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家族との別れ
翌朝、玄関先で、別れの挨拶を済ませた。
「いいか、ウィル、ここはお前の家だ。何時でも、帰ってこい。」
父上から、いつにも増して力任せなハグをされた。
「大丈夫ですよ、父上。父上から頂いた通行証も、路銀もあります。暫くは、物見湯残と洒落込みますよ。」
「お前が、いると、私の実子が、跡を継げないだろ!」
と言う目で睨むのは、血の繋がりが無い母上だった。
恐らく、弟の本当の父親を知る者は、邪魔なのだろう。
「兄上、道中お気を付けて。」
「ロジャー、今後は、お前が家長になるんだ。父上と、母上を宜しくな。」
「はい、兄上。」
「では、行ってまいります。」
『シルバー』に乗らず、手綱を引いて、実家を後にした。勿論、従者は家に残る。彼は、ユーロック家の家来であって、私が禄を食ませている訳ではないからだ。
* * *
次回予告
第39話 雌狐
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