ゴブリン活性化事件~グリムード
「Gwahh!」
私は、剣を、グリムードは、棍棒を、両者駆け抜け様に、獲物を振るう。
打撃音が、大気を震わせた。
「硬い! 本当に木製か! それに、あのパワー! これは、長期戦になるな。……『拡声』……貴公ら! これは、男と男の決闘である! 手出し無用に願います!」
「要は、砦から迂闊に矢を放って、チャンピオンが、スリングを撃ち返す。そんな物を喰らえば、砦の兵に損害が出るでしょう。……では、本当に1人で、そいつを斬る気ですか。ウィル。」
「行くぞ、グリムード!」
「Gwah!」
またも、突っ込んでくるグリムード。こちらも、馬首を廻らし、走らせる。
剣と棍棒、双方が激突し、打撃音が、大気を響かせた。
「ぐぅっ! 重いっ! こっ……こいつ! うぅぅっ! せいっ!」
軽く手首を捻り、グリムードの棍棒を、滑らせる様に受け流す。駆け抜けた。
「な……なんて奴だ。今の手首の『返し』……私の剣を絡めとろうとした! 危なかった……間一髪、先にこちらが、『返し』たから、この結果に落ち着いたが、油断も隙も無いな。」
牙をむくグリムードだった。
「ちっ……嗤ってやがる……だが、参ったな。ひょっとして、私より強いか。」
馬上から斬りかかる有利が、あるとは言っても、『押してる感』が無い。
少なくとも、『力』では、私より上だ。『技』も上かも……ならば、『遠隔通話』だ……
「パリー、念の為だ。私が合図したら、『アレ』をやりなさい。」
「ふふ……『謀』に勤しむウィルってば、素敵ですわね。……かしこまりぃ。」
ここで、咆哮するグリムード。
「む、そう言う事か。何故、(さっきの会話中)攻撃しないのか。疑問が、氷解したな。」
黒光かりする筋肉が、盛り上がり、身長も微増させたグリムード。
「要するに、時間制限付きの『身体強化』だ。奴は、最初から、鎧を身に着けていなかった。が、恐らくあの状態なら、装甲も増加しているだろうな。だが、『魔法』なら私にもある!」
シルバーを走らせる。呼応して、グリムードも駆け出す。
「はっ!」
「Gw!」
今度の打撃音は、大地をも震わせた。
「ぐぅっ!」
こっ! これは! パワー負けした! まずい。
「Gwahhhh!」
パワーだ。グリムードの技は、怪力に裏打ちされた物だった。その事実を思い知らされた時、剣を吹っ飛ばされていた。
* * *
次回予告
第119話 ゴブリン活性化事件~逆転!
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