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聖都『ラーボリア』~水着の話

「何ですか! そのハレンチな格好は! 布面積が狭すぎです!」

 ここで、会話に割り込み、水着を着用しているBJ達へ向け、指さすエーテだった。

「これは、水泳用の衣服です。今回は、敵の手で海に落とされる可能性に鑑みました、尼官。」

「だからと言って、その様に布面積が狭すぎる服は、公序良俗に違反します!」

「だからと言って、裸で船内を徘徊する事など言語道断。これは、『折衷案』です、尼官。」

「だからと言って、布地布面積を狭くする根拠には、なりません!」

「だからと言って、水着を『完全防水』には、できません。海に入れば、海水を吸って、重くなります。つまり、布地布面積が、広ければ広い程、動きを阻害されるのです、尼官。」

「だからと言って、この様な裸体に近い恰好は、ハレンチです! 何ですか! この紐は!」

「おひおひ……ファンタジーで、スリングショットなんてあるのかよ……」

 などと言う無意味な指摘をする者などこの世界に存在しない。

「では、更なる『折衷案』を提案しましょう、尼官。」

「では、その『折衷案』とやらを、伺いましょう。」

「戦闘中以外は、マントを着用する事としましょう。それで、問題無いですね、尼官。」

「……まぁ、そうですね……なら、そのマントを着用するまで、『監視』させて頂きます。」

「勿論です。お好きなだけどうぞ、尼官。」

 この後、すったもんだしたものの、何とか納得してもらえた。やれやれ……


 * * * 


 今回の仕事には、夜間の警戒も含まれる。今日は、私の番なので、甲板に立っている。

 陸は遠く、大海原にぽつんと在るカショーギ号。今は、機関を停止し潮風に嬲られるがまま。

 こう言う時、街にいる衛兵は、酒を飲ませてやれば、仲良くできるし、色々話してくれる。

 だが、何時『敵』と遭遇するか分からない状態では、それもままならない。

 雑談など、もってのほかだ。会話の声で、『敵』から先に発見されては、本末転倒だ。

 本当なら、食事中に乗務員や聖騎士と、会話したかったが、彼等は戒律があるので『黙食』しなければならないそうだ。しかも、洋上では、全員何らかの仕事があり多忙だ。

 つまり、船上洋上では、『人脈作り』は、難しい訳だ。ん……

 私は、夜目など効かない。だが、何だろう。何か『違和感』を感じる。

「おひおひ……何だ、そのフラグ臭全開な、台詞は……。」

 などと言う無意味な指摘をする者などこの世界に存在しない。

 明りは、灯してある。だが、これは海面を照らす為の物だ。遠くには届かない。すると……

「『海賊』発見っ! 『海賊』発見っ!」

 マストの上で、見張りをしている船員の声が、伝声管を駆け巡る。


 * * * 



次回予告

第149話 海賊船~逃亡中

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