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生命ーいのちー  作者: ヒロっぴ
6/8

ダブルデート






受験も終わり、落ち着きを取り戻した頃、宣言通り友子は『いい男』をゲットしていた。





とはいえ、優子の恋人高志に紹介してもらったのだが……





安田信一郎。






高志の後輩で、最も信頼できる人物だと高志は言う。







学生時代から二人の信頼関係は続いており、今は高志の父親が経営する会社で一緒に働いていた。




上司と部下という関係ではなく、信頼できるパートナーであり、ライバルでもあった。





ライバルとはいえ、対等の関係で信頼を築こうとしている高志に対して、信一郎は高志をリスペクトしていることが見てとれた。





そんな信一郎を高志が連れてきたのは、優子のバースディパーティーだった。





優子は生まれてこの方バースディパーティー等というものを開いてもらったことはなく、せいぜい子供時代に誕生日会を開いてもらったくらいだ。





招待された友子もそれは同じで、高志主催の豪華なパーティーに、二人して目を白黒させていた。




そんなパーティーで、高志が連れてきたのが信一郎だった。




友子は優子から、信一郎は高志から、それぞれ親友の話としてしょっちゅう話題にのぼるので、お互いに興味を持っていた。



それもあってか、高志に紹介されて初めて会った時から意気投合し、お互いに連絡先を教え合ったと思ったら、いつの間にか交際していたのだ。






 『なんか、最近ぜんぜんユウコと遊んでない気がする。』





『あ、それ私のセリフだよ。』







久しぶりに電話で話しているとき、そんな話になった。





『まー、お互いデートで忙しいからねー。』




『べ、別にそーいう訳じゃ……』




優子は弁明しようとするが、実際会えていないのは事実だった。




優子も友子も、それぞれの課題で忙しいらしく、たまに時間が出来ると、どうしてもデートを優先してしまう。




それを友子は『デートで忙しい』と言ってからかったのだ。





『じゃあさ……今度ダブルデートしない?』




『ダブルデート?』





『そう。高志さんと信一郎さんて同じ職場だから、基本的に休みは一緒でしょ?』





『そうだけど……』





『なぁにぃ~?私達と一緒だと、チュッチュッしながらデートできないから嫌なの~?』




『べ、べべ、別にそんなしょっちゅうチュッチュッしてないから!』




『じゃあ、いいじゃん。』





友子にからかわれて動揺した優子だったが、ダブルデート自体は楽しそうだなとは思った。

しかし、高志の前でデレた姿を友子に見せるのが恥ずかしかったのだ。




まぁ、何度も見せてその度にからかわれてはいるのだが、一日一緒となるとどれだけからかわれることか……




『あ、でも……』





見たことない友子が見られるかもしれない……



そしたら、からかってやろう……





優子はそう思ってクスッと笑った。





『なぁに?』




『ううん、なんでもない。

ダブルデート楽しみだね。』




友子は一瞬怪訝な顔をしたが、





『じゃあ、高志さんから信一郎さんに言ってもらってね。』




と言って、いたずらっぽく笑った。





『ど、どうして高志さんから?』





『だって、優子達の方が付き合い長いじゃない。私達はまだ付き合いたてのホヤホヤだから、経験豊富な先輩にお願いする訳よ。』





『け、経験豊富って……』




『まー、まー、細かいことは気にしない。』




『もうっ!』




仕方なく、優子からダブルデートの提案をすることになってしまったのであった。



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