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生命ーいのちー  作者: ヒロっぴ
5/8

ー2ー







『それで?』



友子に問い詰められ、優子は『それでって?』と、首をかしげた。




『だから、どこまで行ったかって聞いてんのよ。』





『えーと、渋谷のなんとかって映画館?』




『そーじゃなくて、キスくらいしたかって聞いてんの!』





友子はいつものごとく、優子の頭を脇に抱える。





『えーっ!初デートなのにそんな訳ないじゃん。』





ジタバタと、優子は反論した。





そんなことを言う友子自体が、まだ男性と付き合ったことも無いことを優子は知っている。




『ほんとー?』




『ほんとだもん!高志さんはいきなりそんなことしないもん!』




優子を脇に抱えて揺すっていた友子はピタッと動きを止めた。





そしてそのまま上から優子の顔を覗く。





『高志さん~?』



『あっ!』




優子はシマッタという顔をした。




『あんた達、もう名前で呼びあってるの~?』




意地悪く友子が薄ら笑いを見せる。




『ひっ!』





次の瞬間、友子は優子をパッと離すと、




『あははは……』




と、笑いだした。




『ユウコ?』



優子が心配顔で見ると、友子は『ごめんごめん。』と言って手を振った。




『いやー、あんた達、初めて会った時の雰囲気から、絶対運命だなと思ってたのよ。』



『ユウコ……』



『だから、初デートでエッチしたって驚かなかったわよ。』




『そ、そ、そんな……』




『だ・か・ら・、名前で呼ぶのなんか、想定のうちってことよ。』




友子はそう言ってウインクした。





『良かったわね。いい人と出会えて。』




『ユウコ……』




優子は嬉しくて泣きそうになった。




『ありがとう……』





『さて、私も負けてられないから、どっかでいい男引っかけないと!』



『うん!』





優子は力いっぱい頷いていた。





.



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