雌狐
「お初にお目にかかります。パラブラス、と申します。以降お見知りおきを。」
正式な宮廷舞踏会の礼儀作法を披露したのは、白子特有の色素が薄い美女だ。
二人共、鎧を身に着けていない上、薄着だから比較しやすい。BJは、巨乳だと思っていたが、パラブラスは、それを上回っている。BJは、Dカップ。パラブラスは、Fと言う所か。
「ウィリアム・ユーロックだ。こちらこそ宜しく。では、今後パリーと呼んでも構わないかね。ちなみに、私の事は、ウィルで構わない。」
ちなみに会談場所は、BJが昨日チェック・インした部屋だ。この建物は、防音性も優れている。様々な意味で『優良物件』だ。
「勿論ですわ、ウィル様、で、宜しいでしょうか。」
「これから仕事仲間になる。よって、『様』は、不要だ、パリー。」
「かしこまりぃ。ウィル。」
「なぁ、そろそろ本題に入れねぇのか。お二人さん。」
「それもそうだな。何か、質問はあるかな、パリー。無ければ、進めてくれて構わない。」
「なら、1つだけ。ご家族は、ご存命でしょうか。ウィル。」
「それは、仕事に関係ある話か、パリー。」
「わたくし共の仕事上、恨みを買う事例が、少なくないのです。それも、犯罪を生業とする不届き者共からです。」
「状況は、理解できる。つまり、貴公は、こう言いたい訳か。『犯罪者共は、報復対象として私の家族に、危害を加えるかもしれない。』そうだな、パリー。」
「仰る通りですわ。ウィル。」
「それなら、問題ない。『毒虫共』が、何を企もうと、どうしようもない相手だ。ちなみに、この先を聞きたいなら、『守秘義務』が発生する。私の許可無く口外する事まかりならん。」
「謹んで、承りましたわ。で、ウィルのご家族は、どの様な方々なのでしょう。」
「ならば、墓の下まで『秘密』を守って欲しい。では……私の父上は、『黒龍騎士団団長』だ。」
「あら、『血統書付き』でしたの。しかし、『ご嫡男』を、賞金稼ぎにするものでしょうか。」
「ここから先は、秘密はより重大な物になる。心して聞いてくれたまえ。……私は、『廃嫡』の身だ。『家名』を名乗る事のみを許されているに過ぎない。以上だ、パリー。」
「何やら、複雑なご事情が、おありのご様子ですわ。ですが、これ以上は、お聞きしません。それでは、仕事の話に移っても、よろしいでしょうか。ウィル。」
成程、この『含み笑い』……BJが、『雌狐』呼ばわりした事と関係ありそうだ。
「さっきも、言ったぞ。『構わない』。進めてくれ、パリー。」
* * *
次回予告
第40話 『ゴードン』
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