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港町盗難殺人事件~まとめと後日談

「おや、ようやく『嘘』をつきましたか。中々、尻尾を掴ませないお方ですね、ゾーナさん。これが、魔法の力……『虚偽感知』です。……お手柄ですよ、パリー。」

「しかし、まだ疑問が残ります。何故、聞き込みの際に、ゾーナさんは、『嘘』をつかなかったのか。そして、今『嘘』をついたのか。何故でしょう。ユーロック卿。」

「ああ、それは、簡単なトリック……言葉遊びですよ、スート班長。こう質問すればいいのです。ゾーナさん、事件当日病気でしたか。『はい』か『いいえ』で答えて下さい。」

 後半を、ゾーナさんに向けて言った。暫しの逡巡の後、彼女は口を開いた。

「…………はい。」

 ここで、『虚偽感知』が反応し、警告音が響く。ゾーナさんが、嘘をついたからだ。

「聞き込みの際、ゾーナさんは、しきりに『娘が言っていた』とか『看病して欲しいと頼んだ』としか言っていません。『病気になった』とは言っていません。」

「成程、『~~と言った』だけですから、『嘘』ではない訳ですね。ユーロック卿。」

「そう言う訳です、スート班長。よって、『殺人犯』は、奥さん。『従犯』は、ゾーナさん!」

 ここで、2人を指さす。これで、説明は、終了だ。

「うぅぅぅぅるさぁい! あいつが、勝手に浮気したのよ! あたしを裏切ったのよ! 子供が出来ないからって、そんな身勝手な男、殺して何が悪いのよ!」

 パニック……癇癪を起して、叫び始める奥さんと、母親を連行していく憲兵達だった。


 * * * 


「本日は、お呼び頂き、ありがとうございます、ピラト卿、スート班長。」

 今日はピラト卿が、事件解決の祝賀会を開いてくれたので、お言葉に甘えさせてもらった。

 遠慮する様に、釘を刺したはずなのに、ガツガツと食べている者達もいる。

「いえ、こちらこそ。ユーロック卿の協力が無ければ、迷宮入りしていた可能性もありましたから。本当に、感謝の言葉もありません。」

「最後のとどめは、ピラト卿が、申請した『強制捜査命令書』でした。あれが、あったから包丁に衣服や絨毯も見つかったのです。で、何処まで白状しましたか。」

「はい、フェイスは詐欺を認めました。事件の全貌も、明らかになっています。ユーロック卿。」

「それは、良かった。奥さんは、情緒不安定の様子でしたが、大丈夫ですか、ピラト卿。」

「はい。あれから、犯行についての自白を、少しづつ行っています。ユーロック卿。で、話しは変わりますが、あの『狼』は、何処に? 今回大活躍でしたので、お礼をしたいのですが。」

「その話をするのを、失念してました。実は、彼女は、『狼』に変身していた……」

「ほぉ! 『人狼』ですか。小官もこの目で見るのは、初めてです。ユーロック卿。」

 こんな感じで、美味しい酒や料理で、和やかな宴を満喫する。


 * * * 


次回予告

第140話 港町盗難殺人事件~酒宴

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