海賊船~海賊船に突入
「はぁい。どうぞ。ウィル。」
「ありがとう、パリー。」
受け取った剣と盾を装備する。海に落としてはいけないので、念の為預かって貰っていた。
「うん、やはりこいつらが、いると落ち着くな。さてと……」
甲板の状況と言えば、死屍累々だ。引き上げられた『壁男』を、含めた海賊共の死体だ。
勿論、全て『海賊』のものだ。聖騎士は、全て船の中に入った様だ。
「では、そろそろ船に入る。パリー、アムは、甲板で警戒。ミンゴは、海面で待機。BJは、ついて来なさい。各自いいな。」
「オオォーッ!」
こうして、海賊船の中へと侵入する。開きっぱなしの扉をくぐり、階段を下った。
「廊下にも、室内にも、死体が無いな。やはり、甲板に並べていたのか。」
「そうだぜ。あたいも、手伝ったんだぜ。ご褒美は、無いのかよ。相棒。」
「いいや、論功行賞は、総合判断だ。局地的にはしないぞ、BJ。」
「ちぇーっ。ちなみに、一番奥の部屋には、縛り上げた捕虜を、詰め込んでるんだ。相棒。」
「ああ、あの扉の前に、歩哨がいる部屋か。ここは、制圧済みらしい。下へ降りるぞ、BJ。」
「おう、分かったぜ。相棒。」
奥で待機する歩哨に軽く挨拶し、更に、階段を下る。剣劇の音が、風に乗って届く。
「そう言えば、この船、何階まであるのかな、BJ。」
「んにゃ、知んね。でも、大きさから4階くらいだと思うぜ。相棒。」
「ふむ……だが、その内1階は、漕ぎ手がいるだろうな。倉庫もあるから実質2階だな、BJ。」
「2階か……あたいも、そう思うぜ。相棒。」
「では、最後の階に行くとしよう、BJ。」
こうして、地下2階……最終決戦の場に向かう。近づくと、色々五月蠅い。
で、階段近くの廊下に座り込んで、休憩している聖騎士に質問する事にした。
「お勤めご苦労様です。今回参加させて頂いております、ウィリアム・ユーロックです。」
「ユーロック卿。卿もご苦労様です。で、自分に何か。」
「ひょっとして、廊下の奥で孤軍奮闘しているのは、海賊船の船長ですか。」
「ええ。しぶとい上、手強い。卿には、休憩している様にみえるでしょうが、違うのです。」
「それは、一体何でしょう。」
「奴は、短剣に『魔法』を込めて使っています。それも、『治癒魔法』を『無効』にするものです。その為、負傷者は、一旦後退し、応急手当を受けざるを得ない状態なのです。」
「成程……ですが、この狭い場所では、取り回しが容易と言っても、所詮は短剣。立派な鎧を貫通できるとは、思えません。そこには、如何なる『魔法』を、使っているのでしょう。」
「それは、『鎧徹し』です。恐らく、武術でしょう。お陰でこの有様です。ユーロック卿。」
「と言う事は、『魔法』を打ち消す手段が、無い訳ですね。聖都に帰還しない限りは。」
「ええ。その通りです。不甲斐ない!」
「どうやら、貴公達の仇を討つ事が出来そうです。つまり、私の番!」
で、最後の聖騎士が派手に出血した所で、満を持して、私の番になった。
* * *
次回予告
第156話 海賊船~最下層での戦闘~まずは会話から
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