港町盗難殺人事件~解決編『殺人事件』
「……まぁ、『逮捕劇』なんて、初めて見たわ。お母さん。」
「はい。そうですねぇ。エスターデ。」
ここで、ブラン倉庫検査官の奥さんと、母親の会話が入る。
「もし、『共犯』のブラン倉庫検査官が、生きていれば、『領収証』の『偽造』や『購入相手』も『捏造』する位の『助言』が、できただろうに……さて、次にご主人の件です、奥さん。」
「あら、じゃあ、主人を殺した犯人が、分かったのですのね。」
「勿論ですよ。ブラン倉庫検査官殺害の『犯人』は…………お前だ! 奥さん。」
「は? ……わ、私……ですか……ええっと……何故でしょう。」
「次に、この『殺人事件』をややこしくした『要因』を説明しましょう、奥さん。」
「はいぃ……それなら、娘は私が『看病して欲しい』と『頼んで』来て貰っていました。その『殺人事件』の間は、私の家におりました。憲兵さん。」
知っていますよ。ただ一度『外出』したこと以外はね、ゾーナさん。
「この『殺人事件』は、先程説明した通り、『詐欺事件』の『加害者』が、殺されました。その為、両者には何らかの『関係』がある。そう考えたのは、私だけではありません。」
「確かに、憲兵隊もそう考えました。で、どうなのでしょう。ユーロック卿。」
「こういう時こそ、『原点回帰』です。『動機』……『何故』と問うのです。」
「『動機』ですか……ですが、それは、『仲間割れ』では無いのですか。ユーロック卿。」
「それも、重要ですが、ここはもっと『遡り』ましょう。彼は、何故、『倉庫』に行ったのか。それも、あの日、あの時に、です。しかも、あの日倉庫は、『空』だと知っていたのに。」
「確かに妙ですな。では、『何故』被害者は、『倉庫』に行ったのでしょう。ユーロック卿。」
「結論から言いましょう。彼は、あの倉庫で『逢引き』……要は、『浮気』をしていたのです。では、ここで、スート班長。例の調査報告をお願いします。」
驚愕の色に貌を染める奥さん。彼女をなだめる母親だった。
「はい。ユーロック卿。目撃情報を収集した所、ブラン倉庫検査官は、奥様以外の若い女と、逢瀬を繰り返していました。それも、事件以前からですな。」
目に見えて、蒼ざめていくのは、奥さんの貌だ。
「更に、『逢引き』する二人を、尾行するフード付きのマントを着込んだ人物もいました。」
「流石、ローラー作戦で、目撃情報を集めて来るのは、憲兵隊の得意技ですな。そろそろ、事件当日の情報も、頂けますか、スート班長。」
「はい。で、事件当日ですが、同じく顔を隠したマント姿の人物が、目撃されています。それも、ゾーナさんのお宅から、ブラン倉庫検査官のお宅までです。こんな所です。」
「お疲れ様です、スート班長。」
「え! その程度で、『犯人』扱いですか! 一体何なのです!」
「大丈夫です。『証拠』なら、ありますよ。もう、間もなくです、奥さん。」
* * *
次回予告
第138話 港町盗難殺人事件~解決編『連続殺人事件』
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