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『それで?』
友子に問い詰められ、優子は『それでって?』と、首をかしげた。
『だから、どこまで行ったかって聞いてんのよ。』
『えーと、渋谷のなんとかって映画館?』
『そーじゃなくて、キスくらいしたかって聞いてんの!』
友子はいつものごとく、優子の頭を脇に抱える。
『えーっ!初デートなのにそんな訳ないじゃん。』
ジタバタと、優子は反論した。
そんなことを言う友子自体が、まだ男性と付き合ったことも無いことを優子は知っている。
『ほんとー?』
『ほんとだもん!高志さんはいきなりそんなことしないもん!』
優子を脇に抱えて揺すっていた友子はピタッと動きを止めた。
そしてそのまま上から優子の顔を覗く。
『高志さん~?』
『あっ!』
優子はシマッタという顔をした。
『あんた達、もう名前で呼びあってるの~?』
意地悪く友子が薄ら笑いを見せる。
『ひっ!』
次の瞬間、友子は優子をパッと離すと、
『あははは……』
と、笑いだした。
『ユウコ?』
優子が心配顔で見ると、友子は『ごめんごめん。』と言って手を振った。
『いやー、あんた達、初めて会った時の雰囲気から、絶対運命だなと思ってたのよ。』
『ユウコ……』
『だから、初デートでエッチしたって驚かなかったわよ。』
『そ、そ、そんな……』
『だ・か・ら・、名前で呼ぶのなんか、想定のうちってことよ。』
友子はそう言ってウインクした。
『良かったわね。いい人と出会えて。』
『ユウコ……』
優子は嬉しくて泣きそうになった。
『ありがとう……』
『さて、私も負けてられないから、どっかでいい男引っかけないと!』
『うん!』
優子は力いっぱい頷いていた。
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