『情けは人の為ならず』
細かな部分は、色々『端折った《はしょった》』。
が、これが、これこそが僕の『異世界転生』までの『顛末』だ。
そこで、確認してみた。件の『チート能力』の内容を。それは……
『情けは人の為ならず』
説明:対象に『要請』する事で、『協力』してもらえる。
但し、対象に不可能な行為、『死』を強制する事は不可能。
また、これは、対象が『死ぬ』と認識できなければ可能。結果としての『死』はありえる。
尚、『協力』する内容は、1度に1つだが、複数対象に、1つ『要請』する事も可能。
生涯に(加害者の人数)回まで使用可能。また、見て見ぬ振りした人数を1ポイントとし、100ポイントで、上記回数+1回。これで、33回、67ポイントだ。
更に、誰かに感謝される度に、感謝度合いに応じて、ポイント加増。
また、余分に1回消費すれば、『要請』に対処可能な人材を、瞬時にこの場へ呼ぶ事も可能。この場合、不自然の無い様に、『現実改変』並びに『記憶改変』が、為される。
但し、この場合も『存在』する事が『不可能』なら、『呼ぶ』事も『不可能』である。
-以上-
「何だ……『制限』だらけな上、『最強』『無双』な『能力』じゃねぇーかのかよ。」
などと言う無意味な指摘をする者などこの世界に存在しない。
成程、さっきは、『大した能力』は、手に入らないと考えたが、これは『凄い能力』だ。
これなら、『原子力発電所』は、不可能でも『製鉄所』くらいいけそうだ。
「何だ! それは。何処の『岩石医者』だよ!」
などと言う無意味な指摘をする者などこの世界に存在しない。
それに、『城』だの『堤防』など、大規模な構造物を作りたい場合、『作業員』を集める事ができる人物に、『要請』するだけで、『人手不足』は解決する。
しかも、僕が『建築』の知識を持って無くても問題ない。『建築の専門家』に、『要請』するだけで解決する。
但し、あくまで『可能』だと言うだけで、『成功』を『確約』された訳じゃない。
よし、確認はこの辺で、十分だろう。
他にも、『毒無効』や『病気無効』、『美貌3レベル』(国一番)、『性的魅力3レベル』(国一番)、『不老』などあったが、何の冗談だ。まあいいさ……
そう判断し、僕は『似非中世ヨーロッパ《ナーロッパ》風異世界』へと旅立った。
そして、再覚醒した《再び目覚めた》時、檻に入れられていた。
* * *
次回予告
第4話 状況を整理しよう
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