海賊船~最下層での戦闘~まずは会話から
「船長ぅ~~敗れたりぃっ!」
「おひおひ……そりゃ、何処の『二天一流』の開祖だよ……。」
などと言う無意味な指摘をする者などこの世界に存在しない。
「船長、貴公の作戦は、こうだ。この状況、狭く細長い通路。大勢が奥を注視している。即ち、入り口に背を向けたこの状況。これこそが、『作戦』だな、船長!」
無言だが、油断なく私へと注意を向ける船長。その隙に、負傷者は後退する。
「済まない。頼むぞ。……に、気を付けたまえ。ユーロック卿。」
入れ替わりに、私のやや後方で、BJが控える。狭い廊下では、二人でとはいかないからだ。
「引き受けましょう。……さて、船長。この状況で、入り口から矢を放てば、当て放題だね。」
前半を、後退する聖騎士に、後半を船長に向けて言う。勿論、視線は船長に固定だ。
「それも只の『矢』ではない。『流星陣』だ。心当たりが、あるだろう、船長。」
ようやく、驚きの色に貌を染める船長だった。どうやら、図星らしい。
「お前……『マット』を……殺ったのか。」
恐ろしく低く、そして良く通る声の船長だった。そうか、それが、『壁男』の名前か……
「勿論だ。殺ったとも。この私がな。」
これぞ、良く使える『印象操作』だ。この様な言い回しをすれば、『私一人で』殺った。そう解釈されるだろう。これで、船長は私の実力見積もりを、上方修正せざるを得ない。
これで、準備は整った。あわよくば的な作戦だが、試して損は無い。
「降伏したまえ、船長。貴公は、今まで善く戦った。だが、作戦は既に破綻している。修正のしようも無い。ここで、武器を捨てれば、罪が軽くなる可能性もある。どうかな。」
「ふっ……だが、闘える者の『おかわり』が、来ただけだ。お前を殺すだけで解決するさ。」
「では、1つ質問しよう。貴公の『仲間意識』は、どちらの方角を向いている。」
「何だと……お前、何が言いたい。」
「こういう時は、『仇討ち』と、言うものだろう。だからこそ、貴公の『仲間意識』だ。」
「ふっ……だからこそ、お前を殺せば、全て解決するってモンサァッ!」
* * *
次回予告
第157話 海賊船~最下層での戦闘~油断も隙も無い
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