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捜査~販売者

「『免罪符』を、100枚ですか。そ……それは、御大層な。」

 室内に通され、奥で待っていたのは、スキンヘッドに、白髪髭の男だった。

「そうですわよ。ここでしか入手できないのでしょう。『教皇』猊下ご署名の『免罪符』。それを100枚、急ぎ入用なのですわ。」

「しかし、それだけ多量に、お一人で使われる訳ないでしょう。ひょっとして、『転売』?」

「それは、あなたが、知る必要のない事です。あなたが、為すべき事は、『教皇』猊下ご署名の『免罪符』を100枚、わたくしに引き渡す事のみですわ。」

「ですが、それだけの数を、揃えるとなりますと『お支払い』も、相当な額になります。」

「それでは、これを御覧なさいな。」

 手袋を外して、指輪を見せた。

「こっ……これは、かなりのお値打ち物じゃあないですか!」

「分かったら、さっさと、『商品』をお出しなさい。」

 ここで、津の間にやら取り出した『謎スイッチ』を、押したスキンヘッド。

「あらあら、そんな所に『隠し扉』が、あったの。しかも、大勢のお出迎えですわね。」

 室内の、そこかしこに備え付けられた『隠し扉』から、現れたのは、武装した男達だった。

「おう、おめぇら! こちらのご婦人が、大層な宝石をお持ちだ。ブツは、俺様のモンだ。後は、おめぇらの好きにしやがれってんだ。」

「おう、太っ腹だね。さすがぁ、お頭ぁ。」

 下卑た嗤いが、巻き起こる。しかし、嘆息する仮面の女性だった。

「いけませんわぁ。ここは、『商売』をする『場所』でしょう。で、あれば『武器』を使った『強奪』なんて『無粋』で『野蛮』な『行為』、『犯罪コンシェルジュ』がするのですか。」

 唐突に、室内の空気が、静寂に満たされた。

「女ぁ……そいつぁ、『言っちゃぁならねぇ』言葉だぜ。何しろ、お前さんを生かして帰すと、『ゴードン』様の耳に、ここでの話が入っちまうじゃねぇかよぉ。」

「あら、と言う事は、『ゴードン』殿にも内緒の『裏金』作りですわね。悪い人達……。」

「まぁまぁ……おねぇちゃんよぉ……おれらといい事しようぜ。」

 背の高い男が、仮面の女性の右手首を掴んだ。その瞬間……

「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!」


 * * * 



次回予告

第85話 捕り物~本気

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