海賊船~撃ち合い
「あら……鯵な真似するじゃない。」
「助かった。よくやったぞ、パリー。」
私が騎乗している『イルカ』が、矢を回避してくれた。本当に、柔軟性が高いな。
「よぉし、今度は、こっちの番だ。喰らえ!」
長弓を構え直し、狙いを定めて、『壁男』目掛けて矢を放つ。
「あらぁ……っと、今度は、まだましじゃない。でも、は・ず・れ♪」
またも、こちらに向かって、矢を撃ち降ろす『壁男』。
「そうか! そう言う事か!」
今度は、2本の矢を同時に、私の左右に放った『壁男』だった。よって、動かなければ、当たらない。恐らく、私の『イルカ』が、横滑りして矢を回避する事を見越しての事だろう。
うーん、見極めが、難しいな……
「本当に……色々な事をしてくれるな。だが、今度こそ!」
同じく、『壁男』へと矢を放った。
「あら……今度は、仕方ないわねぇ……っと。」
今度は、軽く横に半歩移動して、矢を回避した『壁男』だった。
「あら……残念ねぇ……で、さっきの手口からすると、これならどうかしら。」
そう言いつつ、長弓に矢をつがえ、私目掛けて撃つ『壁男』だった。
「くっ! ……今度は、そう言う事か!」
今度は、『イルカ』が、後方へ下がってくれた。何しろ、『3本』の矢が放たれたからだ。
「危ない、危ない、なんて奴だ、次の手の内を晒す前に倒さないと、こっちが持たないな!」
今度こそ、命中さゼる。その意思を込めて矢を放った。だが、これだけでは無い。
「『閃光』!」
「目が! 目ガァッ!」
『壁男』の「なにぃ! 何時の間に『魔法』を使った!」は、「目が! 目ガァッ!」と聞こえた様な気がしたが、きっと気のせいだろう。
某滅びた王国の末裔とも無関係に相違ない。
「ゲ……びゅ……ふ……」
『魔法』で、目をやられ、喉を矢で貫かれた『壁男』だった。
「よし! よくやったぞ! パリー。」
そう、今『閃光』を使ったのは、私ではない。それでは、バレバレだからな。
本命は、海賊船に渡し板で接舷したカショーギ号から、乗り込んで来たパリーだった。
「はぁい。後で、ご褒美欲しいですわよね。ウィル。」
「いいや、論功行賞は、総合判断だ。局地的にはしないぞ、パリー。」
「あら、いけずぅ……。」
* * *
次回予告
第154話 海賊船~一人では、ない
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