ゴブリン活性化事件~巣穴に侵入
「あちらに見えますのが、ゴブリンのねぐらで、ございます。ウィル様。」
グリムードの首を刎ねた直後、ミンゴから連絡が、あった。そこで、彼女の案内に従って、ここまで来た、そう言う訳だ。
「ご苦労、ミンゴ。で、ここまで案内してくれたゴブリンは、どうした。姿が見えないぞ。」
「はっ、矢で射殺しました。死体は、草葉の陰に隠してございます。ウィル様。」
「ですわね。血の匂いくらいなら、わたくしでも、分かりますわ。ちなみに、ゴブリンの嗅覚は、人間並みですので、まだ気付いていないでしょうね。ウィル。」
「つまり、BJかアムが、深手を負わせ、逃亡したゴブリンを、ここまで尾行した訳か。」
などと言う無意味な指摘をする者などこの世界に存在しない。
「ですから、今なら不意討ちが、可能と言う事です。ウィル様。」
「だが、私は金属鎧を着こんでいる。『魔法』で、音を消す事が、できないか。パリー。」
「では、『静寂』がよいですわね。念の為、音を聞く事も、声を出す事もできなくなりますわ。要は、『魔法』を使えなくなる訳ですわ。ウィル。」
「でも、この面子、全員『遠隔通話』を使えるから、会話は問題無いだろ。」
などと言う無意味な指摘をする者などこの世界に存在しない。
こうして、洞窟に討ち入りする。パリーとミンゴは、闇を見通す視力があるが、そうでない私は、腰に命綱をくくられ、先行するミンゴが、それを適宜引っ張る。
そんな形の、ナビゲーションをされ、ひょこひょこと付いて行く。歩き辛い……
「仕方ない。ねぐらに残っているのは、女子供のはず。が、連中は、夜行性だ。つまり、今は起きてお留守番をしている。洞窟内で、火や明りを灯したら、留守番にばれるからな。」
「その通りです。鞘に収まった剣を杖代わりにするのも、いい考えです。ウィル様。」
「待って下さいな。この先に、ゴブリンが2匹いますわ。眠らせますわ。ウィル。」
パリーが、『催眠』の『魔法』を使う間、静かに待つ。待つしかない。
「終わりましたわ。ウィル。」
「そこ、ワイヤートラップが、あります。脚を高く上げて下さい。ウィル様。」
「こんなものか、ミンゴ。」
「はい。では、ゆっくり降ろして下さい。ウィル様。」
こんな具合に、暗闇の洞窟を進む。勿論、眠らせたゴブリンを『始末』する事も忘れない。
どれくらい時間が、経過したかは、正直曖昧だ。但し、殺したゴブリンは、9を数えた。
「待って下さいまし。この先に、広い空洞があるようですわね。ウィル。」
「では、私が、偵察しましょうか。ウィル様。」
「生命反応は、10を超えています。ひょっとすると、『生命感知』の範囲外にいるのかも。」
「気を付けていきなさい、ミンゴ。」
「はっ!」
音も無く、その場を後にするミンゴ。後には、静寂と暗闇に満たされた。
「本当、残念。こんなに、金属鎧をガチガチに、着こんでなければ、色々できたのにぃ。」
「鎧を撫でまわさない。それに、今は、戦闘中だ。もっと集中しなさい、パリー。」
「警戒なら、既に。斥候要因として、夜行性のヘビを放ちました。彼らは、光だけでなく、温度を『視る』事が、できますわ。まさに、うってつけでしょう。ウィル。」
「で、中の様子は、どうなんだ。広いんだろう、パリー。」
「……ええ、結構広い感じですわね。ゴブリンも、数が多い感じですわね。……あら?」
「どうした、何か、ロクでもない事でも発生したか、パリー。」
「ヘビが、ゴブリンに見つかりましたわ。連中の方が、洞窟内に慣れているからでしょう。」
「我々が、特にミンゴが、発見された訳では無いのだな、パリー。」
「はい。今それを言う所でしたわ。発見されたのは、ヘビだけですわね。ウィル。」
「ここまで、入り口から一本道だった。逃げ道や、他の場所に、連中がいないなら、明りをつけて、堂々と討ち入りしたいくらいだ。」
等と言う無駄口を叩かなかった。
* * *
次回予告
第122話 ゴブリン活性化事件~巣穴も決着!
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