司祭補佐
「1つ、後程、『枢機卿』猊下にお礼を述べたい。猊下のお時間を頂戴出来ますか。」
「それは、難しいかと。書面で頂けますれば、お届けします。」
「では、そうしましょう。2つ、貴公には、幾ら『賄賂』を支払えばよいかな。」
幾分引きつった笑顔を、浮かべる司祭補佐。
「ご無用です。本日、私がウィルのお世話をするのは、神の思し召し。修行の一環ですから。」
「確か、『ブラック・クイーン城』の『大司教』猊下から『紹介状』があった筈。でもなければ、『枢機卿』猊下が、『石化解除』を施術するはずがありません。」
「……ええ……確かに『紹介状』はありました。」
「であれば、『大司教』猊下に『賄賂』を渡した筈。でもなければ、『紹介状』を書くはずが無い。当然、『枢機卿』猊下にも支払った筈です。違いますか、ディーコン司祭補佐。」
「……確かに、聖教会内部にその様な、『悪習』が、蔓延しているのは、事実です。」
「おひおひ……『賄賂』って、どんだけ『腐敗』まみれなんだよ。この世界。」
などと言う無意味な指摘をする者などこの世界に存在しない。
「なんと、嘆かわしい事か!」
何やら、『ヤる気スイッチ』でも入ったのか、声を荒げる司祭補佐。
「本来なら、我等聖職者の務めは、『迷える子羊』を教え導く事! それなのに、『教皇』猊下のお膝元では、『免罪符』などを、売り出す始末!」
「おひおひ……『免罪符』って、どんだけ『香ばしい』世界だよ、ここは。」
などと言う無意味な指摘をする者などこの世界に存在しない。
「知っているのか、ライデン。」
「『免罪符』……所持していれば、如何なる罪にも問われない、と言う書面ですね。聖教会でのみ購入可能でしたか。」は、「知っているのか、ライデン。」と聞こえた様な気がしたが、きっと気のせいだろう。
某私塾とも無関係に相違ない。漢字を忘れてカタカナになった訳でもない。
「その通りです。ウィル。が、私は、声を大にして言いたい。その様な『悪習』断固反対です!」
「すると、貴公を『司祭補佐』に貶めたのは、『悪習』に反対した事への制裁ですか。」
「……ご明察です。ウィル。司祭昇進が、内定した直後に『司祭補佐』の辞令がありました。」
「……素晴らしい。貴公の様な、清廉潔白な聖職者と出会えた事こそが、最大の収穫だ。時に、貴公のファースト・ネームを聞かせては、貰えないか。」
「ジョン……フルネームは、ジョン・ディーコンです。ウィル。」
「そうか、今後も貴公の力を、借りるかもしれない。宜しく頼むよ、ジョン。」
「こちらこそです。ウィル。」
握手をしていたら、従僕が、さわがしい女達を連れて来た。
そこで、挨拶を澄ませ、帰る事になった。
* * *
次回予告
第77話 前回の振り返り~すまない。私のミスだ。
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