ち着いていけるかなって」

「そうですね。ではここで食べましょう」


 バスケットを開けると1番上に敷物。私はそれを取り出し原っぱの上に敷く。


 ―ふわぁ


「おっと。重しは……靴でいいか」

「こっちは私が置きます」


 風で敷物が捲れないように靴を置く。そして真ん中に置かれたバスケットの中からいくつかのお弁当箱を出す。

 ピンク色のは……あれ?どれに何入れたっけ?まぁ全部開ければ分かるか。


「これは……」


 最初に開けたピンクのお弁当箱には。


「りんごだな」

「そっか。ピンクはデザート。それじゃ黄色いが……」

「お。卵焼きと唐揚げか。どっちも美味そうだ」

「そして白いのはおにぎり!」


 順番は間違ったけど。問題はそこじゃない。そしてバスケットの中にあるお手拭きと水筒を出して準備完了!


「あー見てたらお腹がさらに減ってきた。これ食べていいか?」

「はい!でも手は拭いてからですよ」

「ありがとう。さてどれから食べようか……やっぱり卵焼きだな」


 ―ガリッ


「…………。真桜の家は甘い卵焼きなんだな」

「うん。やっぱり甘い方が美味しいから」

「俺も甘い方が好きだぞ。お寿司の玉子は今も食べるしな」


 ―ガリッ


 さっきから卵焼きを食べる音ではない?ガリって音が聞こえるような?音がなった後に神野さんが止まっている。


「俺の家は妹と父さんは、しょっぱい方の卵焼きが好きだから。甘い卵焼きは中々食べる機会は少ないから美味しかったよ」

「本当!?朝早く起きて頑張って良かった」

「次は……唐揚げなら大丈夫だよな」


 ―ジュジュ……


 あれ?唐揚げは二度揚げでサクサクにしてたはず。


「ジューシーな唐揚げだよな。冷めても美味しいって唐揚げは偉大だよなー」

「下味は……爺やの特性のタレを使っているから」

「ふむ。爺やさんは料理できるんだな」

「爺やは料理上手よ。ホットケーキもとっても美味しいんだよ」

「それは是非食べてみたい」


 私も見ているとお腹が空いてきた。いつも食べてる料理だけど、今日は外で食べているし何より目の前には神野さんがいる。


 ―ガリ


 この卵焼きはいつもより甘いわ。それに時々固い食感はなんだろう?爺やの卵焼きにはない食感だなぁ。そして唐揚げも一つ食べる。


 ―ジュジュ……


 こんな油が溢れる食べ物だっけ?味は爺やの特性のタレが効いてて美味しいと思うけど?


「神野さん。これ美味しい?」

「ん!?あ、あー美味いぞ。卵焼きは俺好みの甘いのだし。唐揚げもハンバーグかと思うくらいの油……肉汁が溢れてくるからな」

「そっか。初めて人に作ったんだけど。美味しいなら良かったよ」

「初めてなのか?形が崩れたりしないで作るのに凄いな。初めてってもっと不格好なイメージがあったんだけど」

「爺やが横で指導してくれてたからかな?時々だけどどこか遠くを見ていた事もあったけど」

「…………そうか」


 ここに来るまで色々あったから形が崩れているかと思ったけど。おにぎりはちゃんと三角になっている。


「はい。おにぎり食べますか?」

「ありがとう。これまた綺麗に握ったな。さて、中身はなんだろうな」

「中身は……」

「おっと。おにぎりの中身は食べて分かる方が楽しいんだ。言わなくていいんだぞ」

「そうなんだ。今度は色んな種類を用意出来るようにしておくね」


 神野さんは大きな口でおにぎりを一口。


 ―ボリ


「んぐ?ボリ?…………たくあんだな」

「ハグハグ……ん。私のはミートボール」


 ―パキッ


「今度はソーセージだ」

「私は納豆だ。なんか何が出てくるか分からないって、ドキドキして面白いね」

「そうだな。レギュラー陣が出てこない事に俺はびっくりしている。しかしこれもまた美味いな。今度やってみようかな」


 食べる度に神野さんは驚いた表情をする。一心に食べてるから不味い事はないんだと思う。むしろ次の具が気になっておにぎりはあっという間になくなってしまった。


「んぐ!ん!」

「あわわ。そんなに慌てて食べるからですよ。はい。お茶です」

「ゴクゴク……ぷは!助かった」

「ふふ。そんなにがっつかなくても大丈夫なのに」

「次は何かなって気になってな。俺ばかり食べてすまん」

「いいの。私は2個でいっぱいだから。喜んで食べてくれたなら嬉しいよ」

「結局はたくあん、ソーセージ、味噌きゅうり、タコワサってラインナップが予想をはるかに越えて楽しく食べれたわ」

「おにぎりは簡単だし。面白い食べ物だったんだね」

「真桜が作ったものだからな気もするけどな」


 残りのおかずも全部食べて、お腹も満腹だ。何か飲みたいなぁ……


「ん?あ、お茶か。俺が入れるよ。はい」

「ありがとうございます」


 ―ゴクゴク


 はぁ〜喉に染み渡ります。


「あー……」

「ん?」


 神野さんが私を見ている。何か言いたそうだけど?


「あ。神野さんもお茶飲みます?はい。どうぞ」

「あ、ありがとう」


 神野さんはお茶のカップを見つめた後、少しだけ回して一気に飲み干す。


「ふぅ……こんなの気にするの俺だけか?」

「おかわりいります?」

「いや。もう大丈夫だ。ありがとう」


 平気そうだから私ももう一杯飲もうかな。何故か飲む時に神野さんがじっと見てくるけどなんだろう?まぁいいかとお茶を飲んで蓋をしてバスケットにしまう。


「お腹いっぱいだね」

「あぁ。少しゆっくりしたいな」


 神野さんは敷物の上に寝転ぶ。


「本当は食べてすぐに寝るのは牛になるって言うけど」

「神野さん牛になってしまうのですか!?」

「いやいや。本当になるわけじゃないって。なんでかは知らないけど婆ちゃんが言ってた」

「牛ですか……でも気持ちよさそうですね!」


 私も神野さん横に寄り添うように寝転がってみる。


「空の中にいるみたいです」

「街の建物とか視界に入らないからな。なんか手を伸ばせば雲を掴めそうに感じるな」

「はい。なんか凄く……気持ちが良いです」


 地面に寝そべって空を見るって、こんなに気持ちがいいものだったんですね。目を閉じれば子供がはしゃぐ声がします。時々動物の鳴き声や風に木々が揺れる音。こうしてみなければ分からなかった色々なものがここにはあるんだなぁ。




 そして私は目を開けると、そこには神野さんが見えます。


「お弁当作るのに朝早かったもんな。気分はどうだ?」

「なんかフワフワします〜」

「はは。まだ真桜は夢の中か?」

「夢の中〜?…………っは!」


 急いで体を起こす。もしかして私、眠っちゃってた?


「どれくらい寝てました?」

「ん?今は14時前だから2時間くらいか?」

「ごめんなさい!せっかくのお出かけなのに!」

「そんな気にする事はない。公園で寝るって気持ちいだろ?それも立派に楽しんでる証拠だ。それに寝顔も見れたから俺は儲けものだって思ったぞ?」

「ひゃー!私、変な事してない?」

「変な事ってなんだし。別に可愛い寝顔だったぞ」


 ヨダレは出てなかったよね?私は寝相悪いとかないけど。それよりも寝顔見てたって、なんかものすごく恥ずかしくなってきた。


「起こしてくれても良かったのに」

「気持ちよさそうだったからな」

「神野さんも寝ませんか?」

「俺か?俺は昨日ちゃんと寝てきたから。寝ないぞ」

「なんか私だけ寝顔見られてずるいです」

「はは。そう言われてもな」

「そうだ!寝ましょう今から!」


 私は座り直して足を叩いて神野さんを呼ぶ。


「それって……」

「雑誌とか漫画に載ってました!男の人が女の人の足を枕にするってやつです」

「いや〜それは流石に恥ずかしいんだが」

「私だけ恥ずかしいってずるいです。さぁ来てもらいますよ。何事もやらなきゃ分からないです」

「真桜って時々大胆だよな……」

「神野さん〜」

「あーもう。分かったよ」


 ―ポスッ


 神野さんが観念した。私の足に頭を乗せてくれる。髪が当たって少しくすぐったいです。


「さぁ寝て下さい」

「寝れないって……」

「むぅ。それじゃ目を瞑って下さい」

「はいはい」


 寝ている訳ではないけど。上から神野さんを覗く感じは新鮮。と言うか初めてやったけどこれはなんか……恥ずかしい!

 でもでも私からやろうって言ったんです。そんな今更恥ずかしいから退いて欲しいなんて言えない。


「神野さんってこう言う事やった事あります?」

「ないない。出かけるのだって妹が多いからな。妹に膝枕とか絶対やらない」

「そうですか。それじゃ初めての膝枕は私なんですね」

「そうなるな。満足か?もう退いてもいいか?」

「ダメです。私が満足するまで!」

「真桜って意外に強引なところもあるんだな」


 私が強引なのは神野さんにだけですよ。



 ……なんて言えないから私はそっと神野さんの髪を撫でる。寝顔は見れないけど。照れて何も出来ない神野さんは私しか知らない顔。今はこれで満足しておこうかな。

祝「寝ちゃったか。まぁ朝早かったって言ってたしな」

大人①「危ない!」

祝「っと!フリスビーか。公園の定番だな」

大人①「すいません!」

祝「しー。次は気をつけ下さいね」


祝「公園で寝るって以外に危な……」

子供①「あぁ!」

祝「ほい!今度はキャッチボールか」

子供①「ごめんなさい!」

祝「しー。今度はちゃんとキャッチするんだぞ」


祝「公園ってこんな危険な場所だったのか?これは俺も寝るとか出来ないな。真桜は俺が守らないと」

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