ひでぇ……
「おひおひ……誰が、『何時』、『無抵抗』で、脱がされるって言ったんだよ。おっさん。ほら、次の勇者は、いないのかよぉっ!」
「……そう言う事なら、わたくしが、お相手致しましょう。」
今度は、でっぷりしたスキンヘッドの大男が、立ち上がった。
「まったくぅ~~流血沙汰は、嫌いなのに~~ねぇっ!」
ゆらり……とした動作で、BJへと歩み寄る大男。BJの拳足の間合いに入る……
直前、目にも止まらぬ速度で、動いたのは、大男だった。
残像ォッ! なんて速さだ!
「遅い!」
残像を見破り、背後に回れた瞬間、後ろ回し蹴りを見舞うBJ。が……
「ぶふぅ~~。軽いねぇ~~。お嬢ちゃん。」
成程、確かにBJ蹴りは、大男の肝臓にクリーンヒットしていた。が、その分厚い皮下組織に阻まれていた。脂肪恐るべし……
「ったく、たりぃ、たりぃ。」
今度は、のけ反る様に、頭部を下に倒れるBJ。否、これは倒立……
「せいやぁっ!」
今度は、股間を蹴り上げるBJ。
「ん~~無駄でぇす。打撃地点を、すこぉしズラすだけで、脂肪で衝撃を脂肪せしめまぁす。」
「『死亡』せしめるの間違いだろう。」
などと言う無意味な指摘をする者などこの世界に存在しない。
「それに、唯一脂肪で覆われていない箇所……頭部は、お嬢ちゃんとの体格差では、届きませんねぇ~~。」
「そいやぁっ!」
「ほよぉぉっ!」
今度は、蹴りの勢いそのままに、大男を宙に浮かすBJ。
今や、頭頂部を軸に回転する『コマ』の様なBJだった。
「うっ死ぁっ!」
大男の胴体を、両脚で『カニばさみ』し、金づちでも振り下ろすかのように、大男の頭部を床に叩きつけたBJ。今度こそ、意識を失った大男だった。
「ひでぇ……『ブラジオウ』……」
大男の断末魔の悲鳴は、「ひでぇ『ブ』……『ラジオウ』……」と聞こえた様な気がしたが、きっと気のせいだろう。
某世紀末救世主伝説とも、ロボット物ライトノベルとも無関係に相違ない。
* * *
次回予告
第27話 三人がかり
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