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『バジリスク戦』~とんだ『まさか』

 何故、『奴』は、悲鳴を上げないのだ……

 答えは、こうだった。『奴』が、すぼめた口から、紅い液体を吹き出す。

「おっと。」

 盾で、受け止める。どうやら、『奴』の『血液』らしい。さっき、舌に矢が命中した時の、傷から出血したものだろう。が……

「まずい! アム! 『血』を拭きとれ! 早く!」

「ん? どした。ウィル。」

 返り血を盛大に浴びたアムがいる。勿論、顔は戦斧で防いだようだった。

 一方、私と言えば、左手に盾を装備した為、プレートメイルの上からとは言え、右膝に『奴』の『血液』を浴びてしまった。

「大変だ! 相棒! 右膝が、『石化』してるぞ!」

「大丈夫だ。これは、『奴』の『血』が『石化』しただけだ。動かし難いだけだ。アム!」

 そこには、返り血が石化し、動きが鈍くなったアムがいる。

「ヒダリカタと、ヒダリヒジだ。あとは、ダイジョウブだ。ウィル。」

 どうやら、左肩と、左肘の『返り血』が、『石化』し、動かし難くなっているようだ。

 身体まで『石化』した訳ではない。私の右膝と同じだろう。こんな手があったとはな……

 とんだ『まさか』だな。


 * * * 



次回予告

第71話 『バジリスク戦』~噛まれた!

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