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とりあえず転生しよう

転生する前の地獄から出る時のお話です。

「あー、そろそろ飽きてきたな」

地獄の底で元魔王アバド・フォルスは呟いた。

『飽きた……じゃと?』

それを聞いていたのか、地獄の管理をしているハーデスが話しかけてくる。

『アバド。貴様百年間この地獄にいてよくそんな事を言えるな』

「え、だって本当の事だし」

余裕な態度をとるアバドを睨みつけるハーデス。

『飽きたと言うが、だったらどうするというのだ? まさか、ここから出て蘇るつもりじゃあるまいな』

「ん。そのつもりだけど?」

アバドは悪びれず堂々と言う。

『……どうやら懲罰室にまた閉じ込められたいようだな』

ハーデスが右手に持っていた杖を振る。その瞬間、アバドの周りを黒い壁が覆う。

「まーた封印魔法か」

アバドがつまらなそうに言う。

『ふん。その余裕そうな態度、気に食わん。が、まあいい。この中にいたらいくらお前でも何もできまい』

「出来るけど?」

『なに?』

「破壊魔法、『メイスノート』」

アバドが壁を殴る。すると、ハーデスの作った懲罰室を粉々に破壊する。

『なっ…! 馬鹿な、何故!』

「んー? あれ、気づいてなかった? ここに来た時からずっと魔力の補充してたんだよねー」

ハーデスが驚く。

「さて、じゃあそろそろいくわ」

アバドは背中から羽を出し地獄を出ようとする。

『待て!』

ハーデスが叫ぶ。

「なに? 俺これから忙しくなるから早く行きたいんだけど」

アバドが振り返る。

『一つ聞きたい。何故ここまでしてこの地獄から出ようとするとする? 人間達に復讐でもする気か!』

「は? そんなことするわけないじゃん」

『なら何故!』

はぁ、と小さくため息を吐きアバドはめんどくさそうな顔をしながら言った。

「俺より強い奴と戦いたい。ただそれだけだよ」

『……は?』

ハーデスが言葉を失う。

「なんだよハーデス。俺と百年一緒にいたんだから分かってると思ってたが」

『ふ、ふざけるな! そんな事でこの地獄から抜けだそうというのか!』

「そうだよ。そろそろ世代交代して面白いくらい強い奴が出てきてるかもしれないからな」

当たり前のように言うアバドにハーデスはまた言葉を失ってしまう。

「もういいだろ。じゃ、俺行くから」

超加速で出口まで飛ぶアバド。

『ま、待て! まだ話は終わってない!』

ハーデスを無視して、出口の扉を開けた。

光がアバドの身体を包み込む。

「おお! これが転生の光か! 楽しみだ、百年の時を経て人間がどれだけ成長したか見てやろう! はーはっはっは!」

そうしてアバドは人間、アーシュ・クロムボルトとして生まれ変わるのだった。





初投稿な為優しい目で見てください。

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