護衛~出発編
ようやく、『護衛』として出発する日になった。
2頭立ての馬車に乗っているのは、女性使用人、『デライラ嬢』、パリーの3人だ。
ちなみに、パラブラス卿は、御者を務めている。
勿論、私とBJは、騎乗。アムは、徒歩。ミンゴの姿は見えない。隠れているからだ。
「天気が良くて、助かりますね、パラブラス卿。」
「そうですね。雨具程度なら、準備もしております、が、晴れの日は、貴重です。そろそろ、出発しますよ。準備は、大丈夫ですね。」
後半を馬車の中に向けて話すパラブラス卿。
「はい。出発して下さい。」
馬車の中から、女性使用人の声が、通って出てきた。
「では、出発しますよ。ユーロック卿。」
「はい、パラブラス卿。……出発するぞ、BJ、アム。」
「おう。相棒。」
「よし。ウィル。」
* * *
本来なら、街から出る際にも、手続きが必要だ。
が、パラブラス卿が、事前に根回しをしていた上、『侯爵』の名前のお陰で、すぐ通れた。
勿論、馬車には、『侯爵』の『紋章』が、でかでかと飾られている。
当然、街の者であれば、国旗に等しい知名度であり、見れば分かる物だ。
「ウィル、お時間宜しくって。」
街の門をくぐったあたりで、唐突に『遠隔通話』で、パリーの声が、脳内に届けられた。
「何の用だ。パリー。」
「『デライラ嬢』が、ウィルに逢いたいそうですわ。」
「……彼女は、『侯爵』の『愛人』になる『意味』を理解しているのか。彼女の家族には、大金を掴ませて、納得させたのだろう。それは、『契約違反』になります。で、押し通せ。」
この件は、一旦鎮火したかに見えた。が、私には、嫌な予感しかなかった。
* * *
次回予告
第97話 護衛~『馴れ初め』
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