『思考探査』
それからが大変だった。父上に、『遠隔通話』で連絡を付け、『閃光兵団』に対する尋問の許可を取り付けた。勿論、父上の立ち合いの元でだ。
「お世話になります、父上。」
「おう! 遠慮すんな。何時でも、来いって。で、さっき言ってた『魔術師』さんが、そちらのお嬢さんかい。ウィル。」
「お初にお目にかかります。パラブラス、と申します。以降お見知りおきを。既に、ウィル様より『パリー』と言う愛妾を賜っております。」
正式な宮廷舞踏会の礼儀作法を披露するパリー。
「おひおひ……『愛妾』じゃなくて、『愛称』の間違いだろう。」
などと言う無意味な指摘をする者などこの世界に存在しない。
「これは、これは、ご丁寧にいたみいります。フレディ・マーク・ユーロックです。」
こちらも、正式な礼儀作法で返礼する父上だった。
それが終わると、私の首を抱き寄せるようにして、密着して来る父上。
「まったく、隅におけねぇな。どこで、こんないいお嬢さんを見つけたんだよ、ウィル。」
「先程、『遠隔通話』で説明しました通り、誤解です。只の『仕事仲間』に過ぎません。今回の『尋問』で、彼女が『思考探査』を発揮してもらう為、連れて来たに過ぎません、父上。」
「ふーん、いいお嬢さんみたいじゃないか。……コホン……実は騎士団には、『思考感知』の使い手ならいる。が、『思考探査』と、どう違うんだ。ウィル。」
「パリー、父上に『思考探査』の説明をしてくれたまえ。出来る限り噛み砕いてな。」
「かしこまりぃ。実は、わたくし、『精神操作系』の『魔法』を得意としておりますの。初歩であれば、対象を『眠らせる』或いは『自分を友人だと思い込ませる』などがございます。」
「ほぉ……そりゃ、便利だなぁ。」
「はい、ですが、相手にも『精神』を『今まで通り保とうとする力』がございます。略して、『精神力』或いは『抵抗力』と言います。よって、自分より弱い者にかける『魔法』ですわ。」
ちなみに、私は、精神にも『免疫力』が、存在すると、解釈している。
「では、本題です。その中でも、中級以上になりますと、『思考』を『読み取る』ものが、ございます。これが、『思考感知』であり、『思考探査』ですわ。」
初歩の物には、『虚偽感知』もあるが、これは『沈黙』で押し通す事が可能だ。
「最後に、『思考感知』は、『思考探査』の下位互換ですわ。『思考感知』は、『表層思考』を、『思考探査』は、より『内心』……『本音』に近い物を『読み取る』事も可能ですわ。」
そんなこんなで、『閃光兵団』への尋問が、開始される運びとなった。
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次回予告
第43話 尋問~打ち合わせ
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