次の街~出発編
「以前にも話したが、私は世界を回り、この目で見てみたい。参加は、自由意志であり、金銭面、通行証などは、自己責任だ。そう、数日前に質問したが、その答えを聞きたい。」
「おいおい、相棒。そんなに、あたいを捨てたいのかよ。ついて行くよ。」
「勿論、わたくしも同行させて頂きますわ。ウィル。」
「オレもいくぜ。」
「よし、なら一応確認するが、全員『通行証』を持っているな。」
『通行証』……ぶっちゃけ言ってしまえば、『パスポート』の様な物だ。
私は、父上に頼んで、『王国』から発行して貰った。結局は、親の七光りだ。
そう、この国だけじゃない。世界的に、厳正な身分制度が、存在する。庶民は、生まれた村町から出る事を許されない。それも一生……
「相棒だって、知ってんだろ。今や、『ギルド』は、世界規模だって。」
「わたくしも、『ギルド』から発行された『通行証』を持っていますわ。ウィル。」
「オレももってるぜ。ウィル。」
そう、かつては各国バラバラだった。賞金稼ぎ組合は、各国政府との折衝を経て、世界組織に統一された。これで、犯罪者が他国に逃げてしまっても、逮捕可能になった。
そこで、賞金稼ぎ組合……通称『ギルド』の『身分証』は、『通行証』を兼ねている。
だが、弊害もある。特に、外国に逃げた犯罪者を引き渡す際の、手続きが煩雑になる事だ。今、『ギルド』と各国政府との間で折衝しているらしい。
『魔法』……取り分け『遠隔通話』が、もっと安く使えればいいのに……そうとも思う。
だが、これは、『魔術師組合』が、価格を統制している。しかも、連中は自前で『遠隔通話』を調達できる。とっくに世界的な組織になっている。
『魔法』を使えない人間の、足元を見て商売をしている訳だ。
「そう言う事なら、問題は無いな。では、紹介の必要は無いだろう。ミンゴも同行する。全員、仲良くする様に。」
「おいおい……相棒、そんなに『幼女愛好癖』に、目覚めちまったのかよ。」
「そうですわねぇ、ひょっとして、平らなのご趣味かしら。ウィル。」
「ミソコなったぞ。ウィル。」
女部屋として借りた宿の4人部屋に、充満したのは、机の打撃音だった。
「黙れ。それは誤解だ。以前から、何度も言ってきた。これ以上蒸し返すなら追い出すぞ。」
静寂に置き換わった所で、再度説明してから解散とする。
「明朝一番の出立だ。酒くらい構わないが、遅刻は駄目だぞ。以上だ。」
* * *
次回予告
第90話 次の街~関所編
ご愛読ありがとうございます。
面白ければ、ブックマークと、星をお願いします。
励みになります。




