海賊船~光よ!
「よくやったぞ。その調子だ、アム。」
「ふん! オレは、ユーゲンジッコウなんだ。ウィル。」
「でもよぉ、見つかっちまったんじゃあ、しゃーないよなぁ。相棒。」
「そうだな。私は左側に回り込んで、援護射撃。BJ、アムは、乗り込め。」
「イィーエェー!」
この後、カショーギ号が追い付き、鎖付き銛を海賊船に撃ち込んだのは、私達が2手に分かれて行動開始した直後だった。
「GwaWowww!」
狼に変じたBJが、ロープをくわえて船体を駆け登るBJ。砦で垂直の壁を駆け降りた件で、明白だったが、流石狼と言った処だな。
とは言え、敵地の真っただ中で、ロープの端を固定して、反対の端を海に落とす。
更に、アムが、ロープを伝ってよじ登るまで、ロープを守りぬくのも大変だ。
こう言う仕事を任せられるのも、彼女の優秀さだ。まあ、猪は壁登りできないからな……
「おい、BJ、あずかったミズギだ。」
「おう、あんがと、アム。水着脱いだままだと、相棒に怒られっからよ。」
海賊船甲板上では、等と言う一幕もあった。
「さて、甲板上にいる二人に、当てない様に、射撃しないとな。よいしょっと……」
舳先近辺に、矢を放つ。だが、暗い上に、直接目視出来ない以上、命中率はおぼつかない。
だが、ここで事態が急展開を見せる。カショーギ号の聖騎士、戦闘員が、海賊船に乗り込んで来たのだ。これで、ますます援護射撃をする事は、困難になった。更に……
「あ~ら、とっても奇麗なお月様。少しばかり、遊びませんか。」
月光に照らし出されたのは、黒い服に緑の帽子を着用した細身の男だった。
特筆すべきは、奴が船体の外壁に、立っている事だ。まるで、そこが床であるかの如し。
しかし、以前話に聞いた『壁面歩行』の使い手と、こんな所で出くわすとはな……
「『光』よ!」
「あら……無粋なこと……。」
当たり前だ。今までは、暗いから見つかりにくい。そう考えていたが、見つかってしまった以上、暗いままでは、不利になる。『光』の『魔法』を使える事は今まで隠していたがな。
「まぁ……いいわ。あなたには、『引っかき回された』のだから、さっさと殺りますか。」
そう言いながら、長弓を取り出し、私に狙いをつける『壁男』だった。
「ふん……直接目視できるなら、こっちも受けて立つのみ!」
長弓を構え、引き絞る。『壁男』目掛けて、撃ち上げる。
「ちっちっち……は・ず・れ♪ じゃ、こっちも撃たせてもらうわ夜雄っ!」
「! ……まっ……しまっ……た。」
* * *
次回予告
第153話 海賊船~撃ち合い
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